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各種数値で見るネットプロレス大賞2019:最優秀団体編

ネットプロレス民にとっては新年の風物詩ともいえるネットプロレス大賞が先日遂に発表になりました。
所謂「大賞モノ」はプロレス界には多々ありますが、ファンが主催し、ファンが投票するタイプのものの中では歴史も古く注目度も高いものなんではと思ってたりします。
今年で14回目になるそうですが、弊ブログで取り扱うのもこれで3回目になります。
過去2回と比べても解析手法が多様になったのもあって解析結果もかなり増えそうなので今年は各部門ごとに解析結果を紹介したいと思います。

今回は「最優秀団体部門」について解析です。

ネットプロレス大賞2019その他の解析:
各種数値で見るネットプロレス大賞2019:MVP編
各種数値で見るネットプロレス大賞2019:最優秀試合編
各種数値で見るネットプロレス大賞2019:最優秀興行編

過去解析
ネット・プロレス大賞2018各部門で振り返る2018年の日本プロレス界
ネットプロレス大賞・団体部門で振り返る2017年のプロレス界

 

集計したもの

集計したものは勿論ネットプロレス大賞の結果、なんですが詳しい解析を行うために各年の全投票者リスト*1を自前でスクレイピングで集計して、そのデータをもとに解析しています。
その際に各年でフォーマットが違うこともあったり、スクレイピングにミスもあるのかして弊ブログでの集計結果とブラックアイさんでの集計結果に誤差(数%ぐらいのはず)がある場合がありますのであくまで参考までにお願いします。
ちなみになぜか2017年分だけスクレイピングが途中で途切れてしまうんだけど何故なんだろう・・・

今回主に集計したのは最優秀団体部門なので、厳密なデータとしてはブラックアイさんの公式HPの方を参照してください。

beye2.com

投票者数&アカウント種別

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まず初めに各年の投票者数はブラックアイさんによれば515人でした、なのでさっそく総投票数について3票差があるとか幸先が・・・(参考:公式の投票者数((2012:246、2013:236、2014:368、2015:487、2016:490、2017:489、2018:536、2019:515)))。

まぁそれはさておき、ブラックアイさんも言っていましたが投票数が昨年に比べて減少してしまったようなのですが、こうして推移を見ると2014年以降に一気に伸びた投票者数がここ5年は微増かほぼ一定の状況にあるようです。
上の棒グラフではその投票者数とともに、投票時に併記するネット上のアカウントの種類別の人数も示しています。
2017年以降はTwitterアカウントを併記した投票者が全体の9割を超え、特に2019年は過去最多割合の93%を記録しています。
対して2012年維持店には81人いたブログを併記した投票者は年々減少してゆき、2019年は過去最少の26名に。

アカウントの種類による投票者のタイプわけについてはより検証すべきところではありますが、投票者の陣容が変われば集計結果の毛色も変わるはずで、2010年代前半を機にネットプロレス大賞の傾向も変わっていそうではあります。

総ポイント&ノミネート団体数推移

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2019年の最優秀団体部門の総ポイント数は過去最多となる9027ポイントとなりました。
一方で同部門にノミネートした団体数はおよそ94団体となりました(誤字については無視しているのでその分で多く数えている可能性はありますが)。
投票者数がそれほど変化していないのに対して総ポイント数が増えたのは、各部門1つだけというように単推しの人が減り、複数の団体をノミネートさせる人が増えたと考えられます。
その一方で2016年に112団体でピークを迎えたのちにそれ以降減っているあたり、選ばれる団体自体は限られているということを示唆していますかね。
まとめるとプロレス界全体というよりは限られたいくつかの団体をバランスよく見る人が増えてきているということかもしれません。

獲得点数推移

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ブラックアイさんの公式集計結果によると2019年の最優秀団体部門の上位5団体は新日本プロレス(2242点)、NOAH(791点)、全日本プロレス(689点)、DDT(515点)、アイスリボン(367点)となっていました。
上のグラフは私の集計値での結果で下にポイントも示していますがやはり数%ぐらいの誤差はあるなぁ、大まかな順位に変動はないけど。

上の図では2019年の上位5団体について2012年以降の同部門の総獲得点数の推移を示したものになっています。
これで9年連続の最優秀団体となった新日本に関しては以前2位以下とかなりの差が存在していますが、2019年は2016年以来3年ぶりに、しかも結構なポイントの減少が見られたので、ポイントのいくらかは他団体に流れたと言えるでしょう。
ここ数年新日本に次ぐTOP3を占めていたDDTと全日本は2019年に減少を見せ、それに入れ替わる形で一気に2位にランクインしたのはNOAH。
2018年が8位だったので順位としては6つアップ、実際の数値としては500ポイント近くの増加を見せています。

新日本の減少値が450ポイント程度なのでポイント数的には匹敵してはいるんですが、各順位表を見てみると
新日本は1位票が247→199(-48)、2位票が31→32(+1)、3位票が31→20(-11)なのに対し
NOAHは1位票が9→29(+20)、2位票が17→65(+48)、3位票が19→37(+18)というように変化しており、
新日本は1位票が大きく減少しているのに対してNOAHは1位は増えているものの新日本の減少量の半分、むしろ2位票が大幅に増加しています。
そういう意味でいうと「新日本支持票がノアに流れたわけではない」ということがうかがえます(他の団体に流れたと見える)。
そういった単純な構図ではないとは思うんですが、結果として「ノアは業界トップではないがTOP3に入るだろう」という評価が強くなった1年だったかもしれません。

2019年各順位票割合

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ここでは左から1位、2位、3位票の獲得割合について上位の団体を示しています(全体の3%以上の団体のみ)
1位票だけで見ると新日本が全体の41%を獲得しており2位全日本を35%近く突き放す圧倒的支持率を持っており、このことから「業界1位は新日本」という認識はかなり根強いものとみられます。
ちなみに2018年の1位票における新日本の占有率は48.2%であり7.2%の減少を見せており、割合を見ても新日本イチオシが減っているようです。

で、2位3位票に目を移すといずれもNOAH/全日本/DDTの3団体が上位を占めているわけですが、実は2018年は全日本/DDTが上位を占めており、NOAHはその下に位置していました。
つまりは2位3位票でNOAHが躍進し、全日本・DDTにとって代わったことが今回の最優秀団体部門での躍進につながったといえます。
ある意味で「不動の業界2位を目指す」というノアの方針がここにおいては見事に成功しているとも言えます。

参考:2018年の各順位票(カラーリングが上と異なるのでご注意)

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総得点数増減トップ10

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2018年・2019年の同部門の得票数の変化が大きかった団体についてまとめたのがこちらで、上の表は増加が大きかった団体について。
上でも述べていたようにノアは526ポイントの増加、割合にして+211%と大幅な増加を見せましたね。
それに次ぐのが2019年の新興団体であるAEWなのは前年が0なのでまぁ道理でもあるんですが、日本のプロレス団体が主になりがちなネットプロレス大賞で初年度に6位入選はかなり注目度が高かった証拠ですね。
他にも増加率でいうと+439%(+101ポイント)と大幅増加したGCWも海外団体ですが、今年は初来日興行で大いにファンを増やしたということですかね。
また、年末に大いにTLを騒がしたスターダムも、ネットプロレス大賞では中々苦戦するという前評判もありますが+81ポイント(+102%)と増加をはたしています。
とはいえ女子団体でいうと対抗団体であるアイスリボンやアクトレスガールズもまた票を伸ばしているので、相対的にはまだ苦戦しているとも言えますかね。

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続いて減少値のトップ10、6位のK-DOJOは2019年の6月に2AWに名称変更した関係で2019年は0になってますね(増加値ランキングでも5位に入っていますけど、この両者を同団体とすると88→112ポイントで+24ポイントですね)
最も大きく減少したのは新日本で-463ポイントと大幅減、なんですけど元のポイント数が多かったので割合としては-17%程度という(それでもそこそこ多いが)。
で、それに次ぐのが全日本(-360ポイント、-34%)、大日本(-299ポイント、-50%)でここ最近でいうと堅実に評価を上げていた印象がある団体なだけに結構意外だったりしますね。
勿論投票可能数が3つまでなのでポイントの減少≠団体の評価低下であり、あくまで他の団体に票を奪われたということになるんですけど。
そういう意味で前者のランキングは「票を奪った側」、後者は「票が奪われた側」という関係性でもありますね。

単推し団体ランキング

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上述したように最優秀団体部門は最多で3つ投票できるんですが、その中でも1団体のみを投票する人も少なからずいました、所謂単推しってやつですね。
その単推し票の数の上位10団体を示したのが上の表ですが、最も多かったのは新日本でしたが票数としては12票でした。
少ない気もしますがそれでも2位アイスリボン・全日本・ガトームーブの3票と比べると断トツで多いんですが。

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で新日本の単推し票は以前から多く、新日本への単推し票は上のグラフのように推移しており2016年には32票に及んでいました。
しかしこうしてみると和kるように2019年は新日本の単推し票は一気に激減しており、「新日本だけを見ている(≒投票している)」層が減少していることが見て取れます。
いろんな解析で「新日本だけを見ているそうは思ったよりも多い」とは言っていましたが、ことネットプロレス大賞においてはそう言った層の減少が見えてきたようですね。

新日本との掛け持ち団体

でネットプロレス大賞の発表時のTLを見ていたら、団体部門発表の時に「新日本に投票した人は他にどこに投票しているのか?」なんて言う疑問があったので調べてみました。

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その上位10組み合わせが上になっており、最も多かったのはNOAH-全日本、それに次ぐのが全日本-NOAHと所謂メジャー2団体の組み合わせで選ぶ方が多かったみたいですね。

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次に組み合わせでなく2位、3位それぞれの票数を見てみるとやはり多いのはNOAHと全日本、ではありますが2位部門ではNOAHが頭一つ抜けて多い辺り「業界1位の新日本、2位のNOAH」という認識はやっぱり強い恩かもしれない。

 

所感雑感

というわけでネットプロレス大賞2019、最優秀団体部門について解析でした。
たった1部門なのにこんなに長くなってしまった・・・というよりか「1部門だけだったらちょうどいいボリュームになるやろ!」と高をくくっていたら予想の倍ぐらいの分量になったんですよね、いつものことですが。
まぁそれだけやりがいのある集計結果ということなんですが、その所以はやはり集計結果だけでなく各投票内容も後悔してくれているおかげもあるんですよね、そこは本当にブラックアイさん達に感謝しかありません。
で、記事中にも書いた通り誤差も誤算もあると思うので思いっきり数値がおかしかった場合はコメントでTwitterでもご指摘ください。
とりあえず次回はMVP部門関連でいくつか解析をしたいと考えているので気長にお待ちください

きょうはこれまで、それでは