年も明けて1月4日、日本、特に東京は怒涛の興行ラッシュが始まろうとしてます。
まぁ厳密には元旦から各団体の各興行が続々と始まっているんですけど、この土日の興行の密集具合は段違いなので「遂に始まった」感もあったり。
さて先日は2019年の国内各プロレス団体の興行成績について報告しましたが、今回は日本国内で活躍したレスラーについて各種数値で調べていこうと思います。
- 集計したもの
- 総選手数推移
- 新規選手数推移
- 各団体試合数&選手数
- 出場団体数
- 総試合数
- シングルマッチ数
- メインイベント数
- タイトルマッチ数
- 総勝利数
- シングルマッチ勝利数
- メインイベント勝利数
- タイトルマッチ勝利数
- 総試合時間
- 平均試合時間
- 総シングルマッチ時間
- 平均シングルマッチ時間
- 所感雑感
集計したもの
今回も海外プロレスデータベースのCagematchから、2019年に日本国内で行われた全プロレス興行・全試合についてWebスクレイピングを用いて集計しました。
繰り返しになりますが海外ファンによるデータベースのため、データに抜けや誤りもあると思うのであくまで参考までに止めていただけると幸いです。
総選手数推移
まず初めに日本国内で試合をした選手数の推移について、参考として男子選手を青色、女子選手をオレンジ色で示したものが上の図。
2019年は男子選手790名、女子選手262名、合計1052名のプロレスラーが登場したようです。
総選手数・男子・女子選手数ともに2017年以降からあまり変化はなくほぼ横ばいという感じですね。
男女の割合に関しても、2012年から2015年にかけて男子選手の割合が減少したものの、2015年以降はおおよそ男子:女子=3:1の比率を維持しています。
新規選手数推移
また「前年と比較して何人新たな選手が参戦したのか」も調べてみたのがこちら。
この中には「一昨年まで参戦していたが昨年はです、今年は出場」といった選手も含まれるのでこれも参考までにお願いします。
2019年に新たに参戦した選手は207名で全体の19%に相当します。
これまでの推移を見るに平均的な人数という感じでことさらに新しい選手が多く出てきた、という感じではなかったようです。
各団体試合数&選手数
参考として各団体の総試合数と出場選手数のトップ10を紹介しますが、国内団体で総試合数が1000試合を子会えているのは新日本プロレス、DDT、ドラゴンゲートの3団体のみでした。
DDTと新日本に関しては右に示した出場選手数もトップ10に入っているので、試合数相応の選手数を出しているとも考えられるのですが、ドラゴンゲートは試合数の多さに対してかなり出場選手数が少ないといえ、上位10団体には入らない85人の選手が登場したようです。
この出場選手数に関してはいわゆるゲスト選手も含んでいるため、他団体との交流が乏しい「鎖国」状態の団体ほど小さくなりがちで、2019年鎖国体制を掲げたノアも69選手とかなりの少人数で2019年を駆け抜けました。
一方で参考として入れたフリーランス、所謂団体でない特別興行の試合数は470試合に対して出場選手数は521人と出場選手数が試合数を上回る結果になっていますけど色んな興行の集合なので致し方ないとも言えます。
以降では集計データから各種数値についての上位10名の選手についてランキング形式で紹介していきます。
出場団体数
まず出場団体数のトップ10については現在フリーで活躍中の大和ヒロシ選手*1が21団体出場でトップとなりました。
かつては全日本、W-1で活躍し、長期欠場する時期もあったと聞きますが、2018年初めにフリー転向し、今年に入ってかなり精力的に活動していたようです。
20団体の大台に乗ったのは大和選手のみですが、それに次ぐのは現在プロレスリングBASARA所属で僧侶の資格も持っているという異色のレスラー阿部史典選手*2、現在2AW及びアイスリボンを主戦場としている進垣リナ選手*3などが並びました。
進垣選手に関しては女子で最多という形ですかね。
総試合数
続いては2019年の総試合数のトップ10ですが、昨年と同じく上位はドラゴンゲート勢が占めていますね。
これに関しては上でも示したように、ドラゴンゲート特有の年間試合数に対する出場選手数の少なさから来ているとみられます。
その中でも頭一つ多かったのはNATURAL VIBESのリーダーでもあるKzy選手*4で182試合を戦い抜き堂々の1位。
昨年1位の望月選手が179試合だったんですが(今年でも170試合)、それをも上回る記録なので大忙しだったんでしょうね。
2位には先日ドリームゲートを戴冠した土井成樹選手*5、3位にはR・E・Dで暴れまわるビッグR清水選手*6がランクインしました。
【1/6追記】
1/4時点では上記のように報告していたんですけど、その後大和ヒロシ選手本人から下記のような指摘をもらいました。
昨年は“自称299試合”でしたが、
— 大和ヒロシ (@hirochiyo) 2020年1月5日
公式には170試合に満たない
試合数だったようですね!
逆に言うと、
100試合以上が非公式!
まさかそこまで
日の当たらない場所で
試合をしていたとは!(笑) https://t.co/bhVi7l6pFb
Cagematchデータ上だと167試合の起債があるんですが、ご本人の換算だとなんと299試合出場されたとのこと、差にして132試合!うそやろ?!
これに関してはCagematchもすべてのプロレス団体・興行を網羅しているわけではないため、そういった団体での試合が100試合以上あったとのことだと考えられます。
他にも「所謂マットプロレス(リングでなくマットを使った試合)は入っていないんじゃないか」という指摘もあったのでその可能性もありますね。
割とこれって集計・統計を行う上で重要な事実で「すべてのものを集計できているとは思わないほうが良い」ってことでもあります。
集計できているのはあくまでも一部の集団でそれを母集団として解析を行っている、というのがどんな集計解析でも起こりうることなのです(街角のアンケートだって日本国民全員にはとてもじゃないけどできないから数千人ぐらいでやってますし)。
それをどう改善するかも考えるべきではあるんでしょうけど、手間とかを考えた場合現状の手法が最善ではあると思うのでそこは理解していただけると幸いです。
とはいえ貴重な情報だったのでこのような訂正・指摘に関してはとてもありがたく受け止めますのでどんどんしていただけると助かります(追記終わり)
シングルマッチ数
続いてはシングルマッチ数のトップ10。
昨年はノアの若手である宮脇選手が1位になり、新日本限定のデータを見ても若手が上位になりやすい部門ではありますけど、そういった若手を押しのけてダントツの1位となったのは旧姓・広田さくら選手*7でなんと62試合のシングルを敢行。
今年キャリア24年目のベテランであることを考えるとニックネームの「世界最強の人妻」というのも頷ける・・・
2位となったのは2018年に2AWでデビューした若手の花見達也選手*8、先ほど参戦団体数でも3位に入った進垣リナ選手*9がここでも3位にランクイン、とやはり若手がシングルの機会は多いはずなんですよね、広田さんとは一体・・・
メインイベント数
続いてはメインイベントの登場数のトップ10。
この部門では全日本プロレスのエース、宮原健斗選手*10がメインイベント86回登場で満場一致の1位となりました。
宮原選手は2018年の10月から2020年の現段階まで三冠王座を保持していることもあり、必然的にメインイベントに登場する機会も多かったようですね。
それに次ぐのはR・E・Dでドラゴンゲートをひっかきまわし続けていた印象の強いEita選手*11とそのパートナーという印象も強いビッグR清水選手*12がそろってランクインしています。
ちょっとその他ランクイン選手を見ると、ノアだと清宮選手*13、DDTだと竹下選手*14、新日本だとオカダ選手*15と各団体の象徴的な選手、しかも若手な部類に入る選手がランクインしているのが印象深いですね。
タイトルマッチ数
続いてはタイトルマッチを行った回数のトップ10、これに関しては挑戦も防衛戦も、シングルもタッグ王座も区別なく集計しています(挑戦者決定戦などは除く)。
この1位となったのはDDTの大石真翔選手*16の23回、内訳をみるとアイアンマンヘビーメタル級王座の挑戦がかなり多いみたいですね、1日に何回も防衛戦?してるのはこの王座の強みというかなんというか。
その強みを生かした形で2位の平田一喜選手*17が22回で僅差の2位となっています。
うーん、まとめたのは私だけどこれはどうなのか、と思いつつ調べてみると関本大介選手*18はZERO1、全日本そして大日本と団体・タイトルを股にかけて年間21回のタイトルマッチを行い3位に入賞したよう。
うん、こういうのが何となく凄さの伝わる数値かな。
同率3位だったBASARAの代表である木高イサミ選手*19もBASARA、大日本DDTと股に掛けた活躍だったよう。
総勝利数
ここからは各種勝利数についてですが最初に、シングル・タッグなど関係なく勝利数のトップ10。
栄えある1位となったのはドリームゲート王者としてドラゴンゲートをけん引したBen-K選手*20で113勝。
新日本限定では首位となった鷹木信悟選手*21を抑えての1位というのは中々凄いんではなかろうか(そもそもの大会、試合数の違いはあるんだろうけど)。
3位となったのは試合数でも2位にランクインしていた土井選手、やはりドラゴンゲートのドリームゲート王者は勝利数がかなり多くなるんだろうか、逆に新日本では王者とか関係なく鷹木&内藤の勝利数の多い辺り団体の特色の違いですかね。
シングルマッチ勝利数
続いてはシングルマッチでの勝利数のトップ10。
1位となったのはPURE-J所属のLeon選手*22でシングル41戦中34勝の圧倒的勝ち越し。
申し訳ないんですけどあまり女子プロに造詣が深くないのでどういう感じの活躍だったのかは定かではないんですけど、1年中、月に数度のペースでシングルやって勝利して・・・っていうのは凄いな。
2位となったのタイトルマッチ数で3位タイにランクインしていた木高イサミ選手、3位には2017年にZERO1でデビューした岩崎永遠選手*23が入っています。
メインイベント勝利数
そしてメインイベントでの勝利数。
メインイベントの勝利数では同団体のヒールユニット二人に上回られたものの、メインでの勝利数ではドラゴンゲートのYAMATO選手*24が51勝で全体でも1位になりました。
YAMATO選手はそれこそ現ドラゴンゲートの象徴的選手だと記憶していますが、このランキングでYAMATO電手に次ぐのが全日本の宮原選手(49勝)、ノアの清宮選手(45勝)とそれぞれの団体のエース格な辺りこういった立ち位置の選手ほどメインでの勝利数が多いのかもしれません、逆にメインでの勝利数が多いからこそ「その団体の象徴」としてイメージされるのかもしれませんが。
タイトルマッチ勝利数
勝利数部門最後はタイトルマッチにおける勝利数ランキング。
その栄えある1位はスターダムの林下詩美選手*25でなんと16勝、タイトルマッチ自体19戦だったようなので驚きの勝率ですよ。
さらに驚くのはこの人2018年デビューという・・・なんか恐ろしい人材がいるんだなスターダム・・・
それに次ぐのが大日本のデスマッチファイター高橋匡哉選手*26と同じく大日本のマッスルモンスター関本大介選手の15回。
大日本に関しては横浜ショッピングストリート6人タッグもあるのでそれによってタイトルマッチ回数が多くなりがちかもしれません(関本選手はそれ以外にもタイトルマッチしまくってるけど)。
総試合時間
ここからは試合時間関連として、まず初めに総試合時間のトップ10を時:分:秒の表記で示しています。
当たり前と言えば当たり前ですが基本的に試合数が多ければ上位になるもの、ということで上位はかなりドラゴンゲート勢が占めていますが唯一9位のみ全日本の宮原選手がランクインしていますね。
それはさておき1位となったのはメインの勝利数でも1位になっていたドラゴンゲートのYAMATO選手で44時間15分49秒、ありていに言えばほぼ丸2日リング上に至って計算になりますね、恐ろしい・・・
2位になっているKzy選手には試合数では8試合程度遅れを取っていたはずなのですが、それを埋める辺り試合が長時間になる傾向がYAMATO選手にはあるかもしれませんね。
そして3位にはビッグR清水選手、傍から話を聞くとEita選手の陰に隠れがちな印象ですけどどうしてどうしていろんな部門で上位にランクインしてますね。
平均試合時間
続けて平均試合時間を分:秒で示したランキングを見てみます、ここではスポット参戦選手を除くために試合数が10試合以上の選手に限定しています。
1位となったのはノアのGHCヘビー級王者の清宮海斗選手(18分59秒)、それを追うのが今日まさに清宮選手に挑む潮崎豪選手*27(18分33秒)というのがちょっと面白かったりしますね。
他を見ても同じくノアの中嶋勝彦選手*28、丸藤正道選手*29とノアの選手が合計4人もランクインしている辺り、ノアの試合時間は長い傾向にあるかもしれません。
3位になったのはDDTの竹下幸之介選手となりました。
総シングルマッチ時間
続いては総シングルマッチ時間のランキングですが、
ここで1位となったのはシングルマッチ数部門で若手を押しのけて1位に輝いた旧姓・広田さくら選手で10時間超の大台を超えました。
2位となったのはBASARAの棟梁木高イサミ選手、そして3位にはウィル・オスプレイ選手となっています。
ちなみに新日本の全試合データ*30だとオスプレイは11時間になっていますけど今回に関しては「日本国内」に限定しているのでこういう結果になっています、悪しからず。
いや本当に世界最強の人妻やで・・・
平均シングルマッチ時間
これが最後になりますが、最後は平均シングルマッチ時間のトップ10、ここでもスポット参戦を除くためにシングルマッチ5試合以上の選手に限定しています。
その結果1位となったのはノアの清宮海斗選手、2位には新日本のオカダ・カズチカ選手、3位には全日本の宮原健斗選手とキレイにいわゆる3大メジャーの3王者が並ぶ形になったのはなんか妙な興奮を覚えます。
他のトップ10を見てもこの3団体から排出されている通り、シングルマッチ一戦一戦のボリュームに関しては他団体の追随を許していない・・・かも知れません。
所感雑感
というわけで2019年の日本のプロレスラーについて、主にランキング形式でしたが振り返りでした。
いつもなら「簡単に」というとこですけど、帰京のタイミングとかぶさって全然簡単じゃなかったですわ・・・分量も分量だし。
しかし今回はいろんな数値で調べたおかげもあっていろんな選手の名前が出てきたのでちょっと面白かったですね。
時間ができたらこの選手ごとのデータについてさらに解析したいところです、1月半ばぐらいになりそうですけど。
きょうはこれまで、それでは
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