プロレス統計

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2020年の内藤さんが頑張っているという話

新日本プロレスのG1CLIMAXはまだまだ序盤という感じですが、その中でプロレスデータマニアの間で指摘されているのは「内藤さんの試合時間がえらい長い」という話。
公式サイトで見てみると開幕から4戦はいずれもかなり長い感じ。
まぁ開幕してすぐというのもあって上振れしている感もありますけど、どの程度長いのかというのを少し調べてみました。

 

歴代平均試合時間TOP5

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まず歴代のG1 CLIMAX公式戦(優勝決定戦などを除く)の平均試合時間のトップ5を示したのが上の表。
もちろん2020年の結果は序盤の4試合のみなので今後大きく変わり得る参考値なんですが、現状では今年の内藤さんが1500秒弱(25分ぐらい)でダントツの一位。
2~4位が、普段から試合が長いという印象も強かったオカダさんなんですがその数値も1200秒程度(大体20分ぐらい)なのでそれよりも5分近く長いというのはそら見ている側としても「今年の内藤さんの試合は長い」という印象を自然と植え付けるでしょう。

ちなみに2~4位のオカダさんはそれこそ直近3年のG1 CLIMAXの結果であり、この数年でどれだけ彼が長い試合をしてきたのかということを示していますけど、それを抑えて、というよりは今年オカダさんが不調もあって短い試合になっているのと入れ替わるように内藤さんの試合が伸びているというようにも見えますね。

G1 CLIMAXでの平均試合時間推移

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内藤さんと、少し比較のためにライバルと評される4選手のG1 CLIMAXでの平均試合時間の変化をプロットしてみたのが上図。
まぁ正直各選手似たような推移を示していたんですが2020年は明らかに内藤さんだけが大きく平均試合時間を伸ばした形に。
例年の内藤さんの試合時間からの伸び、及び他のトップ選手との試合時間の差がなおさら見ている側に「今年は長い!」と思わせる一因になっているというのはあるかもしれません。

シングルマッチ平均時間推移

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というかそもそもG1に限らずシングルマッチでも同様の傾向はあるんでは?と思い、上記の内藤さんを含む5選手について持っているデータ中の全シングルマッチについてプロットすることに。
上のグラフは各選手の各月の平均シングルマッチ試合時間の移動平均になっています、というのも通常であれば毎月の平均試合時間はビッグマッチの有無なんかで大きく変動するので、12か月ごとに移動平均をとることで傾向の推移を見ているのです。

その結果から言うと内藤さんの試合時間が大きく伸びたのは2016年以降、所謂LIJ化によってメインに上がる機会も増えたのもあって伸びた感じですね。
しかしその勢いが2018年に入って一旦ストップし、2019年末から2020年にかけて再びの増加傾向に戻った感じ。
ちなみにオカダさんも同時期に同様の傾向が起きてはいるので、所謂トップ選手のシングルマッチ時間の傾向として、2018年にピークを迎え、いったん減少、最近になって再びの上昇傾向に、というのはあるかもしれません。

余談

というのが単純に推移を見た結果なんですが、実は同様の「一旦シングルマッチ時間が伸びた後でいったん下がり、また上昇する」傾向は上図の2014年ごろのオカダにも起きています。
この時期のオカダさんと2016年ごろの内藤さんに何が起きていたかというと、ちょうど壁にぶつかっていた時期なんですよね。
2012年に凱旋して飛ぶ鳥を落とす勢いだったオカダさんは2015年に棚橋に勝てず…というシーンがあり、
内藤さんは2016年にLIJのブームを生み出すものの、2018年のオカダとの一戦には勝てず、となっていました。
どちらもドームという最終決戦上で最後の壁に阻まれた時期があり、そこで試合時間が減っているわけです(それが何を意味しているのかはさておき)
その後、2016年にオカダはドームで棚橋に勝ち、2020年に内藤はオカダにドームで勝ち、ともに壁を乗り越えているわけです。
ある意味で両者は時期こそズレているものの同じように壁にぶつかり、壁を乗り越えている、似たような過程を歩んでいるとも言えますね。

ちなみにオカダさんは2017年以降V12を達成したり、ケニーとの対戦があったりとある意味で一つのキャリアハイを迎え、同時に試合時間もピークを迎えています。
そういう意味では、オカダと同じ道を歩むと仮定するのであれば、内藤さんも一選手としてのキャリアハイをここで迎えるかも、というか迎えようとしているのかもなぁと思ったりもします。

 

所感雑感

まぁまだまだ途中のデータなので結論付けるようなものではないんですが、少し思いついた解析だったのでやってみました。
傍から見ていてもなんだかんだといいつつ内藤さんに気合の入りようは伺えるのは確かだなぁというのが所感ですが、とはいえ長けりゃいいってもんじゃないっていうのはオカダさんがさんざん言われてたことなのでまぁこれが良いかどうかはわかりませんけどね(デイブ・メルツァーは長い試合の方が好きな傾向はあると言いますが)。
まぁ満を持しての第2時政権で大いに内藤さんが頑張っているんだ、ということは確かだとは思います。

きょうはこれまで、それでは