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過去対戦で振り返るウィル・オスプレイと高橋ヒロム

気づけば東京ドーム二連戦に関する話題は良くも悪くもIWGP二冠戦に引っ張られていた気がしますが、それはあくまで全試合(20試合とか)のうちの4試合、他にも年間最大級のビッグマッチにそぐわないようなカードが順次用意されていくはずなのです。
そういう意味では、いの一番に「IWGP二冠戦?それよりもこっちの方が凄いぜ!」という主張を言ってのけたのがIWGPジュニア選手権試合で行われるウィル・オスプレイ対高橋ヒロム

まぁこのカードに関してはオスプレイは二冠戦について文句を言うわ、ヒロムは対ヘビー級ユニット結成をぶち上げるわ、それ以外に関する話題が先行しすぎてしまって、そもそもこのカード自体も楽しみなことを私も忘れかけていたというありさま。
まぁ勿論、試合内容だけでなく話題性も追求していくのがまさに内実ともに充実している二人らしいともいえるんですが、今回はこの対決について過去対戦を振り返りつつその対戦自体に機運を高めたいと思います。

 

2017.5.31 意外な場所での初対決

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新日本ジュニアのまさしく”次世代”を切り開くことになる二人の初対決(2017.5.31)

(新日本プロレス公式サイトより引用試合映像)

いまや押しも押されぬジュニアヘビー級、どころか新日本プロレス全体でみてもトップ集団に入る人気・実力の両選手ですけど、この両者の対戦がBOSJ公式戦というのは良いにしても、会場が大会場でも聖地・後楽園でもなく大阪府立第二というのが少し驚くところです、幸いWORLDで中継があったと記憶していますけど今となっては俄かに信じがたい。
当時の両者の状況を振り返ると、新日本ジュニアの”次世代”としてまさしく機運が高まっていた時期と思います。
この前年2016年、2月にヒロムはカマイタチとして一時帰国し11月には本格凱旋を果たし、4月にオスプレイは初来日を果たしており、文字通りのニューカマー。
当時のIWGPジュニアはKUSHIDA政権時代、言ってみれば安定した試合内容が売りでもあり、観客としては新たな刺激を求めていた時期もあって、そんな時にタイプこそ違えどド派手で新鮮な両者の試合は観客の琴線に触れるものだったのは間違いないでしょう。

とはいえこの二人があくまで”次世代”だったのは両者ともにここぞというところで”現世代”でもあったKUSHIDAに跳ね返されていたため。
ヒロムはこの年の1.4でKUSHIDAを倒してIWGPジュニア新王者となりBOSJに参戦していましたが、BOSJ後KUSHIDAにタイトルを奪還されることになります。
一方のオスプレイも2016年4月の初来日からKUSHIDAと2戦して2連敗の状況、このBOSJの優勝決定戦でもKUSHIDAに敗れてBOSJ二連覇の野望は露と消えています。
とはいえ期待感をまといながらも現世代に跳ね返される、そういったやきもきもまた”次世代”が”新世代”へと変化するために必要な要素でもあり、いわば両者ともに溜めの時期だったんですね。

試合を見てみると、両者ともにエネルギッシュ、若々しく、そして荒っぽいというのが印象的なところ。
特にオスプレイは今との差が結構大きく、飛び技が主体であったり一挙一動に落ち着きがないという印象にもなりますけど、やはり王者になって以降より王者らしい動き・試合構築を身に着けたのか、そちらへシフトしていったのか・・・

2018.1.4 IWGPジュニア4WAY戦

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絡みはあったものの限定的だった(2018.1.4)

(新日本プロレス公式サイトより引用試合映像)

前回の対戦後、オスプレイはそれまで壁となっていたKUSHIDAをついに倒して念願のIWGPジュニアヘビー級王者になりますが、その次の防衛戦で旧知でもあるマーティ・スカルに敗れて王座陥落。
その次に行われたIWGPジュニアの防衛戦は直近の4王者であるマーティ、オスプレイ、KUSHIDA、そしてヒロムの4名による4WAY戦に。
その中でいうとやはりベルトを奪い奪われたマーティとオスプレイの関係性が中心となり、ヒロムとオスプレイ間では絡みはないわけでもなかったですがそこまでしっかりとしたものがなかった印象で、この両者の関係性でいえば通過駅のような印象ですね。

2018.2.10 オスプレイが一歩先へ

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IWGPジュニアの新世代闘争 (2018.2.10)

(新日本プロレス公式サイトより引用試合映像)

ある種1.4で「現在のジュニア4強」の顔見世が終わり、その後はその4人による1vs1のタイトルマッチが続きます。
まぁ1.4を前にしてヒロムから「直接負けてないからリマッチだ!とか言わないようにしよう」と呼び掛けていたもののそれを率先して破る結果になっちゃった辺り気まずい雰囲気もあったように思います、奇しくも内藤さんによるリマッチ批判が激しかった時期だけに(まぁいまやそれもうやむやですが)
それはさておき、ついにKUSHDIAを破り、1.4のジュニア4WAYでも他の4人から一歩先んじた形になったオスプレイに対して一番余裕ぶってられない立ち位置にいたのも事実なヒロムでもあります。

思えば最初の対戦となった2017年BOSJと同じ大阪府立での対戦、ではあるんですけど同じ対戦相手、同じ場所であっても何となくお互いに固い感じがするのも不思議だったりします。
まぁヒロムについては前述のとおり前言撤回直後というのもあるんですけど、オスプレイも本格的にIWGPジュニア王者としての試合を行うのはこれが初、王者然とした立ち居振る舞いを掴みかねていたというのと、観客もどう見ればよいのか、どう王者オスプレイ&挑戦者ヒロムを迎えればいいのか戸惑っている感じだったのかもしれない。
しかしこの時点では後のヒドゥンブレイドを出していたりと既にオスプレイの王者像の構築が始まっていたというのが見て取れたりもします。
一方で結果としてヒロムは前言撤回したのに再び負けてしまうという残念な結果に。

2018.6.9 ヒロム遂に勝つ

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”壁”となっていたオスプレイを1年越しに初撃破した (2018.6.9)

(新日本プロレス公式サイトより引用試合映像)

ある種、新日ジュニア4強の中で一度は最後尾に回ることになったヒロムですが、その後のBOSJにおいて新たに参戦した強豪である石森太二を破っての初優勝、前年の活躍っぷりを見ると満を持しての優勝と言っても過言ではないでしょう。
そしてこちらも満を持して挑むことになった6月のDOMINION、奇しくもヒロム対オスプレイはいずれも大阪の地で、しかも別会場で行われているのは結構興味深いですね。

しかしこの時期になるとオスプレイは現在のフィニッシャーであるストームブレイカーも会得、試合運びも現在に近い堂々としたものになってますね。
思えば前回のヒロム戦後KUSHIDA、マーティに防衛戦もしてますし、3月にはオカダとのIWGP王者対決なんかもやってるので王者として、そしてこれ以降傾倒していく無差別級としての経験値はかなり獲得したよう。
そういう安定感のある王者に対してヒロムの取った戦法は爆発力を生かすこと、実際終盤も終盤までかなりオスプレイが試合を支配している印象でしたけど断崖式サンセットフリップパワーボムを決めて以降巧く得意技をった見かけることができての勝利、という感じ。

 

所感雑感

というわけでオスプレイとヒロムの過去対戦についてでした、戦績は3戦してオスプレイ2勝にヒロム1勝
その後の話として大阪城での戴冠後に行われたドラゴン・リーとの防衛戦でヒロムは首を負傷し後にIWGPジュニア王座を返上、今日まで続く長期欠場に入ることになります。
対するオスプレイはヒロム戦を期に無差別級への移行を宣言し、実際今年のドームではNEVER無差別級を戴冠、その後NJC、BOSJ、G1とリーグ・トーナメント戦に出まくっていたのは周知の事実。
まぁそんな経緯を見ると、ヒロムの欠場がなければオスプレイも完全にヘビー級を主戦場にして再戦はなかったんでは・・・?と思うところでもありますし、結果としてヒロム不在の新日ジュニアをオスプレイ(ドラゴン・リーもだけど)が支えたという印象もあったり。
そういう意味で今度の試合はヒロムにとっては失った1年半を「取り戻す」ことができるかはさておき、「体感する」ことにはなりそうな予感ですね。

きょうはこれまで、それでは