プロレス統計

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国内全興行データで見る2021年の日本プロレス界

2020年がCOVID-19という大きな変化に振り回された年だったとすれば2021年は一時の混乱期を経て、良くも悪くもCOVID-19と共にあることが常態化した1年でした。
その結果が興行的数値にどう表れているのかをちょっと見ていきます。

参考:2020年の結果

www.pwanalysis.com

参考:2019年の結果

www.pwanalysis.com

 

大会数と観衆数発表/未発表

COVID-19情勢下では会場に観客を入れない「無観客試合」というものが注目を集めたわけなんですが、一方で集計をしていると目につくようになったのは「観衆未発表」の興行の存在。
(おそらく)観客を入れていてもあえてその実数を発表しないというケースが、実際は以前からあったにしてもCOVID-19以降大手の団体でも見られ、増えたというのが実感があったわけです。
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上図は2012年から2021年にかけての日本国内で開催された大会の内、「観衆発表アリ」「無観客大会(観衆0の発表)」「観衆発表無し」の3種類を色分けしたもの。
総大会数でいうと2015年以降右肩上がりを続けていたのが、非常事態宣言などで興行が出来なくなった時期があったため大幅減した2020年を挟み、
2021年は2019年を上回る2516大会が開催されました。
2020年からは+57%、2019年からは+9%の増加となります。

一方その内訳をみると観衆発表アリは1507大会(60%)、発表無しは963大会(38%)、無観客大会は46大会(2%)となってます。

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発表無し大会自体は2019年以前から300件程度あったようですが、2020年からは増加し、20201年は例年の3倍近い割合に増えています。
上のグラフは割合の推移を示したもので、割合的には2019年以前は20%未満程度だったのが2019年からは30%超に大幅に増えており、
COVID-19情勢下での一つの特徴と言えるでしょう。

観客動員

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続いては年間総動員の推移について示したのが上の図、棒グラフ内には百万人単位の各年の動員数が書いてあります。
2021年の総動員数は50万6199人となりました(勿論発表あったもののみの合計)。
動員としては2020年よりもわずかに上昇した一方で2019年以前は100万人弱あったことを考えると約半減したままの状態が続いているのが分かります。

この「半減」という数字でいうと、現在のプロレス会場では「最大キャパシティの半分まで」という制約が依然としてあるので、それが大きく影響している感じはあります。
勿論上述した通り、観衆を発表している大会数自体は2019年以前と比較してかなり減ってはいるので単純比較はできないとは思いますが。

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比較をする上では観衆発表があった大会での平均観客数をとったのが上図。
2019年ごろまでは約600人程度を推移していたのが、2020年からは大幅に減少し、2021年は今回集計した中で最少の326人/大会となりました。

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平均以上の情報を得るために2000人以下の大会について観客数の分布を見てみたのが上図、比較として2019年と2020年を並べて表示しています。
上図を見てみると2019年は200~300人程度の大会数割合が最も多く、それ未満はほぼ同等、それ以上となると緩やかに減少していく傾向がありました。
一方2021年は最も多いのは0~100人の割合で約30%近いものとなり、100~200人の大会も同規模、つまりは200人未満の大会が全体の半分以上を占めていたことが伺えます。
更に1000人以上の部分を見ると2019年は多少なりとも存在していたのが、2021年はかなり割合としても減っていることが見え、
全体としてごく小規模の動員が大半を占め、1000人以上の動員となる大会がかなり減少していることが伺えます。

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今度は規模別の円グラフを見てみます(こちらは観衆発表をしている全大会が対象)。
2021年の最も多くを占めているのが観衆未発表(non)で38%を占めており、観衆発表アリの中で最も多いのが赤で示した100~500人程度の大会。
全体として見てみると、2021年の特徴として「観衆未発表が大きく増えた」「500人以上の大会割合が大きく減少した」ということが合わせて言えます。

団体別動員

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続いて団体別の年間総動員を割合で示した円グラフ、それぞれ年間総動員で4%以上の団体のみを表示しています。
2021年最も(発表のあった大会で)総動員が多かったのは新日本で18万3533人(35%)、以降はドラゴンゲートで5万4031人(11%)、スターダム4万7415人(9%)、プロレスリングノア2万8395人(6%)、DDT2万6145人(5%)、全日本2万1888人(4%)と続きます。

割合でいうと2021年の総動員割合は比較的2019年の者に割合が近く、全日本の割合が下がり、スターダムの割合が上がった形になっていることが分かります。
また2020年のグラフも出しているのは2020年は2021年と大きく異なっており、新日本が全体の51%過半数の動員を占めていた特殊な年だったからというのもあります。

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とはいえこういった比較は「全ての団体が全大会で観衆を発表している」という前提で成り立つもので、上で名前を挙げた7団体について2019年から2021年の観衆発表割合を調べてみると上の図。
新日本と全日本、スターダムの3団体に関してはこの3年間で観衆発表割合に大きな変化はなくほとんどすべての大会について動員を発表していることが分かります。
一方DDTとNOAH、大日本に関しては2019年は多少未発表の大会があったのが2020年に割合が大きく増え、DDTとNOAHに関しては約半数の大会が未発表になり、2021年には割合が回復しています。
具体的な数値でいえば2021年はDDTでは124大会中18大会、NOAHでは79大会中27大会、大日本では124大会中21大会が観衆未発表の大会になります。

集計をする上ではこういうデータにマスクされた状態って言うのは何が見えているのか、本当の状態はどういうことなのかが見えづらくなるので困ったもんです。

 

所感雑感

というわけで大まかにですが興行データで2021年のまとめでした。
気が向いたらやろっかなー程度で考えていましたが先日Twitterで「やらないんですか?」と言われたので気が向いた次第です。
まぁCOVID-19関連の情報は気が滅入る一方で分かりやすく変化が見えるので面白くもあるので2019~2021年のデータはまとめておいて損はないかなと。
次に面白いのはキャパ制限が解禁されたら~でしょうけどいつになるのやら。