プロレス統計

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フォロワー数変化で見る自粛期間中の国内プロレス団体たち

3月から始まった様々な分野における大規模イベント自粛、政府からの要請時はかなりそこかしこが慌ただしかったような気もしますが、開始から1週間経ち、相変わらず良いニュースは中々ないですがなんとなく世は落ち着きを見せ始めたような感じもします。
一応当初の予定では残りの自粛期間はこの1週間のみ、はたして自粛要請が解除されるのかどうかというのは未だ不透明ではありますが、そこで何かしらの進展があると嬉しいですね。

という感じでファンの側はただ「耐えがたきを耐え」続ける日々なんですが、そうもしていられないのが興行を打つ側。
実際興行を打てないとなる死活問題になることもあり、厳戒態勢下でなんとか興行を続けている団体もあるようですね(そこでのノウハウは今自粛中の団体が再開するときにも役立ちそうな感じはする)。
そして実際に興行を自粛した団体の中には興行が行えなくともなんとかファンを引き付けようと様々な行動をしています。
今回はそういった新たな試みを紹介しつつ、その効果のほどとして各団体の公式Twitterアカウントのフォロワー数変化を見ていきたいと思います。

【3/10 改訂】
分かりづらい感じがしたので順番を多少入れ替えました。

 

集計したもの

以前Google Apps Scriptsを用いていくつかのプロレス団体の公式アカウントのフォロワー数を集計し始めたと報告したことがあったと思いますが、あれ以降も毎日自動で集計し続けたデータを使用。
なんですがGASは如何せんデータの解析に向かないので、今回新たにPythonからGoogle Drive上のスプレッドシートにアクセスするプログラムを構築し、それを用いて解析しました。
いやぁ・・・すこしスプレッドシートで頑張ったからこそわかるPythonでの解析のしやすさよ!

それはさておき、今回用いるデータは3月1日~9日までの9日間、深夜0時に集計された各団体の公式アカウントのフォロワー数データ。
今回は特に、この期間中に通常とは異なる取り組みを行った新日本プロレス(njpw1972)、DDTプロレスリング(ddtpro)、プロレスリング・ノア(noah_ghc)、そしてスターダム(wwr_stardom)の4団体について解析します。

新日本プロレス @njpw1972

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まず初めに新日本プロレスから。
上図は横軸を日にち、縦軸をその日に新たに獲得した(または失った)フォロワー数とした棒グラフになっています。
新日本プロレスはこの期間中に「NJPWTogether」プロジェクトと称して、試合以外のインタビューやトークライブ配信を行いました。
その主だったものとしては4日に内藤哲也と高橋ヒロムのスペシャルトーク、7日に矢野トーク、8日にGBHのお悩み相談などが行われましたが、一見してわかるように4日のフォロワー数伸びが圧倒的に多かったですね。
内藤とヒロムのトーク配信は、自分はトーク配信自体見ていないんですけど、それでも「なんかヒロムがとんでもない奇行を繰り広げていた」という噂は届いていたので、そのインパクトがこのフォロワー急増の要因かも知れませんね。
・・・と思っていたんですけどその実態は・・・後述のスターダムの項で判明。

スターダム @wwr_stardom

そしてスターダム。
スターダムはほとんどのプロレス団体が政府のイベント自粛要請を待って中止を発表したのに対し、一足どころか2週間近く早い2/18に3月中旬までの全イベント中止を決定すると同時に3/8での無観客試合の開催を発表*1
世が自粛ラッシュになる前の発表だっただけにその時点で多くの注目を集めた気がしますが、その辺はやっぱり木谷オーナーの肝いりの計画だったんだろうか(ブシロードの他の事業でもかなり積極的に発信してたし)。

で、それを踏まえて先日8日に行われた後楽園での無観客試合はYouTubeで無料配信され*2現在の再生数が10万再生超とかなりの大盛況だったようで。
その大盛況っぷりもあってこの興行について色んなプロレスメディアがこの大会に取り上げているのでたとえ無観客でもかなり良い宣伝になった感じは既にしますね。

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というわけでフォロワー数の推移を見てみるとやっぱりフォロワーが急増している!
と思ったんですけど後楽園大会があったのは8日のことでその日の増加は84人
それに対して4日には何故か590人ものフォロワーが増加していたんですが、調べてみたら下記の通り、新日本とスターダムコラボバージョンの東京スポーツの発売を記念したフォロー&リツイートキャンペーンを行っていた模様。

このキャンペーンはスターダムと新日本の両方をフォローしないと、なのでつまり上述した新日本の4日の急増もこのキャンペーンによるものだったんでは?説があります。
というか新日本とスターダムでフォロワーの増加数がほとんど同じなあたりこれでQ.E.D.って感じですね…
ご存じの通り両団体は共にブシロードグループ傘下、ということもあって様々な施策をそれぞれ行って様子を見つつ、4日には両団体のリツイートキャンペーンでフォロワーを増やす、ある意味共同作戦を行い、それが功を制した部分はあるかもしれません。

DDTプロレスリング @ddtpro

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続いてDDTですが、DDTはいち早く無観客試合の配信に乗り出した団体で、2月26日に大会の中止を発表し*3、28日に早くも今季第1回の配信を行っています。
その後も3月1日3日7日8日と配信を行っていますがフォロワー数の変化は上述の通りあまりなかったようです。
大会場にも続々進出しているDDTですけど、昔から路上プロレスとかで所謂観衆なしのイベントも良く行っていた印象で、逆にそれが新鮮味っていうのはなかったのかなぁ。

プロレスリング・ノア

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つづいてDDTと同系列になったノア。
ノアの場合は8日にビッグマッチである横浜文化体育館大会が控えていたためにギリギリまで協議を重ねていたようですが、3月2日に同大会の中止を発表*4
しかしこれだけでは終わらず、同日に上記大会で予定されていた4タイトルマッチの29日後楽園で行うことを発表し、翌3日に「文体中止でごめんなさい毎日お家でノアスペシャル」(な、なげぇ・・・)として5日連続でYouTube生配信を行うことを発表*5
なんかこの辺の対応の仕方はDDTは多少違うんですが、別の手法で柔軟に取ってきた辺りなんかやはり系列感を感じる。

その決断が行われた3月初週の増減が上のグラフですが、結果的には文体中止が決定した2日を境にフォロワーの伸びが減退し6日ごろからは減少傾向に入った形になります。
割とギリギリまで発表がなかったことでファンの中で「文体もしかしてやるんじゃないか?」という声もあったのでその期待の分の落胆がここに現れている・・・のかもしれない。

4団体まとめ

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最後に一応今回取り上げた4団体のフォロワー推移について縦軸を同スケールにして比較してみたものがこちら。
こうしてみるとDDT/ノアのサイバーエージェント陣営はほぼ変化がなかったと言えるのに対して、新日本とスターダムのブシロード陣営は上述のフォロー&RTキャンペーンもあってか総合的にはかなり大きく増加したようです。
まぁ「なんだよキャンペーンのおかげかい・・・」ともなったんですが、興行が打てない時期にそういうキャンペーンを打つことで注目度を維持する戦略だった説もあるのであまりがっかりするのもお門違いかもしれない。

 

所感雑感

というわけで「幽霊の正体見たり枯れ尾花」って感じの結果でした。
こうしてみてみるとやっぱりフォロー&RTのプレゼントキャンペーンは非常に手っ取り早くフォロワーを増やせる手法なんだなぁと思うところです、1,2週間するとその増加も落ち着いて逆に減少が始まったりするんですけども、一部でも定着してくれたら儲けものでしょうし。
とはいえ、スターダムは無料配信によって普段よりもフォロワーを増やしたのは確かなのであの無観客試合の意味というか効果はあったというのは確かですね。
まぁTwitterよりもそれ以外での認知度への影響の方に興味がでたんですけど中々調べるのが難しいので今後調べたいところです。

と思ったんで、簡単にGoogleトレンドで「スターダム」について調べたところ確かに3月8日昼から翌朝にかけて検索回数が普段の倍ぐらいになっているので確かに効果はあったと言えますかね。
ちなみに同時期の新日本プロレスにはそういった変化がなかったです。

きょうはこれまで、それでは