プロレス統計

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プロレス団体におけるフォロー&RTキャンペーンの効果について

「このツイートをRT、アカウントをフォローで○○をプレゼント」という文言を見かけたことがない、と言うTwitterユーザーはあまりいないでしょう。
いたとしても1か月もTwitterをやっていればいずれ目にする文言だと思います。
それほどまでにすっかり浸透した、というか一般的な手法になった感じがある同手法。
それはことプロレス界においても同様で、先日もプロレスリングノアの公式カメラマンのアカウントで同キャンペーンをやっている*1のを見かけたりしました。

そこでふと「はたしてこういうキャンペーンってどれほどの効果があるんだ?」ということが気になったので、今回は定期的に集計している国内主要団体の公式アカウントのフォロワー数の変化と各フォロー&RTキャンペーンによる影響を検証していきます。
結果としてはキャンペーンの内容によって大きく効果が異なる、ということが分かったので参考にしていただけると幸いです。

 

集計したもの

今回はGASを使って集計している*2プロレス団体の公式アカウントのフォロワー数データと、各公式アカウントが行った「RT&フォローキャンペーン」の期間を照らし合わせる形で解析していきます。
同キャンペーンの有無については書くアカウントについて「同アカウントのフォロー」を条件としているキャンペーンをTwitter上で検索し、その期間とキャンペーンの景品について調べています。

今回調べたのはプロレスリング・ノア(noah_ghc)、DDTプロレスリング(ddtpro)、新日本プロレス(njpw1972)、スターダム(wwr_stardom)の4団体について集計しました。
この4団体はいずれもフォロワー数の集計を始めた2019年12月4日以降に上記のキャンペーンを行っていた4団体になっています。
また、フォロワー数のデータも2019年12月4日~2020年4月13日までのデータを用いています。

プロレスリング・ノア(noah_ghc)

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まず初めにプロレスリング・ノアの公式アカウント(noah_ghc)の各日のフォロワー数の変化を示したのが上の棒グラフ。
縦軸はその日に増えた(もしくは減った)フォロワー数、横軸は日付になっており2019年12月4日~2020年4月13日までのデータが示されています。
この範囲内で行われた各RT&フォローキャンペーンの期間は赤もしくは青の領域で示しており、行われた順番にCP1~4と示してあります。
また、このキャンペーン期間の領域はそのキャンペーンの景品の種類で色分けが為されており、赤色はAmazonギフト券などの金券青色はその他のグッズ(サイン入りTシャツやポスターなど)になっています。

ノアの場合は集計期間中に4度のキャンペーンが行われており、1月3日から6日にかけて行われたCP1ではAmazonギフト券1万円が景品となっており、この期間に2514人の新規フォロワーを獲得しています。
一方でCP2~4についてはサイン入りグッズ(マグカップ、缶バッジ、Tシャツなど)が景品となっていますが、そのフォロワー増加は153・46・93人とCP1と比較してかなり限定的となっていました。

この結果から考えるに、金券が景品になった場合それ以外のグッズが景品となった場合と比較してより多くの新規フォロワー獲得が見込めるということが予想されます。
もちろん他の要因、例えばCP1期間に当たる1月4・5日にはノアは後楽園ホール大会を開催するなどの取り組みもあったのでその影響もあるとは思いますが。

DDTプロレスリング (ddtpro)

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続いてDDTプロレスリングの公式アカウント(ddtpro)。
こちらも二度のキャンペーンが行われており、CP1は1月1日~10日、CP2は3月20日~31日にかけて行われています。
CP1では年間全興行パスポート*3など何種類かの景品があり、CP2ではAmazonギフト券2万3千円分とサイン入りのグッズが景品になっていました*4
こちらでもノアの場合と同じく金券が景品に含まれていたCP2の方が新規フォロワー数が多く、CP1では691人、CP2では2367人の新規フォロワーが獲得されています。

DDTの場合CP1は「総額100万円相当」と謳っているように、DDTの年間全興行パスポートだけを見てもCP2の2万3千円以上の価値は本来あるような気がしますが、それでも金券の方が新規フォロワーの獲得数が多いのはやはり実質的な価値よりも金券目当てという部分が多いのかもしれません。

 

新日本プロレス (njpw1972)

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続いては新日本プロレス(njpw1972)。
新日本では2度キャンペーンがあったもののその対象はいずれもサイン入りのグッズで金券を景品にしたキャンペーンは2016年ごろまで検索してもまだ行ったことがないようです。
よって他の3団体と同じような比較はできませんが、CP1では1720人、Cp2では1410人のフォロワー数増加がありました。

2月9日から開始のCP1は終了日時が記載されていなかったので1週間と仮定して表示しています。
またCP2は新日本と後述するスターダムの東京スポーツ特別号発行を記念した合同キャンペーンになっており、通常のキャンペーンよりもかなり期間が長くとられていたようですが、大きく増加したのは1日目のみでその後の増加はほぼ抑制されていたと言えます。

スターダム (wwr_stardom)

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続いてはスターダム(wwr_stardom)なのですが、お分かりいただけるだろうか…
御覧の通り集計期間の内3月初めまでは真っ赤、つまりこの期間中いずれかの金券が景品のフォロー&RTキャンペーンが常に開催されていたのです。
その期間は2019年11月15日から3月4日まで、総額10万円のAmazonギフト券が景品となっていました。
スターダムのフォロワー数は昨年末に急増を果たしたことをブラックアイさんでも取り上げていました*5が、
弊ブログで10月初めの段階で2万人弱だったことを報告しており*6、その後12月6日に4万人を達成したので10・11月中に2万人の新規フォロワーを獲得したということのようです。

惜しむべくはこの期間の推移を集計しておくべきだった・・・というところですが,おそらくこのキャンペーン群の影響もあったと考えられる、という程度でしょうか。
しかし興味深いのは1月中旬以降、依然として金券景品のキャンペーンが継続及び新規に始まっているにもかかわらずフォロワー数は増加していません
その代わりに3月4日、最後の金券景品キャンペーンの終了日勝つ、新日本とのコラボキャンペーンが始まったその日にかなりの増加を見せています。

これは推測になりますが、11月15日から連続的に続く2ヶ月近いキャンペーンによって金券景品を目当てにフォローするような層がほとんどフォローしきったような状態だった結果、1月中旬以降さらなる増加が起こらず、
逆にそれとはまったく異なる層、スターダムを知らない新日本のファン層などが新たに流れ込んだ結果3月4日の急増が起きたのかもしれません。
これを検証するにはユーザーの属性とこれまでの動向を見る必要があるとは思いますが、ちょっと現状では難しいので今後の課題とします。

ちなみに12月4日から3月4日までで獲得した新規フォロワーは合計8679人でした。

 

所感雑感

というわけでキャンペーンとフォロワーについて解析でした。
結果的に「同じキャンペーンでも景品が金券の場合とそれ以外で大きく効果に差が出た」ということで、まぁありていに言えば「フォロワー増やすことに関してAmazonギフト券は正義」だけどやりすぎってもんがあるって感じですかね。
見方を変えると「フォロワーを金で買う」というような見方もできるようなとも思いますけど、所謂グレーなルートでのフォロワーの値段は「1フォロワー0.5円」という情報もある*7のでそれを考えると、法に触れないのでまっとうな手段ではあるんですけどコスパが悪いなぁという感じもしたり。

とはいえ、現状プロレス団体はその収入源である興行が封じられている状態なので、それを補う策はネット、SNSにあり。
そういう意味でフォロワーの増加は急務だったりする、のかなぁと思ったりもします。
まぁ今の事態に陥ってからAmazonギフト券を使ったキャンペーンを行ったのはDDTだけですが、今後こういった取り組みは他団体でも出るかもしれませんね。

きょうはこれまで、それでは