プロレス統計

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各種数値で見るプロレス企業戦争-サイバーエージェントvsブシロード

「2019年は日本プロレス史に残る年になる」なんてことを昨年末辺りから言ってた気がするんですけどどうしてどうして2020年も初めからさらにそういう出来事が起きるとは・・・2019年末~2020年始は特異点か何か?

まさしく寝耳に水だったサイバーエージェント社のプロレスリング・ノア買収劇。(会見全文)
プロレスオタク的に重要なのはこれでサイバーエージェント傘下にはDDTグループとNOAHの2つ(正確には4つ)の団体が揃うことになり、
会見でも言及されましたけど新日本プロレス&スターダム要するブシロード陣営との対立も予感される事態なのです。
というわけで今回は新たにグループとなったDDT&NOAHに関して、そして日本プロレス界の2大陣営となることになるブシロード/サイバーエージェント陣営について各種数値で見ていきたいと思います。

 

サイバーエージェント陣営・動員推移

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まず初めに今回サイバーエージェントグループ傘下になったDDTとノアの最近の動員について、Cagematchで集計した各年の総動員をまとめたのがこちら。
(ちなみにCagematch上ではガンバレプロレスはDDTに含まれ、東京女子(TJP)は別枠になっています謎)
2019年の動員はDDTが6万9901人東京女子が1万6494人ノアが5万5551人だったもよう。
上図は2012年からの動員の推移を示したものですが、公式発表ベースの数値でも10年代初頭はノアが大きくDDTを上回っていたのは確かですが、その関係が逆転したのが2014-2015年。
2015年というとDDTが横浜アリーナ(コミュニティアリーナ)に初進出した年で、その時のノアというと2016年からは鈴木軍の侵攻にさらされる頃合いですね。

そんな経緯もあったのかはさておき現状でも動員面ではDDT>ノアという構図になっているようですね、とはいえそこまで大きな差ではないとは言えますが。
結果としてこの3団体が合わさることでサイバーエージェントグループとしては2019年の総動員は14万1946人となります。
2019年の動員数は、以前のまとめによると*1新日本が41万6650人、ドラゲーが11万3108人、全日本が8マン1455人というトップ3だったんですが、
旧DDTグループのみなら8万6千人で業界3位クラス、今回結成したサイバーエージェントグループ全体としては単独2位となる総動員になります。
そういう意味でいうと、一団体としてはさておき、グループとしてはあとは業界1位を目指すのみ、という話になるのは道理ですかね。

ブシロード/サイバーエージェント グループ動員比

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冒頭に述べたように、ブシロードグループの思惑はさておきサイバーエージェントグループとしては「業界1位」を狙って対立が深まりそうなわけですが、現状(2019年)の総動員の比率をグループごとに示してみたのがこちら
2019年のサイバーエージェントグループ(DDT+TJP+NOAH)の総動員が14万1946人だったのは先ほど示した通りですが、対するブシロードグループ(新日本+スターダム)は45万0003人だった模様。
上の図ではその他の動員も含めた円グラフを示していますがブシロードグループが全体の40%近くを占め、それに次いでサイバーエージェントグループが12.5%を占める形。
この2グループによって総動員の過半数が占められているということを考えるとやはりこの2グループの動向が2020年の日本プロレス界を左右するような気はしてきますね。

Twitterフォロワー重複度

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次いで両グループのフォロワーの規模及び重複度について調査しました。
ブシロードグループは新日本(njpw1972)とスターダム(wwr_stardom)、
サイバーエージェントグループはDDT(ddtpro)、東京女子(tjpw2013)、ガンバレプロレス(ganpro0417)、ノア(noah_ghc)それぞれの公式アカウントのフォロワー情報を収集しました(2019年1月29日付)。
そのまとめが上の表ですが、一番下の欄は重複無しの合計ユーザー数になっていますがブシロードグループは合計42万8993人、サイバーエージェントグループは合計7万3302人でした。
単純な規模でいうとブシロード:サイバーエージェント=6:1ぐらいの比率のようですね。

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上記のグループ間のフォロワーの重複を見てみたものがこちらで、両グループの共通のフォロワーは4万4934人となっており、ブシロードグループの10%、サイバーエージェントの61%に相当しています。
言ってみればこの共通しているフォロワーを今後の興行で奪い合う可能性にあるわけですが、重複が60%に及ぶサイバーエージェントグループとしてはこの部分を如何に引き付けて離さないかが重要とも言えますかね。

おまけ:ネットプロレス大賞団体部門

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続いて最近集計したのでおまけに各グループの団体のネットプロレス大賞2019の団体部門での得点及び順位をまとめてみたもの。
こうしてみるとサイバーエージェントは団体部門2位・4位・7位と人気のある団体を抑えているという感じもしますね。
それぞれのグループの団体部門での総合計はブシロードが2376点、サイバーエージェントが1610点となっていました。
これまで見てきた数値で見るとまだ及ばないもののネットのファンの評価的には結構匹敵している感がある。

 

所感雑感

というわけで雑多ではありますがサイバーエージェントとブシロードグループ(仮)について各種数値でした。
本来は親会社であるブシロード・サイバーエージェントの数値も・・・何ですけどそこは専門外なので傘下のプロレス団体に関する数値だけになってるのは許してください。
「プロレス企業戦争」と題しましたけど、実際高木大社長も「業界1位を目指していく」とは言ってますし*2、そういうのならやっぱり現状を抑えておくのも重要かなぁと。

とはいえ今回の件に関しては「また?」と思ったのも確かなんですよね、主にノアに関して。
ここ10年を見てもノアは「頻繁に経営体制が変わる」という印象があったんですが振り返ってみると
2016年末にエストビー社(現ノア・グローバルエンタテインメント社)に事業譲渡、
2019年初めにリデットエンターテインメントの子会社化、
そして2020年初めにサイバーエージェントの傘下に。
ということで3年弱の間に3回の体勢変化、特にリデット社体制は丸1年で終了したというスピード変化なんですよね。
そのリデット社体制が結構(私が観測する限り)評判が良かったので今回の体制変化に不安視も散見される感じはしますが、これまでの体制変化の中でいうと断トツで一番の大会社なのは間違いないわけで、そこに関して期待する声も多々、という感じでもありますし。

さらに言えばDDTがCyberAgent参加になったのは2017年半ばからなんですけど、それ以降同動員へ微減続きというのもちょっと不安要素だったりもします。
無論実際どうなるのかはこれから次第なんですが、いずれにしろ2020年の各種数値もまた面白いことになりそうではあります(好転だといいなぁ)

きょうはこれまで、それでは