プロレス統計

「プロレスの数字とプロレスする」をテーマにプロレスに関連する数字を調べ、まとめ、考えるブログです。

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各種数値で見る日本国内シングル王座

これまでも各種データベースサイトから情報を集計して記事を書いてきた弊ブログ。
その中でも使用頻度が多い海外のプロレスデータベースサイトCagematchなんですが、先日集計プログラムを一新しまして、これまで通りの試合・選手情報に加えて各タイトル・王座に関する情報も集計できるようになりました。
これを用いて今後も何かしら調べていきたいなぁと思っているんですが、今回はその第1弾として近年も活動中の国内タイトルに限定してその各種数値をランキング形式で見ていきたいと思います。

これまでの国内のタイトルに関するまとめ:
各種数値で見るIWGPヘビー級歴代王者
各種数値で見る国内主要タイトル

 

集計したもの

集計プログラム自体は2012年以降に国内で1度でもタイトル戦が行われたタイトルについて集計しているんですが、それだとタイトルにあるような「国内タイトル」と齟齬が生じる感じがあったので、
今回は「2019年に日本国内で5回以上防衛戦をした」タイトルに限定し、その後の解析の容易さを鑑みて「シングルタイトル」にさらに限定しました。
これによって現在も日本で活動中のシングルタイトルのみに限ることができます。
その結果対象となったのは43個のシングルタイトルとなりました。
また集計を行ったのは2020年3月9日未明なので、その時点でのデータになっていることをご了承ください。

その一覧は最後に乗せますが、まずはいろんな数値でのランキングを見ていきましょう

最年少/最年長王者

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まず初めに各タイトルの歴代王者の中での最年少王者のトップ10。
ここでは各タイトルについて最年少(下では最年長)の王者のみをピックアップしているのでご注意(同タイトルで上記ランキングに入る年齢なものの次点だった場合除外されているとかそういう)
また年齢は王者としてタイトル奪取した試合~最後の防衛成功時までの間の最も早い(下では最も遅い)タイミングでの年齢になっています、生年と防衛戦の年のみから計算しているので±1程度の差はあるかもしれない。

その結果、最年少王者は第201代DDTアイアンマンヘビーメタル級王者の木村花選手*1で当時(2004年)なんと7歳!!
木村選手の正式デビューは2016年の事なんですが、母が女子プロレスラーだった木村響子選手というのもあってDDTのリングに上がる機会があったようですね(ちなみに202代王者が響子選手なのであっ(察し) )。

トップ10を見てみると男性選手は3名のみ、7位のフラミータ選手*2(第25代ブレイブゲート王者、19歳)、8位のミエド・エクストレモ*3(第32代UWA世界ジュニアヘビー級王者、20歳)、10位の竹下幸之介選手*4(第57代KO-D無差別級王者、20歳)ですね。
以前プロレスラーの男女別の平均年齢について調べたことがありますが、そこでは男子の平均が36歳、女子の平均が29歳と実に7歳の差があったのでそれが王者年齢にも表れている感はありますね。
とはいえ今後も7歳の王者はなかなか出てこんでしょ・・・(困惑)。

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同様に各タイトルの最年長王者についてもまとめてみたものがこちら。
最年長は第961代DDTアイアンマンヘビー級王者の藤原喜明選手で2012年当時63歳、最年少と最年長王者を押さえている辺り流石のDDTという感じがする。
こちらでは打って変わって5位の第23代(現)OZアカデミー無差別級王者の豊田真奈美選手*5以外はみな男子選手となっていますね。
上述の男女の年齢比較で年齢の分布も見てみたんですが女性選手と比べ男性選手の方が高齢まで選手生活を続けている場合が多かったのでその影響がここにも表れているかもしれません。
そこでは流石に50代半ばでガクッと人数が減っていたので流石に60歳のシングル王者は中々生まれなさそうですね。

最年少/最年少挑戦者

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続いては王者に代わって挑戦者の年齢について同様に調べてみました。
ちなみにこの場合の挑戦者は「タイトル防衛失敗した元王者」と「タイトルに挑んで敗れた選手」になっているのでご注意を。
というわけで最年少挑戦者は上述の通り史上最年少王者としてアイアンマンヘビー級王者になり、その後実の母親に敗れてタイトル陥落した当時7歳の木村花選手。

挑戦者サイドになると、若手のチャレンジマッチ的なものもあるのでトップ10でもさらに年少の選手が多くなりますね。
その中ではやはり女子選手が多く10人中8人が女子なんですが、一方で男子選手では7位の中嶋勝彦選手*6(2005年にTAKAみちのくの持つ全日本世界ジュニアに挑戦、16歳)、8位の頓所隼選手*7(2017年に吉岡世起の持つWRESTLE-1クルーザー級に挑戦、17歳)などがランクインしています。
男子に関してはそもそも10代の選手が少なく、一方の女子はそこそこ存在するので必然的にこういう結果になるという感じもします。

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続いては最年長の挑戦者についてですが、最年少と同じく挑戦者となるとぐっと年齢が上がった感じがする。
その中でなんと2名も70代の選手がいるというのも驚きですが、最も高齢の挑戦者となっているのは2019年にTAJIRIの持つBJWジュニアヘビー級に挑戦したグレート小鹿選手でした、たしかこの方日本最高齢レスラーだったような。
あの体格でジュニアヘビーに挑戦というのも中々困惑所ではあるんですが、流石日本プロレス出身者は(文字通り)年季が違うな。

最多連続防衛回数

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続いては各王座の最多連続防衛記録(Defence)について上位を紹介。
その結果最多防衛記録を記録しているのは、全日本プロレスが管理しているGAORA TV王座の第2代王者だったレネ・デュプリ選手*8でなんと連続22回の防衛を果たしているとのこと。
あまりにもデカい数字かつまさかの選手故にホントかぁ?と思って調べてみたんですがGAORA TVにある公式ページだとデュプリ選手の部分は「2013年5月17日にカナダで初代王者真田聖也から奪取、その後同年8月10日に返上した」しかないんですよね。
一方で、Cagematchの該当ページを見てみると、真田聖也からの奪取後、Atlantic Grand Prix Wrestlingのリングで6月20日までほぼ毎日防衛戦を行っていたみたいです。
しかも対戦相手はほとんど真田選手という特殊な状況ではありますが、実際に興行自体は行われてたっぽいのでまぁ数字として間違いではないでしょう。
ちなみにAtlantic~はデュプリ選手の父親の取り仕切っている興行みたいですね、道理で連日メインイベントなわけだ。

他の選手を見てみると全日本世界ジュニアのカズ・ハヤシ選手*9に、ドリームゲートのCIMA選手*10と同団体の実力者そろいって感じがしますね。

最長連続防衛期間

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続いては連続防衛期間(duration)に目を移してみたもの、こちらはタイトルの獲得日からタイトルの返上または陥落日までの日数を示したもの、Cagematchには各王者にかんしてその記載があったので非常に助かる(当初その存在に気付いていなくてプログラム修正&再集計する羽目になったけど)。
最も防衛期間が長かったのは第10代世界ジュニアヘビー級王者だった渕正信選手で1309日間、1989.10.20から1993.5.21までの実に3年半(!)にわたってタイトルを保持していたというのでとんでもない記録ですね。
いまやベテラン中のベテランな風格漂う渕選手ですけど、当時の年齢が35歳だったのでまさに渕選手の全盛期と言っても良いでしょう。
ちなみに同政権時の連続防衛回数も16回と同タイトルのカズ・ハヤシ選手に次ぐ数値だったのでその偉大さたるや。

総戴冠回数

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ここからは各王座・各選手の(現状の)総合記録として、まず初めに総戴冠回数(x times)について紹介、一応参考として現在の代数(Champ num)も併記しておきます。
その結果ダントツの1位だったのがDDTアイアンマンヘビーメタル級になんと19回も戴冠した平田一喜選手*11
総戴冠回数についてはアメリカのプロレス界で結構重要視される数字で、その分野での金字塔であるリック・フレアー選手が16 times championなんて言われてるのでそれをも上回る数値、と考えるとすごいな平田選手(果たしてNWAとかの各種世界王座と現在第1473代王者なアイアンマンヘビーメタル級を同一視して良いのかはさておき)。
そういったものを特殊事例として除外するなら、次ぐのが同じくDDT管理のKO-D無差別級のHARASHIMA選手*12に、先日引退したIWGPジュニアヘビーにおける獣神サンダーライガー選手*13らの10度戴冠になりますね。
連続防衛記録と比較するとより「長年同団体で活躍し、支えてきた」という側面が強い感じでしょうか。

総防衛回数

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続いては総防衛回数(TotalDefence)。
こちらは戴冠回数よりも比較的接戦ではありますが、首位は先ほどと同じくアイアンマンヘビーメタル級における男色ディーノ選手*14合計39回防衛で堂々の1位に。
アイアンマンは形式が形式ゆえに戴冠はさておき防衛が難しそうなもんですがここまで防衛しているのは凄い、気がする。
とはいえ、そういう特殊形式を除いてトップになったのはICEx∞王座における藤本つかさ選手*1534回防衛でした、これもすごい。

総保持期間

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最後に各選手の各王座における保持期間の合計である総保持期間(Total duration)となります。
ここでも1位となったのは連続保持期間でも1位になった世界ジュニアヘビー級における渕正信選手で合計2443日間の防衛でした。
それに次いで2000日越えがIWGPジュニアにおける獣神サンダー・ライガーで2168日なのでこの記録になるとある程度のキャリアも必要になるか。
同じく2000日越えの記録でいうと大日本の伊東竜二選手*16があと20日で達成になるので期待したいところではあります。
同様にSTRONGEST-K王座の真霜拳號選手*17もあと35日で達成、なんですが残念ながら同王座を管理していたKAIENTAI DOJOの活動休止に伴い同王座は封印されてしまったので2000日防衛は幻の記録に。

 

所感雑感

というわけで国内全興行集計シリーズでした。
いやぁ疲れた、特に途中で全部集計しなおすことになったのが何よりも疲れた・・・
こういうデータに関してはどういう解析の仕方をすべきかいつも迷うんですが、このランキング形式だと結構意外な選手の名前が出てきたりするのが面白いんですよね。
色んな団体・いろんな選手について言及できるとなんか「プロレス統計」という名にそぐわないことができている感があって好きです。
今度はもっとグラフ状にして色々解析したいところでもあります。

冒頭に述べたように唐突に集計プログラムを一新し、今回でVer5になったんですが、もうこのプログラムの一新については趣味の域になりつつある感じがします。
まぁ使っているうちに改善案が浮かぶんですけど修正よりも1から作った方が圧倒的に楽&スッキリするんですよね。
で、実はこのVer5がだいたお完成した直後にTwitterの方で「集計用のプログラムをくれない?」とリクエストが来たりしたので、多少清書して(とてもじゃないが他人に見せられるほどきれいでもなければ使ってもらえるほど説明も書いてなかったので)お渡ししたんですが、
もし同様にこの集計プログラムが欲しい人がいらっしゃったらTwitterでもコメント欄でもいいのでご一報ください。
その内Twitterの集計と同じく固定ページにアップするかもしれんけど。

きょうはこれまで、それでは

おまけ:43王座各種数値一覧表

おまけとして今回集計した43タイトルについて、設立日(start)、3月9日時点の代数(gen)、現王者(Current)、総試合数(match)、総王者数(champs)についてのまとめです。
一応設立日が古い順に並んでいるんですが、冒頭の条件に絞るとIWGPジュニアヘビーが一番歴史が古いってのはちょっと驚きですね。

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