プロレス統計

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各種数値で見るNEW JAPAN CUP2019、2回戦まで

新日本プロレスにおいてはオフと見せかけて新卒説明会を後楽園で行っていたりしてました。
とはいえよく考えると新日本の社員はリング上ではなくバックステージで四苦八苦の右往左往するから試合みせても仕事内容全然関係ないんじゃ・・・とも思ったりしますけど、最終的な製品をみせて「これを作る職場です!」と宣伝するのが説明会ですしね、まぁいいのか。

そんなリング上では先日の後楽園2連戦でNJCの2回戦も終了し、残るは静岡2連戦で3回戦、そして長岡2連戦で準決勝決勝をもって史上最大トーナメントも幕を閉じることに、いやぁ長かったような短かったような。
というわけで今回も、1回戦終了時と同じく2回戦終了時点での各種数値を見ていこうと思います。

 

トーナメント表

(新日本プロレス公式サイトより引用)

現時点でのトーナメント表はこんな感じ。
1回戦でもチェーズの大金星によって大幅に予想を外した感もありましたけど、2回戦はさらに決勝進出どころか優勝候補大本命だった飯伏が敗退するという展開もあってさらにこの結果を予想できた人が減ったんでは・・・という感じに。
まぁ後になってみれば飯伏とザックについては戦績も五分で、お互いコンディションも良くて、で接戦になってもおかしくなかったんですけどそこを「これは飯伏が勝つに違いない、これマジ」と思いこんじゃうのはプロレスの特異なところでもあったりします。
しかし結果として、左側のブロックは1回戦突破者の中では比較的順当に選手が勝ち上がってきた一方で、右側は決勝進出予想のトップ2(内藤飯伏)が脱落してしまう感じになって、まぁ「大波乱のNJC」と表現しても過言ではない感じに。

各平均値変化

平均年齢   36.9→36.5→34.6歳 (-1.9)
平均キャリア 15.7→16→14.5年 (-1.5)
平均身長   184→183.3→182.1㎝ (-1.2)
平均体重   105.5→100.0→98.4㎏ (-1.6㎏)

各数値について全エントリー選手(32名)→1回戦突破(16名)→2回戦突破(8名)で推移を見てみるとこんな感じ。
いずれの数値も減少を見せており、より若く、よりキャリアが浅く、より小型の選手へと絞られて行っているかんじですね。
特に体重についてはついにヘビー級リミットを下回る98.4㎏が平均となり、エントリー選手平均から7.1㎏もの減少になりました。
内訳を見てみると勝ち残っているいわゆるヘビー級選手も100㎏台前半がほとんど(100㎏台後半はオカダとカバナのみ)で、そこに体重80㎏台のオスプレイとザックがいるので100㎏割れになるのも道理か。
これは転じて、新日本の主力級選手の小型化を示すデータでもあるかもしれません。

各ユニット突破率

本隊      12→2→1人 (8%)
CHAOS     7→6→4人 (57%)
LIJ        3→1→1人 (33%)
BULLET CLUB  3→1→0人 (0%)
鈴木軍     5→4→1人 (20%)
フリーランス  2→2→1人 (50%)

各ユニットのエントリー数→1回戦突破数→2回戦突破数の推移はこちら。
単純に減少数でいうと一番多かったのはランスタイチみのるが脱落した鈴木軍の3人、続いて元々多く勝ち残っていたCHAOSのマイキー矢野の2人。
そして現在の勝ち残り率を見てみると、BULLET CLUBは最後の希望であるオーエンズが破れたことで最初の全滅ユニットに(まぁリーダーのジェイがMSGメインに立つから良いんだろうけど)
そして左側の勝ち残り全員を占めているCHAOSを除いて、残りのフリーランスを含めたユニットはそれぞれ1名ずつが勝ち残りという形。
結果的に決勝がCHAOSの代表者vsその他ユニット代表者の中での勝利者って構図になっちゃってますね。

日本人 20→10→5人 (25%)
外国人 12→6→3人  (25%)

で、日本人と外国人選手の勝ち残り状況についてはこのようになっており、1→2回戦と同じく2→3回戦でもそれぞれの人数がちょうど半分になっています。
じゃあこの次でもそれぞれ半分になって2.5人と1.5人に・・・とはならないので次はこのバランスも崩れそうではあります。

3回戦過去対戦歴

3回戦となる4試合の中で、初対戦となるのはSANADA対カバナのみ。
実際矢野と異様にかみ合った試合を見せたカバナと、G1で矢野を逆に翻弄して勝利して見せたSANADAの対決、ってあたり実はかなり楽しみだったりします。

石井 2-0 吉橋

(新日本プロレス公式サイトより引用)

CHAOS同門対決になる吉橋対石井、最近のファン的にはおととしG1での一戦が記憶に新しいと思いますが、実は吉橋の凱旋帰国直後の2012年の11月にNEVER無差別級の初代王座を決めるトーナメントで対戦があったりします。
いずれにしても吉橋を叩き潰した石井、その雪辱を果たすべく前哨戦で気合をはいている吉橋は果たして準決勝にコマを進められるのか。

オカダ 2-0 オスプレイ

(新日本プロレス公式サイトより引用)

CHAOS同門対決その2となるオカダ対オスプレイは昨年の旗揚げ記念日でIWGP王者対決として旗揚げ記念日に争ったことで覚えている人も多いんではないでしょうか。
その時に散々まとめてきたことでもありますが、元々両者は2015年にイギリス・RPWのリング上でシングル対戦、そこで新鋭オスプレイの実力に目を付けたオカダが、大物退団に揺れる2016年に招き入れたのがオスプレイ、ということになってます。
2015年の対戦はさておき、2018年の対戦はかつて橋本真也と獣神サンダーライガーの間で行われたIWGP王者対決を訪彷彿とさせる試合になり、オスプレイがオカダを完全なパワーボムでたたきつける部分もあったりでかなり肉薄した印象が。
惜しくも敗れてしまったあの頃との違いは、その後の”無差別級”転向を機にヘビー級との対戦が増えた、どころかスーパーヘビー級を相手に勝利を収めてきたところにあり、その経験値と勢いはけして侮れないものをもっているでしょう。

棚橋 1-2 ザック

(新日本プロレス公式サイトより引用)

NJCという大会と関連しても記憶に新しいのはこの棚橋対ザック、まさに去年のNJCの決勝のカードでもあります。
その際はご存知の通りザックが勝利、それ以前にも2度対戦がありますが、最初はザックの初G1でザックが勝利し、その後粉われたリターンマッチでは棚橋がリベンジを果たしています。

 

所感雑感

というわけでNJC2回戦までの各数値でした。
 NJCにしてもG1にしても、あまりアメリカとかでは類を見ない(ここまでメインストーリーとして取り上げられない)トーナメント・リーグ戦形式の大会ですけど、この特徴の一つとして「新たなスターを生み出せる場である」と考えているんですよね。
もちろん「優勝したら即問答無用のトップか」といわれるとそうでもないんですけど、少なくとも日本人の観客の見る目が変わる、見る目が変われば彼らの立ち居振る舞いも変わる、そういった変化の雪崩反応の第1段階とも考えられるんですよね。
典型例でいうと2016年の内藤さんやケニーなんかはそうですし。
転じて、「新たなものを生み出す」ということは「旧来のものを損ないかねない」ということでもあって、それはほかの選手が割を食うということでもあり「なんでそいつを贔屓にするんだ」というファンからの要らぬ反感を買うことにもなる。
そういったリスクを背負ってでも新たなものを生み出す、というのはこれまでも団体を問わず見られてきたことですし、それをうまくこなすことが成長の秘訣でもあると考えています。
だからこそ、今回の「生みの場」において新日本が計略をもってそのリスクを乗り越えることを祈っています。
その結果は、その時点で「正しい」とか「間違っている」とかの判断を下せるものではなく、数か月数年後のスケールで判断を下すべきでしょうけど。
そのためにもいろいろと注視していきたいとは考えています。

きょうはこれまで、それでは