プロレス統計

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【GAS】プロレス団体フォロワー数推移調査

つい先日、というには少し前すぎますが、ブラック・アイさんでスターダムのフォロワーの急増に関する記事があり、そこで弊ブログの記事が紹介されてました。

blackeyepw.com

12月の6日の時点でスターダムの公式アカウント(@wwr_stardom)のフォロワー数が4万人を超えたとのことで、それに2ヶ月先駆けた10月3日に投稿した弊ブログの記事では2万弱だったことから「わずか2ヶ月の間に倍増!」と話題してくださったわけです。

www.pwanalysis.com

こういうことに役立つのを見ると記事書いておいてよかったーと思う一方で「この増加の推移を集計しておきたかった・・・!」という考えも頭に出てくるわけですが、如何せん上記の記事でやった、TwitterAPIを介した集計は時間がかかる。
あれほど詳細なデータでなくても、単純に各日のフォロワー数だけでも集計できないか・・・と思っていたら見つけたのが次の記事。

air1p1.com

完全にやりたい事じゃないか!となったので取り急ぎ実装し、ある程度数値も集計できたので今回はその報告です。

 

集計方法

Google Apps Script(GAS)とは

いつもはPythonなどを用いて集計・解析している弊ブログですが、今回用いたのは上記記事でもタイトルになっているGAS、Google Apps Scriptというツール。
私も今回が初めての使用なので詳しいことはまだわかっていないのですが、簡単に言うとGoogleが提供しているWebブラウザ上でプログラムの実行ができるツールになっています。
なので必要なのはGoogleアカウントのみという手軽さが特徴の一つですが、今回の集計で重要なのがそのプログラムを自動で作動させることができるという点。
Pythonだったら逐一自分でプログラムの実行をしなければならないのですが、GASでは「毎日〇時にこのプログラムを実行」という指定ができるので、今回のように「定期的にネット上のとある数値を取得し、記録したい」というときにはうってつけなんですよね。

とはいえ、私がGASでのプログラミングに慣れてないのもありますけど、とてもじゃないけどプログラムを書くのが容易なツールではないのであくまで簡単な処理をさせるに尽きるって感じは現状ではしてます。
ちなみにGASは「Java Scriptに”似た”独自言語」なのでScriptって名前らしいですね、Javaを勉強したらもうちょいいろいろやりやすくなるんだろうか。

集計手法

集計手法は上でも紹介した記事*1内のコードの丸パクリなのでそちらを参照してもらうとして、大まかな流れを説明します。
このコードではGoogle Drive上に存されているスプレッドシート(今回は名前をFollower_changesとしています)に登録したアカウントの各日の深夜0時~1時時点のフォロワー数を記録していきます。
下が一例ですが1行目には集計したい団体の公式アカウントのアカウント名(screen name)を記入しておきます。
プログラムでは指定時間になると各アカウントのTwitterページに飛び、そこからスクレイピングでフォロワー数を取得します。
その後、その列の一番下に取得したフォロワー数を追加していくという形(一番左の日付もプログラムが動いたときに取得し、記入します)。
このようにTwitterAPIを介さないのでAPI制限を気にしなくて良かったり、そもそもAPIを使うための面倒な手続きが不要なのでかなり楽ちんなのです。

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とはいえ上のスクリーンショットは試しに何日か動作させてみた結果なんですけど、御覧のとおり、12月18日だけ取得できなかったんですよね。
ログを見たら実行時のエラーで取得できなかったようなのですが、こういうのがあると一気に台無しになるから怖い・・・
ともあれ、以下のデータでは18日のデータが抜けていることにご留意ください(図の中でも示しますけど)

集計結果

以下では12月8日~26日までの間で18日を除いた18日間のデータを用いて前日からのフォロワー数の増減をいくつかの団体について紹介します。
この場合の増減は「その日獲得したフォロワー数」=「次回取得するデータとの差」なので17日に相当するデータは(19日のフォロワー数)ー(17日のフォロワー数)となっており2日分の増減の和になっていることにご留意ください。

新日本プロレス @njpw1972

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まず初めに新日本プロレスの公式アカウント(njpw1972)のフォロワー推移。
増減としては9~11日と20,21日に大きくフォロワー数の増加があったことが分かります。
そのタイミングでの主な出来事を調べてみると、新日本プロレスでは7日にWORLD TAG LEAGUEシリーズが終了し、9日にはその結果を受けての東京ドームの対戦カードの記者会見が行われ、またLINE上ではライガー総選挙がスタート、そして11日には東京スポーツ制定のプロレス大賞の発表があり、MVPのオカダをはじめいくつかの部門に入選を果たしています。
また後半となる19~21日にはRoad to TOKYO DOME後楽園三連戦が開催されていますが、特に20日はAbemaTVでの無料配信が行われた日になっています。
フォロワー数の増加は「新たに団体を知った新規ファン」の数とも考えることができ、今回のケースでいうと東スポプロレス大賞やAbemaTVでの配信によって新たに新日本プロレスの存在を知った人がそこそこいたことを示していると思われます。

スターダム @wwr_stardom

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続いてはスターダムですが、冒頭で紹介したようにスターダムはわずか2か月間でフォロワーが2万人増加と恐ろしい勢いで新規フォロワーを獲得していたようなのですが、今回の集計でもその勢いの一部とみられる毎日400人近いフォロワーの増加を5日間にわたって確認しました。
この期間で調べたところ対外的なトピックとしては11日の東スポプロレス大賞では女子部門で所属の岩谷麻優選手が入選を果たすなどしています。

しかしその翌々日からは反動が来たように微減する日が続きましたが19日には再びフォロワーが200人近く増加。
これとは多少タイミングが前後しますが、17日には新日本プロレスの中継での解説でおなじみミラノ・コレクションa.t.選手が、19日には小島聡選手がスターダムの道場に訪問する様子が報じられています。
その影響による増加は数日で収まりますが再び一気に増加したのは24,25のクリスマス。
24日については存じませんが、25日についてはスターダムの年内最後の後楽園大会が開催され、そのリング上には木谷オーナーや小島選手、井上元選手が登場し、メイン終了後には1.4東京ドームへの参戦が発表されています。

勿論他のニュースも公式アカウントは報じていますが、ブシロードひいては新日本プロレスとの交流をアピールしたタイミングでフォロワー数が急増しているようにも見えます。
フォロワーの増加は発信力の増強に直結しますから、上記のようなアピールを行うことで、一度は伸び悩み始めたフォロワーを再度増やすことができたとも考えられ、スターダムの発信力の強化という面では一定の成功を見せているように見えますね。

プロレスリング・ノア @noah_ghc

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続いてはプロレスリング・ノア(noah_ghc)
こちらの場合14日にひときわ大きなフォロワー数の増加が観られていますが、この日は新木場1stRINGで行われた金剛主催興行のYouTube無料生配信が行われ、深夜にはテレビ東京系列でそのメディア戦略について紹介する番組が報じられました(下ツイート参照)。
どちらもノアの固有ファンに限らない新規ファンに向けたイベントと言え、それが効果的に働いたといえますね。

全日本プロレス @alljapan_pw

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続いては全日本プロレス(alljapan_pw)
こちらも17日にひときわ大きいフォロワーの増加を示していますが、この日の全日本もノアと同様に後楽園ホール大会をYouTubeで無料生配信していました。
これらの例を見ると、YouTubeやAbemaTVでの無料生配信は新規のファン層開拓に効果があるといえるかもしれません。

ドラゴンゲート @dragongate_pro

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続いてはドラゴンゲート(dragongate_pro)
こちらの場合は15日~17日にかけてフォロワー数がよく増加していますが、調べてみると15日には年内最後のビッグマッチであるFINAL GATEが行われ、集計こそ出来ませんでしたが18日には毎年恒例のイベント(らしい)土井ダーツが行われた後楽園ホール大会が開催されています。
それらの無料配信などについては情報がなかったのですがビッグマッチ+後楽園大会という通常の配信イベントで話題を生み、新規のファンを獲得したようです。

 

所感雑感

というわけでフォロワー数自動集計結果について報告でした。
まだまだデータ量が心もとないので今後継続して調べていくつもりではありますが、新日本・ノア・全日本という3団体が奇しくも無料配信をしていたおかげもあっていずれの場合も「無料配信は新規ファン獲得につながり得る」という可能性が見えましたね。
まぁそういうことは前から言われていたことでもありますが、それがきちんとした数値データで確かめられたことには意義があると思ってます。
一方でビッグマッチに関してはドラゴンゲートぐらいしか集計できておらず、今後各団体のビッグマッチ時の変化などについても比較出来たらいいなぁと思います、1.4とかどうなるんやろうな各団体。

きょうはこれまで、それでは