プロレス統計

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合同戦略発表会資料から見る新日本プロレス&スターダムの売り上げ+動員推移

先日、ブシロード傘下の2つのプロレス団体、新日本プロレスとスターダムが合同戦略発表会を実施してました。
詳細は下記の記事に譲りますが、その中のスライドで両団体の売り上げについての数字が発表されてましたね。
実はプロレス団体の売り上げの数値ってあんまり表ざたになることが多くなく、ブシロード傘下歴の長い新日本プロレスもきちんと数値が出るのも珍しいはず。

battle-news.com

というわけでこの記事が消えないうちに情報を後世に残す意味も兼ね、少し資料から見られる情報をまとめておきます。

 

新日本プロレス

今回の発表会ではスライドの形式で新日本プロレスの総売り上げの推移が示されていました。
発表の中で注視していたのはコロナ禍下での収入源の推移で、総売り上げの棒グラフが会場内/外での売り上げで色分けされている感じ。
こう言った内訳はなかなか珍しいのですが、惜しむらくは、詳しい数値が明かされていたのが過去最高になった2019年の54億円と前期の2023年の53億円のみ、他の数値は示されていません。
しょうがないので「発表資料に乗っている棒グラフはきちんと実際の値を反映している」という仮定の下、スライドの画像から各年の総売り上げと内訳を簡単に調べてみました。

発表で使われた資料に各数値を「○○億?」で書き込んだのが上の画像。
ここ数年で底の売り上げになったのは2021年の42億円、2019年から比べると10億円の減少ってことですね。
また各内訳についても推定していますが積み上げていると内訳間の比較が難しいので、ばらけさせてみましょう。

新日本プロレス年間売り上げ(予測、6月期)

会場内/外での売り上げを横並びにしてグラフを作ってみたのが上図。
見てわかるように会場外売り上げがコロナ以後にのびた要因で、会場内売り上げが底を打った2021年にはおおよそ会場内外で同等の売り上げとなっています。
その後は会場外の売り上げの成長と、会場内の売り上げの回復が合わさって2019年並みの売り上げとなったというのが発表の趣旨でしたが、
このグラフを見ると会場内売り上げはまだ全盛期とは程遠く、前期は2019年の68%ぐらいにとどまっています。

新日本プロレス年間売り上げ+動員推移(6月期)

会場内の売り上げと言えば単純な興収+会場内グッズ売り上げだとは思いますが、おそらく動員数に比例するだろうということで、上図では売上高に加えて各機関での動員の推移も別軸で重ねています。
またブシロードは6月締めで7月~翌年6月が年度になっているので、その期間で動員を集計しなおしています。
結果としては会場内売り上げの推移と動員の推移はおおよそ一致していますが、動員の落ちと比べると売り上げの落ちがやや鈍い。
この辺りはチケット代の値上げなどで単価を上げた効果があるんですかね(実際どれだけ上がったのかの情報も要るとは思いますが、ここでは印象の話として)

STARDOM

STARDOM年間売り上げ+動員推移(6月期)

続いてはSTARDOM、どうせならこっちも会場内外で分けてほしかった感じもしますが、まぁ発表の趣旨としては「すげぇ成長してます!」なのでその辺はすっ飛ばしたのでしょう。
というわけで上図は資料にあった売り上げの推移に各年の動員を重ねたもの、2020年は売り上げのデータがなかったですね。
こうしてみると2021年以降の売り上げと動員の推移はかなりきれいに一致しています。
一方で2019年と2021年は動員は同じ規模である一方で売り上げは倍近く異なっています。
そういう意味ではブシロード傘下に入ったことで収益構造が大きく変わったということでしょうか。
この辺りはこの時期を過ごした現地ファンにきいてみないとわからないでしょうが。

 

まとめ

というわけで数値をまとめてみました。
新日本にしろスターダムにしろ、順調に成長・回復しておりますってことをアピールするためにこういう情報を出しているとは思いますが、こういうのは定期的に出してアピールしてほしいところです、面白いので。