日本プロレス界における”聖地”と言えば東京・水道橋にある後楽園ホールであるというのは識者の中では共通認識として成立しているものだと思います。
それはファンにとっても団体にとっても同様で、小規模な振興団体でいうとまず後楽園での大会の開催を目標にし、それを果たすと今度は如何に後楽園を満員にするのか、が問われることになっていきます。
そういう意味で最近話題になっていたのが1月19日に開催されたスターダムの後楽園大会。
下記公式アカウントのツイートにもあるようにスターダム史上初の1602人札止めを記録したとのこと。
🔥観衆発表🔥
— スターダム✪STARDOM (@wwr_stardom) 2020年1月19日
本日開催の1/19「 #スターダム 9周年大会」後楽園ホール大会の入場者数は1,602人(超満員札止め)となりました‼️来場感謝❣️満員御礼❣️
【 #スターダム 9周年記念日】
日時:2020年1月19日(日)
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1,602人(超満員札止め)#stardom #スターダム史上初 pic.twitter.com/CihXrWjbon
話によれば女子団体で文句なしの後楽園ホール超満員達成はなかなか珍しいことのようで、年末から年始にかけての怒涛の攻勢が一つの実を成した、と捉えられているようです。
というニュースを見ているとふと「今までや他の団体ってどうだったんだろうな」と思ったので今回は2019年のデータを中心に後楽園ホールの動員数について解析です。
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調べたもの
今回もCagematchのデータベースから集計した2019年中に後楽園ホールで開催された全興行データを使用しています。
全体データ
2019年に後楽園ホールで行われたプロレス興行は210大会で、フリーランスショーを1団体扱いとして全33団体が興行を開催し、その総動員は25万1052人でした。
2018年のデータ*1を見てみると、2018年は207大会開催され総動員が25万2735人だったので大会数は3大会の増加に対して動員は1700人弱の減少となったようですね。
上の図は2019年の210大会について動員についてヒストグラムをとったものになっていますが、900人前後と1600人前後を中心とした二つのピークが現れていることが分かります。
これはすなわち、後楽園で行われる大会は「ほぼ満員に近い」か「1000人未満」の2種類に分離しているということになります。
言い方は悪いですけど勝ち組・負け組みたいなものが後楽園の動員だけを見ても存在しているかも、ということですね。
そういう意味でいうと先日のスターダムの1602人満員は間違いなく前者に含まれているので公式アカウントも大々的に報じるのもわかる。
諸団体平均値
上で示したヒストグラムの中のおおよそどの位置にどの団体が位置しているのかを示したのが上の図。
ここでは新日本プロレス(NJPW)、全日本プロレス(AJPW)、プロレスリングノア(NOAH)、ドラゴンゲート(Dragon Gate)そして今回話題のスターダム(Stardom)の2019年の平均値を示してみました。
こうしてみると平均値で1600人以上を記録し上位のピークに含まれているのは新日本とドラゲーのみ、下位のピークにはスターダムとノアが含まれていることになります。
そして全日本はそのちょうど中間に位置している感じですね。
平均だけだと見逃す部分もあるので各団体についても同じ領域でヒストグラムをかさめて見たのがこちら。
新日本に関しては1600人前後に大きく比重がある一方で1000人台前半の動員もあるのが特徴的で、言ってみれば動員にもそこそこの振れがあるというか。
土rごんげーとに関しては1600人前後に固まった分布をしており、新日本と比較すると(興行数が少ないのもありますが)振れが小さいようです。
全日本とノアに関してはいずれも1000人台前半と後半にそれぞれピークが見え、言ってみれば「よく入る興行」と「そうでもない興行」の二種類が生まれているといえるかもしれません。
で、スターダムに関してはおおよそ900人台に固まった分布をしており、2019年は完全に下位ピーク内に収まっていた団体だったということが言えるでしょう。
そうなだけに上位ピーク内に足を踏み入れたことが、スターダム史上で見ても大きな一歩だったかと。
平均値推移
上で求めた各団体の後楽園ホールの平均動員について2012年から2019年の間の推移をまとめたのがこちら。
勿論動員発表に関しては各団体に一任され、年によって信頼性は揺らぐと思いますのであくまでも参考として。
また目安として1600人以上を上位領域として赤く、1200人以下を下位領域として青く示しています。
こうしてみると新日本とドラゲーは上位領域をキープし続け、スターダムは下位領域をキープし続けているのが分かると思います。
対して全日本は2012年時点では上位領域だったのが2013年から一気に下降し下位領域へ。
しかし2016年からは徐々に増加を初めて中間領域に入ってきた、という大きな変化が見て取れます。
そしてノアに関しては2014年までは上位領域にあったのがそれ以降下降し2016年以降は下位領域に収まっているという感じ、2018年の伸びを見ると2019年に抜けるかと思いきや伸び悩んだのが惜しいとこではありますが。
所感雑感
というわけで後楽園ホールでの動員について諸解析でした。
実はつい先日5chのプロレス板のノアアンチスレッド*2に引用されてまして、観衆の公式発表と実際の観衆人数の誤差について指摘されてたんですよね。
まぁそりゃああるでしょ、とは思うんですけどそれを逐一実際の数値に訂正するにも
・1団体に限ったって時間・金銭的に非現実的である
・誰かに代行してもらうにしてもそのカウントの信ぴょう性の問題もある
わけで、それだったら公式発表の数値を使いつつ「あくまで参考までに」とする方が楽だよな、と思ったのでこうしてやっているわけです、まぁそれは別として実際の会場写真とカウントは個人的に興味がどんどん送り付けてもらいたいとこですが。
まぁそれはさておき、話題のスターダム9周年後楽園については写真を見ても文句なしの満員だったので凄いなぁと思いつつ、この調子で言ってくれれば2020年の集計結果は大きく変化しそうで今から楽しみです。
きょうはこれまで、それでは