プロレス統計

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Googleトレンドと歴代王者で見る”NJPW”への関心度変化解析

何やら各所で日常に戻る動きが見せつつある昨今ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
かくいう私も諸事情で慌ただしくなっているんですが、もう少しで落ち着きそうなのとそれと時期を同じくしてプロレス界も元通りとはいかないまでも動き始めそうという感じなのでもう少しブログに向き合う時間もできるかなぁと期待しています。
まぁ依然油断ならねぇ事態なのはヒシヒシ感じているので世間に迷惑をかけない程度にギアを上げて行きたい日々です。

それはさておき先日(といっても2週間も前ですが…)、よく参考にさせてもらっているWrestlenomicsが以下のような解析結果を投稿していました。

簡単に言えばGoogleトレンドで調べた「WWE」の検索数の推移なんですが、それを歴代最高王座(世界ヘビー級だったり、WWEヘビー級だったり、ユニバーサルヘビー級だったり…)の王者ごとに分けてみたデータを見せているんですよね。
つまりは「誰が王者の時に検索が増えたか」「検索が減ったか」というのをみることで疑似的に選手への世の注目度・関心度を見ているという感じですね。

Googleトレンドを用いた解析については以前にもやっていた*1*2*3んですが、いずれもGoogleトレンドの検索結果を埋め込むのみで「解析」と称するにはいささか物足りないものがありました。
しかし最近になってGoogleトレンドを取得できるPythonライブラリを発見したのでそれを用いて、前述のWrestlenomicsの解析をパk参考にしつつ新日本プロレス、所謂”NJPW”への関心度変化を解析したいと思います。

 

集計手法

qiita.com

今回参考にしたのは上の記事。
上記事でも紹介されているようにPytrendsというライブラリを使うことでGoogleトレンドで検索したデータをそのままPython上に取得することができます。
取得されるデータはGoogleトレンド自体の仕様に沿いますが、その際の注意点として

  • 検索数の絶対値でなく、該当期間の最大値を100とした相対値を返す
  • 複数ワードの場合は各ワードの検索数も相対値を返す
  • 期間が長くなると(7か月ぐらい?)1日ごとではなく1か月ごとの合計値を返す

という感じ。
今回は同ライブラリで2012年1月1日~2020年5月31日までの”NJPW”に関する世界全体の検索数推移を検索したので上の制約についてはあまり問題になっていません。
(と言いつつ初めは全期間の日ごとのデータを算出しようとして色々頭をひねってましたが、結局今回は使っていない)

検索数推移 

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検索結果をしめしたのが上の図になります。
が各月の検索数になっており、オレンジ色の線がこのデータから計算した移動平均線になっています。
移動平均線の名前は最近色んな推移データに出てきている感じがしますが、今回のような時系列のデータに関してある時点よりも一定期間前までのデータ(今回でいうとその次点から12か月前までのデータ)の平均値を「その時点での平均値’」とする手法で、季節や曜日など周期的な変動があるデータについてこの手法をとるとそういった変動をおおよそ取り除いて、数値の変化の傾向を見ることができます。
最近だとコロナの感染者数推移なんかのデータによく出ているので観たことがる人もいつかも?

その結果、移動平均線を見ると2012年以降じわじわと増加していった検索数は2018年末にピークを迎え、以降は減少傾向に入っていることが分かります。
一応移動平均の最大値をとっているのは2019年の1月であり、theELITEの面々が抜けていこう世界全体での検索数は減少傾向にあると言えるでしょう。
またその減少傾向自体は、2017~2018年にかけての増加と比較して緩やかな現象を見せているとも見えます。
また検索数としての最大値は2018年の1月となっており、瞬間的に最も新日本が世界から注目された時期は現状この期間といってよいでしょう。

とはいえ、データそのものを見てみると2018年末の時点で検索数は2018年頭と比較して減少を見せ始めており、2018年頭に高かった関心度が2018年末にかけて失われたとみることもできるかもしれません。

王者比較

ここからは上述のデータを歴代王者ごとに色分けしてみたいと思います。

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というわけで2012年1月以降のIWGPヘビー級王者についてまとめたのがこちらで、王者は全部で6人になっています。
ちなみに一か月の間に王者が変遷した場合は「月内でより戴冠日数が長い方」を王者として考えています。
各王者について細かく見ていくときりがないので、ファンなオカダについてみてみると、2016年6月~2018年6月までの最長防衛機の長さが際立つとともに、検索数だけで見ても2017年1月~6月にかけての期間、ケニー・鈴木・柴田・ファレ・ケニーの5戦を行った時期に検索数が人段階上がっている感じがあるのが納得だったりします。
また同時期は長く安定した検索数の上昇期間だったとも言えますが、転じてその次に王者となったケニーは獲得時の検索数の跳ね上がりはすさまじい一方で王者期間としては検索数が減少し続けたとも見えます(まぁ例年1月・6月を除けば低めの検索数になっている傾向はありますが)

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続いてIWGPジュニアヘビー級の王者について同様の解析をしてみたものがこちら。
IWGPヘビーと比較して各王座期間も短く、なおかつ述べ王者数も12人と多くなっているのが分かると思います。
年間最大のビッグマッチである1月東京ドームと6月大阪城が共に月初めにある関係か、データを見ると1月及び6月にスパイク上のピークが表れているのですが、ジュニア王者に関してはそのピークを乗り越えて継続した例がかなり少ない感じはしますね。
そのためいずれの王者も(最近は特に)上記の2大ビッグマッチで勝利しその後来る時期ビッグマッチで新王者に移る、ということを繰り返しているようにも見えます。

 

所感雑感

ということで久々の解析でした。
記事を書いているうちに後半の王者との比較は巧いこと解析できなくて蛇足なのでは・・・という感もし始めましたがまぁ最初のモチベーションはこっちだったので・・・
いずれにしても個人的には解析するためのデータが1種類増えたのは確実なので、今後何かしら面白い解析ができたらいいなぁと思うばかりです。

きょうはこれまで、それでは