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どんたくシリーズの注目、謎シングルマッチ説

新日本プロレスファン、というかオタクの間には「謎シングルマッチ」という言葉がある。
おおよその意味は「なんで今このシングル組まれたんや?という」試合のことで、ヤングライオン同士のオープニングマッチやこれまでの因縁から生まれたイコン決着戦、そしてもちろんタイトルマッチは含まれない、
つまり唐突に組まれたシングルマッチのことを言う。

なぜこれについて今日わざわざ述べているかというとこのどんたくシリーズが結構この「謎シングルマッチ」が多く組まれる傾向にあり、ことしも以下のように多くの「謎シングルマッチ」が組まれている。

4.20名古屋
マイキー・ニコルス 対 チェーズ・オーエン

4.29熊本
マイキー・ニコルス 対 バッドラック・ファレ
ジュース・ロビンソン 対 チェーズ・オーエンズ
後藤洋央紀 対 ジェイ・ホワイト

5.4
石井智弘 対 EVIL

まぁ公式HPを見てわかるように「”スペシャル”シングルマッチだって言ってんだろォん?」と言われればそれまでなんですけど。
そもそもシングルマッチが減少傾向にある新日本プロレスにおいて、謎だろうが何だろうが、G1やBOSJ、NJC以外でシングルマッチが見れるのは贅沢なことではあるんですが。

www.pwanalysis.com

それはさておきこういったスペシャルシングルについて、ただただ試合内容だけを楽しむという楽しみ方も良いんですが、過去の傾向を見るにこの試合”以後”についても注目すると楽しいかも、ということで過去にこのどんたくシリーズで行われたシングルマッチとその後についてまとめです。

 

2018年

(新日本プロレス公式サイトより引用)

2018年から始まったどんたく2連戦、今年は1日目をNEVERとIWGPJrが、二日目がIWGPヘビーが占める形で開催されますが、初回となったこの時は2日目がIWGPヘビーなのはそのまま1日目は当時内紛中だったBULLET CLUBによるスペシャルシングルマッチ2戦がセミ・メインを占めました。
セミとなった飯伏対コーディはその年の1.4での一戦のリマッチでしたが、メインを占めたのはケニー・オメガ対ハングマン・ペイジ。
正直言えば内紛している者同士であればケニー対コーディが妥当という気もしますがその一戦はROHのPPVで行っていたりする関係でここでは温存した形ですね。
とはいえこの年G1に初参戦するペイジの顔見世ともいえる試合ではありました。

この一戦に勝利したケニーではあったもののそれで内紛が終結する様子はないのがなんとも勝った甲斐がない試合だったんですが、ケニーにとっての転機はこの翌日に。
史上最多となるIWGPヘビー連続防衛12を達成したオカダが自ら唯一の引き分け防衛になったケニーを指名してIWGPへの挑戦が決定し、そのV13戦で見事勝利し、ケニーは念願のIWGP王者に。
正直言えばどんたく前には予想だにしない展開でしたが、ケニーの新日本参戦終盤のハイライトともいえる出来事ですね。

2017年

2017年のどんたくでも2度のスペシャルシングルマッチが開催されています。

(新日本プロレス公式サイトより引用)

一つは石井対ケニーの一戦。
この年の1.4でのオカダとのIWGP戦を経て一気に世界規模のスターへと変貌したケニーでしたが、その再起をかけたNJCではこの石井に敗北し、IWGPへの最短経路を妨害されています。
この両者はいずれも名勝負製造機・ベストバウトマシーンの名を関するだけにこの後もIWGP US王座決定戦などでも対戦しますがこの日も精魂尽き果てるような試合の果てにケニーがリベンジに成功しています。

ケニーはこの後、自ら名乗り出ることはしなかったですが、メインでファレを相手にベルトを防衛したオカダからの逆指名を受ける形でわずか半年での2度目のIWGPヘビー挑戦の機会を得ます。
こうして考えるとケニーは2年連続王者からの逆指名だったんだなぁ。
そして大阪城ホールで行われたのが伝説の、そして翌年の時間無制限三本勝負にもつながる60分時間切れ引き分けでした。

(新日本プロレス公式サイトより引用)

そしてもう一つ、大分で行われたレスリング豊の国でも棚橋対EVILのシングルがありました。
この両者もNJCの開幕戦で対決し、EVILの†ダークネス†毒霧からのEVILというウルトラCでEVILが大金星を奪っていました。
そのリベンジの危機が巡ってきたのがこのシングルで、SANADAやBUSHIの介入も田口ジャパンの助力で排除しての勝利。

この勝利を踏まえてメインでICを防衛した内藤に挑戦表明をしたわけですが、
そのころの内藤さんというとファンもドン引きしかねないほどのベルトの破壊行為で物議を醸していた時期かつLIJとしての支持率も極値の時期で棚橋がリングに表れて挑戦表明をした時も結構物騒な雰囲気になっていた気がしますね。
ちなみにこの後棚橋は負傷によってBOSJシリーズを欠場、なんとか優勝決定戦に姿を現して再び挑戦表明をし、大阪城ホールで内藤からICの奪取に成功しています。

2016

(新日本プロレス公式サイトより引用)

2016年のどんたくシリーズはまさしく新しい時代が始まった初回のシリーズ。
その前の4月両国で、NJC優勝という実績を引っさげてIWGPに挑戦した内藤が、奥の手ともいえるSANADAの介入も込みでオカダからベルトを奪取、念願の初戴冠を果たしています。
その歴史的シーンの立役者であり、今回どんたくでそのオカダと雌雄を決するSANADAの新日本初シングルがこの試合。
この両者の過去の試合についてはまた今度まとめるつもりですが、SANADAはそのポテンシャルを見せつけるもオカダの牙城は高く敗北。

対するオカダはこの結果を引っさげて、メインで石井を相手に激闘を繰り広げたうえでベルトを防衛した内藤にリマッチを申し込み、異様な雰囲気が立ち込める大阪城ホールでベルトを奪還するわけです。

(新日本プロレス公式サイトより引用)

そしてもう一つ上げるとするなら博多スターレーンで行われた棚橋対ファレの一戦。
本来この試合は熊本、レスリング火の国で行われるはずだったんですが熊本の震災の影響で直前になってこのスターレーン大会にIC王座戦も一緒に移された形。
この年の棚橋は2月に中邑の退団により空位になったIWGP ICの王座決定戦でケニーに敗戦し、そのリベンジを狙うところ。
そこをNJC一回戦でストップさせたファレとの再戦にここで挑んだわけです。

ジャイアントキリングはプロレスの醍醐味、それを自ら実証してメインでエルガンを相手に防衛したケニーに挑戦表明をしました。
でこの挑戦表明は一時的には却下されるも、その後どんたくの大会で「ラダーマッチであれば」という条件付きで受諾、しかしその後棚橋の腕の負傷もあって結果的に挑戦は取り消され、エルガンのリマッチが決まりました。

 

所感雑感

というわけでどんたくシリーズの謎?シングルマッチについてでした。
まぁ調べてみればその年前半のリベンジマッチばっかでそれほど謎?っていうのはないですね。
とはいえその後につながらない試合も多々あった(2016年の後藤対EVILの除霊マッチとか)わけで、それこそ本当の謎シングルの可能性が。
まぁいずれにしても、NJC→4月のビッグマッチという流れが一段落し、次期シリーズがジュニアメインのBOSJで、それを挟んで年間最大級のビッグマッチたる大阪城ホール大会なので、ここでシングルマッチで印象付けて挑戦表明をする、というのが2016年以降の傾向なのは確かみたいです(2015年にはそういう類のシングルマッチもなかったですし)。

で、結果として今年は5つもスペシャルシングルがあるわけですが、どれがどうなるかを考えながら見ても面白いんじゃないでしょうか。
個人的にはIWGPの勝者と石井EVILの勝者と後藤ジェイの勝者の3人で3WAYやっちまっても面白いんでは・・・とか考えてます、さすがにそれはなさそうだけど。

きょうはこれまで、それでは