プロレス統計

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各種数値で振り返るWORLD TAG LEAGUE

 さてつい先日ようやくの参戦メンバー発表となったWorld Tang League、まぁメンバーとしては実際のところ、吉田海野組とかいうフレッシュなチームのエントリーなんかはりますけど、去年みたいな「え、何それは…?」というチームは無かったですね。

というよりも何よりも個人的にたまげたのはそのリーグ戦の形式、まさかの14チームによる総当たり1リーグ
前年までの2リーグ制を取っていた場合は各ブロック21公式戦ずつ、前42公式戦+優勝決定戦の43試合で済んでいたものが、
今回は全91公式戦+優勝決定戦の92試合でゆうに2倍になっちゃうんですよね。
それでいて、後述しますが、大会日程は前年よりも大会数も日数も減少しているのでこれまでの比でない過密スケジュールになることが予想されます。

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というか各解析に先んじて各チームがどこで公式戦があり、どこで休みがあるのかを調べたんですが、調べて驚愕したのが上の画像。
1と入力して赤く色分けしているのが各チーム公式戦のある大会を示していますが、公式戦オフ(前哨戦アリ)なのは開幕~11/24の埼玉まで、その後は全チーム毎大会での公式戦を決行。
まぁこの日程で全91公式戦を消化するならこれくらいの過密日程は想定内、にしても異様なのはこの公式戦オフを全体にバラけさせるのではなく前半に固めてしまっている点。
勿論シリーズ初めは体が慣れていないなんて言うこともあってより慎重にするべきともいえますが、後半も後半で疲れがたまって怪我が怖い時期。

まぁ何が言いたいかというと「これどう考えてもシリーズ日程とリーグ戦の形式が全くかみ合ってない」んですよ。
これはもう邪推になりますけど、会場を抑えるスケジュールなどについてはもう半年とか1年とかそれぐらい前から抑えているんでしょうけど、会場を「大体いつものペースで公式戦を消化するにはこのくらいだろう」と抑えた後に、何かしらの都合で1リーグ制に変更された、という感じがするんです。
その結果がこの歪な過密日程、リング上に関してはああだこうだ言いつつこういうスケジュールに関してはなんだかんだ言いつつ堅実にやっていた新日本が何故…とここ数日考え悩んでいる次第です。

まぁ前置きが長くなりましたが、今回は色々数字を振り返ったうえで、なぜこうした改変が行われたのかについて考えたいと思います、いやまぁ数字を調べても答えは分からんかったんですが、これを機にまとめです。

 

大会数・大会日数推移

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まず初めにWTLが始まった2012年からの大会数及び大会日数の推移について。
2012年の改名から2017年まで、2014年に日程の見直しが測られたのか大会日数はそのまま大会数を減らしてオフ日を増やしたりした時以外は基本的には大会数・大会日数共に増加を続けてきました。
それが今年のWTLでは大会数が3大会減、そして大会日数も初めて1日減少しました。

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ちなみにこの大会数についてNEW JAPAN CUP、G1 CLIMAX、BOSJといった他のリーグ・トーナメントと比較すると上の図のようになるんですが、
G1とBOSJは2015,2016年移行頭打ち、NJCも2016年以降は増加しているんですが、結果としてWTLのみ大会数の減少が起きているんですよね。
それは言わずもがなリーグ戦自体の規模縮小を意味しています。
なのに公式戦数が増えてるっていうのは不思議ですけど、例えば報酬の面でいうと公式戦とその他の試合でどの程度違うのかは分からないですが、大会数の減少によって全体の報酬(支出)減を狙っているということは考えられるかなぁって感じですね。
いずれにしろ他のリーグ戦なんかとは全く違う傾向がWTLに現れているわけです。

年齢分布推移

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続いてリーグ戦に参加したメンバーの平均年齢、最高齢及び最年少(チーム、個人)についてまとめたものがこちら。
平均年齢については2018年は36.5歳で前年と比較して半年分ほど上昇していますがこうしてみると大きな変化はなし。
一方で最高齢と最年少については個人・チームともに幅を広げる結果になってます。
最高齢に関しては第三世代をはじめとしたベテランチームが引き続き参戦していることもあるんでしょうけど、最年少についてはヤングライオンチームである吉田海野組もありますからチーム年齢で4歳減少しています。

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これってもしや・・・とおもって各年の年齢分布のヒストグラムを取ってみるとこうなっていて2012~2015年までは30代を中心として対称な分布をしていたのが2016年以降二極化が始まっています。
特に2017年からは11月の時点で東京ドームでの対戦カードが決まっている選手の参戦が見送られるようになったのでその傾向がよりはっきりした感じですね。
言ってみればベテランと若手ばかりのリーグ戦、ということですかね

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比較として同時期のG1も比較してみるとこんな感じで当たり前ながら2極化は起きてはいません。
BOSJなんかとも比較はしたいんですけどそれはまた後日。

動員推移比較

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そしてこちらは各リーグ・トーナメント戦の各年の総動員の推移を見てみたもの。
G1が桁違いに多いということを除いてもWTLはその他2つと比較しても総動員数が多いんですよね。
と、この数字だけを見ると「一年で二番目の稼ぎ時シリーズ」という見方もできるわけですけど、そうすると最初に述べたようなシリーズの規模縮小をする理由はない様に思えます。
しかしここで別のデータを参照するとまた違うものが見えてきます。

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続いて一大会当たりの平均動員を表示したもの、そうすると順位がいくつか入れ替わり、G1に次ぐのは春のNEWJAPAN CUPになり、BOSJ及びWTLは同等とはいえわずかにWTLの方が多くなっています。
ここまでの二つのデータはこれまでも何度か紹介してきたデータだと思いますが、これだけだとBOSJが現状維持の大会規模に対してWTLが規模縮小・大会制度改革に踏み切った理由にはならない、と思ってさらに新たに解析してみました。

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それは上記数値をリーグ・トーナメントに参加した人数で割った一大会・一選手辺りの観客動員です。
言ってみれば、たとえ同じ1000人の動員を記録した大会でも参加した選手が10人と20人では、その他の出費などもあるでしょうけど、費用対効果は前者の方が高い、つまりより利益が出ていると考えられます。
そう、ここで紹介しているほか3リーグ・トーナメントとWTLの大きな違いはタッグゆえに参戦人数がそもそも多く、それによる費用も嵩むということ。

そこで集計した結果を見るとさらに順位が変動し、G1、NJC、BOSJそしてWTLという順になり、一大会当たり・一(公式戦参加)選手辺りの動員数はBOSJの半分NJCの三分の一、そしてG1の四分の一とかない少ない数値になっています。
しかもその2016-2017年の間の伸び率も最も小さいんですよね(BOSJ:+6、G1:+16、NJC:+41、WTL:+2)。

2017年というとG1はさておきBOSJではヒロムの登場&初参戦NJCは待望の柴田の優勝、ここには含まれませんがSUPER Jr. Tag Tournamentでは生え抜き六本木3Kが優勝とある意味でテコ入れじみたことが行われたんですよね。
その結果もあってか2018年もBOSJ、G1、NJCはそれぞれ平均動員を伸ばし、SJTTはタッグリーグへと格上げを果たしました。

で、WTLはというと昨年はLIJのSANADA EVIL組が優勝と他のリーグ・トーナメントと同様の「若い選手の台頭」という形でのテコ入れがあった訳です。
それにもかかわらず結果として伸び率は小さかった
もしかするとそれがこんかいの規模縮小・制度改革の理由なんではないですかね。

予想しうる改革の意図・効果

これを踏まえた一大改革、もちろん目的はこの平均動員を増加させるためなわけです。
で、大会日程は他のシリーズとの兼ね合いもありそう大きな変革ができなかったわけですが、おそらく何か目玉となるような注目のチームの参戦などもできなかった、と見るべきでしょう(そういうお台所事情は察するしかないですが)
日程はそのまま、メンバーも据え置き、といった状態で取られたのが1リーグ制の採用とそれによる一大会当たりの公式戦数の増加だった、と見えます。

前年度の試合結果を参照すると各大会の公式戦数は2試合のみ、さらにメインはWTLとは関係ないタッグマッチ、確かに「公式戦数を絞りすぎ」という様な声もあったとは思います。
それに対して今年は前半戦は半分が公式戦、後半に至っては各大会において全9試合中8試合が公式戦となりました。
WTLと銘打つだけにその公式戦の数を増やすことで見どころを増やす、というのが目論みなのではないかな、というのがこの数日考えて推測する新日本プロレスの目論みなのではないかなと思います。

正直言うと、ここ最近の新日本プロレスのリーグ・トーナメントの傾向としては各大会の公式戦数を減らし、大会数を増やすことで増益を図っていました、G1の各ブロック交互の公式戦開催なんかはその典型ですね。
言ってみればこれまでWTLもそれに準じて大会数を増やしていたわけですが、これまでの手法では動員がなかなか増えないのを鑑みてその真逆の方策に出た、というわけですね。

まぁこれが果たしてどれほど効果的なのか、については結果を見るまで分からないですが、如何せん発表になったのはリーグ戦開幕まで1週間弱のタイミング、この期間がどう影響するか…

 

所感雑感

というわけでいつもの各数値まとめの形式ではないですけどWORLD TAG LEAGUEについてまとめでした。
いや本当はいつも通りに過去対戦とかまとめようかと思ったんですけど全91公式戦の過去対戦はしんどさしかないので無理。
まぁなんにしても1リーグ制というところに大いにたまげてしまったのでそれを中心にせざるを得ないぐらい嗜好を占領されたんですよ。
いやぁ・・・なんでこういう感じにしてしまったのか、公式見解は無理にしても海外メディアから裏情報でもいいから知りたいなぁ。
まぁ考えうる理由は上のくらいしか思いつかなかったので何か別の理由を思いついた方がいらっしゃったらコメントよろしくお願いします。

まぁタッグについては今年ヤングバックスが絡んだ結果、BULLET CLUBの御家騒動に大いに巻き込まれちゃった関係もあってなんとも影が薄くなってしまった感じがしますけど、果たして今年はどうなるやら・・・

きょうはこれまで、それでは

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