プロレス統計

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各種数値で比較する清宮海斗とオカダ・カズチカ

コロナという自然災害が一応はひと段落付いたかな?という頃合いで、まだ油断を許さない昨今ではありますが、この時期から将来に向けた種まきが始まった感もあります。
この2ヶ月間のプロレス界は他のエンタメ業界の例に漏れず細々とした活動を続けており、プロレス系ブロガー界隈としても寂しい日々が続いていた感もありました。
しかしつい先日、かなり久々に「リング内」の話題が生まれましたね。

そのリングはプロレスリング・ノア、発信者は前GHCヘビー級王者の清宮海斗、そしてそのターゲットは新日本プロレスのオカダ・カズチカ(多分)。

タイミングこそいつぞやのオカダさんの「気になる人はアントニオ猪木」発言ぐらいの突然の発言ではあったんですが、思い返せば今年初めの東スポ認定プロレス大賞の授賞式の席でオカダさんがオールスター戦の開催を提唱し*1、それに後日清宮(と全日本宮原)が賛同した*2なんてこともあったんで、そこでの出来事が伏線になったのか?と思わないでもない。

まぁ現状は清宮の問いかけだけであり、対戦相手のオカダや新日本、それにそもそもノアの意向やオールスターで同様に名前が挙がった全日本・宮原の反応もまだわからないですし、さらに言えばいつ・どこで・どういう形式(無観客かそれとも)でというのもあり現状ではまだまだ実現像は浮かんではおりません。

とはいえ「きっかけ」はできたわけで。
ただでさえ「リング外」で良いニュースの無かった2ヶ月を過ごした今だからこそ、前向き(?)にこの話題に取り組むべく、弊ブログ流としては各種数値で清宮・オカダ両選手について比較したいと思います。

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俄かに機運高まった両者

(新日本プロレス公式サイトおよびプロレスリングノア公式サイトより引用)

 

基本データ

清宮  180㎝/  98㎏/23歳 (20歳デビュー)
オカダ 191㎝/107㎏/32歳 (17歳デビュー)

上では身長/体重/年齢 (デビュー年齢)の順で表示しています。
体格としては日本人レスラーとしては平均的と言える清宮に対し、大型と呼べるオカダという感じでリング上で並んだ場合には「清宮がオカダに挑む」という構図に見えそうな予感。
そういった構図は年齢に関しても同様で二人の年齢差は9歳差、キャリアとしても清宮3年に対しオカダは15年と実に5倍近いキャリアになっており、そういう意味でもプロレス的な格は確実という感じですかね。
個人的には若手だ若手だといわれてきたオカダさんが今や下の世代に狙われるキャリアになったのか・・・と思うとなんとも言えない感慨が。

2019年戦績データ

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続いて2019年の両者の戦績についてのまとめ。
こちらはいつものごとくCagematchから取得したデータを元に集計していますが、ここでのデータは日本国内限定で海外での試合データは含まれていないのでご注意ください。
大まかに分けて総試合、シングル、タイトルマッチ、メインに関して全部で9種類のス値を算出していますが、それぞれ数値がより大きかった方を赤く示しています。

始めに総試合数の面では両者ともに100試合を超えていますが、10試合程度オカダの方が試合数は多い。
全体の勝率では両者ともに50%を超えた”勝ち越し”を維持していますが清宮が65%弱と勝率面で勝っているようです。

続いて試合の内シングルマッチに限定して見てみると、シングルマッチ数はオカダが清宮の倍となる18試合を経験し勝率83%を記録と普通に見ると驚異的な数値ですが、
対する清宮はシングル数こそ9試合と少なめ(2019年はシングルリーグ戦であるN-1Victoryに出ていない関係もあるか)ですが代わりに驚異の負けなし、勝率100%という。

続いてはタイトルマッチを見てみると、今度はオカダが3試合のみと少ないながら勝率100%を誇り、たいして清宮は7試合のタイトルマッチ(タッグタイトルも含む)を行い勝率は85%という感じ。
こうしてみると両者ともに団体の最高王座を保持した2019年でしたが、保持してからはタイトルにおいて負けなしで過ごし、2020年の頭に揃って陥落している共通点もあります。

最後にメインイベントの登場数ですが、オカダが56回で全体の47%、清宮は71回で全体の67%とメインイベントへの登場率は清宮が大きくリード。
そのメインでの勝率を見てみるとオカダが59%、清宮が63%となっていました。
どちらも普通の選手と比べるとメイン登場率は高いとは思うんですが、いずれにしても団体内で重用されているというのは見て取れます。

 

 

キャリア略歴

この両者、現状を見てみるとキャリアとしでも一世代は違うし体格も違うし・・・とあってあまり共通項は見えないんですが、そのキャリア、しかもデビューからのキャリアを見てみると似ているものが感じられたりします。

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詳しくは各選手のWikipediaでも見ていただくとして、両者ともにデビュー、海外遠征、最高王座獲得、陥落といった流れが一緒でなおかつどちらも短期間に完了している共通点があります。
(上図ではオカダのデビューを新日本再デビューから計算、他団体ビッグネームはDDTでの飯伏との対戦を指す)
デビューから海外遠征帰国までの期間を見ると清宮の方が何れも機関が短く半分程度なのに対し、帰国~最高王座陥落までは清宮は結構長い期間かかっている、という差異はありますが。

こういった共通項もあって清宮にかつてのオカダ・カズチカを見る人もいるんではなかろうかと思ったりもしているんですが、そういう意味でいうと現在の清宮は2012年6月のオカダの状況に相当します。
その後の歴史を見るとG1優勝やドームメインに立ったりしたのちに、1年2ヶ月後のDDT両国で初となる他団体のビッグネームとの対戦を行っています(vs飯伏)。
果たして清宮対オカダも同じだけかかるのか?とは思いませんが、こういった要素を抜き出すと似たキャリアを歩みながらもそのイベントの感覚なんかは微妙に異なるのが両者のようです。

 

所感雑感

というわけで久々にまとめっぽいまとめでした、解析メイン以外でいうと巌流島に関するまとめ以来なので実に3か月ぶりです。
思えばそれ以降は国内のプロレスが休止状態になっていたのでこういう、リング内に思いをはせる記事が書けるようになったっていうことは国内プロレスの再始動を私が感じているということでもあるんですかね。
まぁ今回テーマとした対戦については是非とか可否とかの議論もあるんでしょうけど、ぶっちゃけそういうのは割とどうでもよくて「そういうことに思いをはせることができる環境が戻りつつある」という事実が割と嬉しかったりします。
日本プロレス界に関してはつい先日も悲しいニュースなんかもあったんですが、それを踏まえたって帰ってきた日常を謳歌することがこの状況を生き延びた人のすべきことだと思うので今後もそうしていきたいと思う次第です。

きょうはこれまで、それでは