何もかもがイレギュラーな中決まった7.25愛知決戦、そのメインに据えられたのは新日本プロレスの生え抜きであり、オカダや内藤らを「現世代」と評するのならばいわば「新世代」となる両者によるIWGP戦。
IWGPヘビー&IC二冠戦、EVIL対高橋ヒロムが控えています。
どう見たって昨今のIWGP戦線には見られなかった”新鮮味”がある一戦ですが、この一戦を新鮮味だけで見るのももったいないという感じもあります。
何と言ったって同期の桜で帰国後も同ユニットに所属していた両者、階級こそ違えど互いに意識し合い、同時に比較されてきた両者でもあるはず。
というわけで今一度両者を比較すべく、いくつかの数字でこの両者をデビューした2012年(EVILは2013年デビューだけど)から2020年までで比較したいと思います。
Cagematchファン評価
まず初めに海外のプロレスファンデータベースであるCagematchにおける選手の評点の推移から。
高橋ヒロムこと髙橋広夢は2012年デビュー、EVILこと渡辺高章のデビューは2013年(広夢を相手にデビュー)ですが、その後2014年に両者ともに海外遠征へと旅立っています*1。
その後大舞台に上がることもなかったためか両者ともに2014年の評点はほぼなく、それ以前の評価はヤングライオンとあってほぼ同じぐらい。
両者は翌2015年から一人前のレスラーとしての活動が始まるわけですがある意味対照的になっているのは上図が示す通り。
高章ことEVILは2015年10月に凱旋帰国、当初からおどろおどろしい出で立ちの怪奇派な見た目をしつつ試合は突貫スタイルと不思議な組み合わせだったんですが、
凱旋当初は6.6とそう高くなかったのがその後徐々に評価を勝ち得たのか8点前後に(8点前後だと”良い選手”ってぐらいかと思われる)
対する広夢はCMLLでカマイタチとしての活動を始め、生涯のライバルとなるドラゴン・リーと遭遇、2015年からシングルマッチでの抗争を始め、それが大きな評判を呼んだことで、英語圏のファン層を中心とするCagematchにおいてもぐんぐんと評価を挙げています。
その結果本格帰国した2017年の評点は9.55、オカダや内藤、棚橋と何ら変わらない評価を既に獲得し、しかもその後今に至るまで9点台を維持しているのはある種驚異的ですね(オカダさんですら2013,2014年は9点台を割った)
あくまで英語圏のファンの評価ではありますがその支持の度合いというのは文字通り格段の差が両者にはあるようです。
シングル王座に関する数値
続いては各種リング上での数値の中でも差が大きかったものとしてシングル王座に関する挑戦数と勝利数について(2020年は先日の後楽園まで計上)。
この両者試合数やシングルマッチ数に関してはほとんど違いはないんですが、ことシングル王座になるとどの年をとってもヒロムとEVILの間で大きな差が存在。
ご存じのようにヒロムはIWGPジュニアを複数回戴冠し、防衛も何度か果たしている。
一方でEVILは2016年に1度NEVER無差別級を戴冠するもその後わずか数日で陥落し防衛は0.
そういう意味でシングル王者としてのイメージというか王者像はヒロムが確立した一方で、EVILはまだ不確定という感じはありそうです(今まさに作り上げようとしているとも言える。)
まとめ
- ファンの評点では大差でヒロムが勝っている
- シングル王座での経験値もヒロム優位
所感雑感
というわけで今回はちょっと趣向を変えてEVILvsヒロムへの機運を高めるべくまとめでした。
まぁぶっちゃけいえばジュニアヘビーとヘビーの差こそあれ格やファン評価的にはヒロムの方が圧倒的に上であるというのが現状です。
何となく世間的にはLIJ内紛的な盛り上がり方をしている感じもしますが、実際は未だに超えられていない先輩のヒロムにEVILが挑む、という形になっている感じもしますね(一応シングル対決も若手時代にあったがヒロムがずっと勝っている)。
そういう意味で試されるのはEVILかも知れない・・・という心地で一戦を待とうと思います。
おまけ:7年前の約束
TwitterにてヒロムとEVILの間でやりとりがあったりしますが
7年前に交わした約束の試合が明日なら、遠慮せずに攻めてこいよ。勝つのは俺だ。 https://t.co/ogsaOJks5x
— 高橋ヒロム / Hiromu Takahashi (@TIMEBOMB1105) 2020年7月24日
この”7年前”と思われるのが2013年6月9日、”広夢”の壮行試合になったBOSJ最終戦の日。
このバックステージにて広夢は
髙橋「 最後に一言だけ。渡辺高章! 絶対、帰ってきたら、もっともっと熱い試合しようぜ! オマエとなら出来るよ!!」
と帰国後の対戦表明を行う。
またEVILこと渡辺は
渡辺「(涙を浮かべて)……広夢さんには、俺が入門のときから、凄くお世話になっていて! 俺の中でかけがいのない先輩で、あの人がいなかったら、いまここでレスラーをやっていないと思う! (涙をかみ締めて)。それぐらい、感謝してるし、尊敬してる! ずっと練習も食事も、一緒にがんばってきた! だから、今日は絶対に、アイツから3カウント獲って、送り出してあげたかった! 最後、獲られてしまって、借りができた分は、必ず、アイツが帰ってきたときに、俺が獲り返す。……今日は、このカード組んでもらって、ありがとうございました。俺がもし海外から帰ってきたときにはアイツとやらしてほしい。それぐらいアイツには、いろいろな思いがある。以上です! ありがとうございました!」
シチュエーションこそ特殊なものの7年間待った一戦が目前に迫っていることは確かなようです。
きょうはこれまで、それでは
*1:広夢が6月、高章が10月に