遂に本日、6月15日から興行再開する新日本プロレス。
公式的には2月26日の沖縄大会以来「110日ぶりの興行再開」と宣伝されていますね。
そうやって数字を出されるとあらためてこの自粛期間の長さを再認識するんですが、今回はこの1年の1/3に相当する自粛期間中の新日本プロレスを継続して集計してきた各種数値で振り返りたいと思います。
【今後のスケジュール決定!】
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2020年6月9日
6月15日(月)より放送・配信のみで大会再開!
6月16日(火)から『NEW JAPAN CUP 2020』復活!
7月11日(土)大阪城で『NJCUP』決勝戦!7月12日(日)大阪城で二冠王座戦が決定!(※1/3程度の観客アリ予定)
※詳細は
⇒https://t.co/FMN3rU45Cm#njcup #njdominion pic.twitter.com/bI99RoP6nL
集計したもの
今回用いているデータは3種類。
一つはTwitterAPIを用いて集計してきた#njpwでのツイート数値(ツイート・リツイート数)。
一つはGASを用いて集計してきた新日本プロレス公式アカウント(@njpw1972)のフォロワー数。
一つはこの自粛期間中にキャンセルになった興行と、過去の同会場での動員から見積もった予想動員損失。
前者二つに関しては自粛期間以前との比較をしつつ、自粛期間中にどんな変化が見られたのかを見たいと思います。
最後の一つに関しては以前集計していた中止興行一覧*1の最新(最終?)版になりますかね(他団体のはまたこんど)
#njpwツイート数値推移
上図は2020年1月1日~6月11日までの#njpwに投稿されたツイート数(nonRT)とリツイート数(RT)の推移を示したグラフで、一切の試合がストップした2月27日から興行再開のアナウンスがあった6月9日までの期間を自粛期間(Event Stopped)と設定し緑色の領域で示しています。
御覧の通り自粛前と自粛中を比較するとツイート・リツイートともにピークが少なく・小さくなっており、両数値が抑制されていることがうかがえると思います。
ハッシュタグにおける投稿数は試合中継の有無で大きく変化し、大会中継がある日に大きく数値が伸び、それ以外の日は比較的数値が少なめになる(0ではない)という傾向があるため、テレプロなどのライブ配信の取り組みこそあれ試合中継がない期間はこういったスパイク上の数値上昇がほとんど見られなくなりました。
具体的な数値でいうと平均ツイート数は自粛開始前後で1941→363ツイート/日とおよそ1/6になり、リツイート数は6582→1829リツイート/日と1/3になっています。
こうして大きく盛り上がりが抑制された自粛期間でしたが、興行再開の報があった6月9日には2560ツイート、6014リツイートとほぼ自粛前に近い数値を記録しています。
さらに6月中の各数値の推移(ユーザー数も追加)を示した図がこちらですが9日の興行再開発表の日に大きく数値が伸びているのはあるんですが、その後の各数値がそれまでよりも一段階多い数値をそれぞれ示しているのが見て取れると思います。
これを見ても、自粛期間中にハッシュタグから離れていたファンが、興行再開の発表をきっかけに再びハッシュタグに戻ってきている、というのはあるかと思います。
新日本プロレス公式アカウントフォロワー推移
続いてはGASで集計していた新日本プロレス公式アカウント(njpw1972)のフォロワー数推移を示したのが上の図で、先ほどと同様に自粛期間は緑色で示しています。
(ちなみにTwitterの仕様変更でそれまで使っていた集計手法が使えなくなっていた時期が6月頭から数日ほどあり、データの抜けが生じているので注意)
Twitterのフォロワー数の増加傾向は2種類に分けられ、大きな興行が開かれている時には急増し、それ以外の期間は徐々に増えるという傾向があり、上図でも1・2月の部分にはそんな2種類の増加が見えると思います。
対して新日本で一切のイベントが行われていなかった期間を見ると、瞬間的に増えるタイミングはあれど(おそらくフォロー&RTキャンペーン)、そういったタイミング以外での伸びが鈍くなっている、もしくは減少に転じている期間もありました。
前日比のフォロワーの増減を示したものがこちらの図ですが、局所的な増加を示すピークは自粛期間中にもみられるものの、それ以外の区間でのフォロワー数増加が徐々に減少次、5月末辺りでマイナス領域に入っているのが見られると思います。
具体的な数値でいえば、自粛前後で平均フォロワー変化は118→46人/日と約1/2に減少しています。
またこの集計を始めてから自粛前までの間の77日間でフォロワー数が減少したのはたったの2日だったのに対し、この自粛期間中の99日間では27日もフォロワー数が減少した日が存在します。
公式アカウントのフォロワー数は団体の知名度・人気度・関心度を示す指標でもありますが、こうしてメインコンテンツである興行が打てないことで関心度などが減衰して言っていたというのは確かなようです。
中止興行まとめ
上の表が所謂自粛期間中に「中止」になった大会の一覧になります。
ちなみに6月14日の大阪城ホール大会と8月22日に予定されていたMSG大会は「延期」はっぴょうなのでこちらには含めていません(これに関するリリースもないですし)。
結果的に中止となった大会数は61大会で前年の総大会数の40.1%に相当します。
そして過去の動員数から推定した各大会の予想動員*4の合計は12万6760人で前年の総動員の27.1%に相当します。
ちなみに7月に予定されていた北海道巡業シリーズでは近年興行を行っていない会場に多く訪れる予定だったので予想動員を算出しておらず、それを仮に入れるとすると合計予想動員はもっと多くなるはずですね。
私が言うまでもなく新日本にとって大きな損失であるのは間違いないのですが、また別の言い方をすると、ここに挙げた大会のみで前年の日本国内興行の同動員の11%に相当する量でもあるのです*5。
11%というと前年国内シェア2位だったドラゴンゲートの年間総動員に相当する量であり、新日本だけでなく日本国内のプロレス業界・市場に対する大きな打撃であると言えるでしょう。
所感雑感
というわけで自粛期間に関連する各種数値でした。
今更ですけどGoogleトレンドのデータなんかを入れても良かったかな?という気はしますがそれはまた次回。
まぁ本来は中止興行に関しては適宜集計しようと言ってたんですが、再開の糸口が見えない中でこういうデータを見ていくとどんどん気が滅入っちゃうのでやめてたんですよね。
実際予想動員なんかは悲鳴が上がりそうな数値なんですが、一応有観客興行の予定も発表されたことで「今後の回復」が見え始めたのでなんとなく耐えうる状態にはなりました。
実際Twitter上では数値の回復が早くもみられているので、動員とかも今後良い数値が出てくると言いなぁと思う次第です(始めはキャパシティも限られてるんですがその内は…)
きょうはこれまで、それでは