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各種数値で振り返る2019年の新日本プロレスの4大リーグ戦

先日のWORLD TAG LEAGUE広島大会をもって新日本プロレスの2019年内の興行はRoad to WRESTLE KINGDOMの後楽園大会三連戦を残すのみとなりました。
こうなってくると一気に年の瀬感が湧くのが新日本プロレスファンの性ですが、そんな感慨と共に、今回は先日閉幕したWORLD TAG LEAGUEを含む4つのリーグ戦について各種数値を振り返っていきたいと思います。

去年も同様の解析をしていたようなのでご参考までに

 

集計したもの

今回はスクレイピングを用いて、新日本プロレス公式サイトの試合結果ページより、NEW JAPAN CUP(NJC)、BEST OF THE SUPER JR.(BOSJ)、G1 CLIMAX(G1)、WORLD TAG LEAGUE(WTL)の動員・大会数などの数値を集計しました。

2019年の大会数・総動員・平均動員

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まず初めに2019年の4リーグ戦の大会数(Event#)、総動員(Total attend.)、平均動員(Average attend.)のまとめが上の図になります。
   NJCは全12大会、総動員3万722人、 平均動員2560人
BOSJは全15大会、総動員2万7898人、平均動員1859人
     G1は全19大会、総動員9万7191人、平均動員5115人
  WTLは全17大会、総動員3万2477人、平均動員1910人
となりました。

ほぼ毎年のことですが、G1は大会数でも動員でも最大規模のものとなる年間最大のシリーズとなっていることがここからもわかりますね。
それに次ぐ平均動員となったのが今年過去最大規模で開催されたNJC、大会数はもっと少ない12大会でマジソン・スクエア・ガーデン大会に向けた短期集中シリーズなことがうかがえます。
一方総動員と大会数で次ぐ結果になったのはWTLではありましたが、平均動員に関してはBOSJとあまり変化がない1900人前後となりました。

今年のBOSJに関してはやはり最終戦が大規模会場である両国になったことが大きな要素であり、それによって大きく動員面で成績を伸ばした節もあります。
BOSJ優勝決定戦の動員は7650人であり、それを除いた14大会の平均動員は1446人となっており、より小規模会場が中心の開催だったことが分かります。
ちなみにWTLも最終戦を除いた平均動員は1755人でした。

平日・週末比較

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また今年の4つのリーグ戦について平日開催(W_Day)と週末開催(W_End)の大会数を比較してみると上の図のようになり、全大会数に対する割合を()内に%で示しています。
これを見るとNJC、G1に関してはほぼ50:50でほぼ同数大会を開催しているのに対して、WTLは6:4で平日が多く、BOSJに至っては8:2とほとんどが平日開催になっています。
BOSJに関しては優勝決定戦も平日の開催であり、それが動員面に影響した可能性は否めません

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そこで、平日と週末で平均動員を比較してみたものがこちら、今度は全体平均に対する増減を%で示しています。
これを見ると、平日に最多動員となった優勝決定戦が行われたBOSJを除いて平日は10~20%の減少、週末には10~30%の増加がみられます。
これを見るにこれらのリーグ戦に関しては、週末の大会ほど動員に良い影響を与えることがうかがえ、いかに週末の大会を増やすのかが動員増加に関して重要であるとも考えられます。

一方でその差による動員への影響を見てみるとNJCが50%、BOSJは38%、WTLは51%と大きく平均値が変動しているのに対し、G1は22%と変動が比較的小さく、
7月~8月という夏休みなどが取られる時期もあって平日・休日の影響が小さく抑えられているということがうかがえます。
そういう意味でこの時期は集中的なリーグ戦を行うのに適した時期であるとも言えますね、昔は夏が閑散期だったなんてのは信じられん。

大会数推移

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それではここからは2012年以降の各種数値の推移を見ていきます、最初は各シリーズの大会数。
大会数でいうと最も多いのはG1で19大会なんですが、WTLは2017年に大会数でならんだもののそれ以降は減少傾向にあるようですね。
その後は1リーグ制導入などで公式戦数が増加したこともあり、公式戦密度を高める方向へ舵を切ったようですが、逆に言えば興行的には規模縮小していっているとも言えます。
一方でNJCとBOSJは大会数がわずかながら増加傾向、興行的規模を拡大しつつある感じですかね。
とはいえBOSJに関しては現在の15大会が陣容的に限界なのか頭打ちにも見えます。

総動員推移

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続いては総動員の推移。
こうしてみてみるとG1の動員は元々多かったうえに近年どんどんと伸びていっている(しかも大会数据え置きで)というのは凄いというか「そりゃ会社としてもヘビー級シングル偏重になるよな」という感じもします。
その他シリーズに関してはG1と比較するとほぼ似たような感じではありますが徐々に増加傾向にあった、んですが2019年はWTLシリーズは総動員が減少し、そこまで多少差があったNJC及びBOSJとほぼ同じ総動員になっているのが分かります。

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その変化を見るために各年の総動員について「前年と比較して何%増加・減少したのか?」を棒グラフで示したのがこちら。
この図を見てみるとわかるように、2017年以降どのシリーズも量はさておき総動員が増加していたんですが、2019年のWTLのみ前年比-6%と減少してしまいました。
これに関しては総動員だけでは、大会数の減少も関係があるのかもしれないので判別がつきませんが、結果的には2014年以来5年ぶりのマイナス成長となってしまった感じですね。
一方でNJCは+34%、BOSJも+28%と大幅成長しており、それぞれ大会構造が大きく変わったことが+に働いているとも考えられます。

平均動員推移

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続いて平均動員の推移となります。
こちらでもG1が頭一つ抜けていてそれに次ぐのがNJCだったんですが、これまでわずかながらWTL>BOSJという関係性だったのが、2019年にはその差がほぼ同じ程度に縮まっています。
上述の通りこれに関してはBOSJ優勝決定戦の両国大会の存在が大きく影響しているため、BOSJの平均動員が大きく増えているんですが、それに対してWTLが平均動員が減少に転じたため、差が縮まったようです。

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平均動員の変化の前年度比がこちらですが、WTLの平均動員は総動員と同じく-1%のマイナス成長に。
WTL開催前には「昨年の平均動員+19%の増加を受けてさらに動員を伸ばすべく1リーグ制継続に踏み切ったのでは」と予想しましたけど結果としてさらなる増加はできず、むしろマイナス成長となる結果に。
総動員及び平均動員が減少だったのを見るに来年はまた別の方策を講じたほうが良いかもしれません、動員減の理由が何なのかを突き止めるのが先ではありますが。
一方でBOSJも昨年のWTLと同じく19%の大幅増加、なんですが最終戦両国を除いた平均動員は1446人で2018年の平均1556人からは-7%の減少ではあるんですよね。
来年以降も同様に両国国技館での決勝開催ができればこれを維持できそうではある一方で、両国が今年限りの開催であると来年は減少に転じるかもしれません。

 

所感雑感

ということで新日本プロレスの4大リーグ戦について各種数値でした。
簡単にまとめをするとG1は好調を維持NJCは32人制トーナメントで現状維持のまま規模拡大成功BOSJは決勝戦両国開催で大幅好転(その他大会についてはちょっと・・・)、WTLは昨年からの施策は成功したとはいえず、って感じですかね。
こうしてみると今年特別な施策をしたリーグ戦はその効果が出たという感じもあり、そういう新しい施策が重要なのかなぁと。

いずれにしてもWTLに関してはなにかしらの改革が必要な感じはします。
よく言われるところであれば既にドームのカードが決定している各IWGP王者のエントリーとかがあるんですけど興行的な改善点となるとお手軽なのはあんまり思いつかんですね(時期をずらすとなると他のシリーズとの兼ね合いもあるし)。
他団体の話でいうとドラゴンゲートなんかは思い切って?タッグリーグを廃止したりもしてるんでそういう方向性もあるのかなぁとも思ったりはしていますが。
とはいえどういう方向性になるのかは1年後に明らかになること、なので気にしつつ待ちたいと思います。

きょうはこれまで、それでは