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オカダ・ヒロム・ジェイで振り返る新日本流”エース”育成法

さて今回は一つ思いついたことがあったのでまとめなんですが、昨今の新日本プロレスでは毎年のようにヤングライオンがデビューし、海外遠征に出発し、そして凱旋帰国しては新日本プロレスの本戦に参画しています。
自分が観戦し始めた2012年以降に限るとオカダ、YOSHI-HASHI、ファレ、EVIL、ヒロム、SHOにYOH、そしてジェイといった具合にかつてのヤングライオンたちが名前を変えて戻ってきてます。
その活躍度合いにはまぁバラつきがあるのはもちろんのこと、その実その凱旋の仕方にしたって二つのグループに分けることができます。

それは”1.4凱旋組”とそれ以外。
”1.4凱旋組”はオカダ、YOSHI-HASHI、ヒロム(年末に試合してたけどコスチューム着ての正式凱旋は1.4ということで)そしてジェイって感じでしょうか。
その内、同日凱旋だったオカダの踏み台になってしまったYOSHI-HASHIを除いた3人については凱旋とその後1年のキャリアについて共通項があり、この”1.4凱旋”自体がその後のトップ選手としての第1のステップなんでは?という気がするのでちょっとまとめです。

 

1.1.4東京ドームで凱旋し、シングルマッチを飾る

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(新日本プロレス公式サイトより引用)

”1.4凱旋組”と名付けたようにそもそも1.4東京ドームで凱旋試合を飾るのは共通項なんですが、3人ともシングルマッチでの凱旋を果たしている共通項があります。

オカダ:吉橋とW凱旋試合、IWGPへの挑戦表明
ヒロム:KUSHIDAの持つIWGPJrに挑戦、奪取
ジェイ:棚橋とIWGP IC戦敗北

上記のようにタイトルマッチor非タイトルマッチ、勝利or敗北という具合にタイトルの有無及び勝敗はそれぞれバラバラですがいずれもシングルマッチを行っています。
新日本プロレスにおいては特に顕著な傾向として、シングルマッチの方がタッグマッチ寄りも注目を浴びる傾向があるのですが、
年に1度最大級のビッグマッチである東京ドームでは、近年は特に本戦に出場するのも一苦労で、さらにタイトルマッチ、そしてシングルマッチとなるとさらに狭き門となるわけです。

そういった状況の中で凱旋一発目、いって見れば新日本での実績も何もない状態にもかかわらずシングルマッチを任されるというのは大きな期待の表れでもあるわけです。

2.凱旋間もなくのタイトル奪取

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(新日本プロレス公式サイトより引用)

プロレスにおけるわかりやすい成功の象徴であるタイトル、”1.4凱旋組”はいずれも凱旋からごく短い間にそのベルトの獲得をしています

オカダ:棚橋からIWGP奪取(2月)
ヒロム:KUSHIDAからIWGPJr.奪取(1月)
ジェイ:ケニーからUS王座奪取(1月末)

こうしてタイトルを奪った相手を見てもとてもぽっと出の王者ではなく、確固たる防衛ロードを築いている王者ばかりで、それを破ることでその実力を知らしめる役割を果たしているとは思います。
このタイトル奪取については凱旋からごく短い期間、遅くとも凱旋した1.4の次のビッグマッチで奪取することで凱旋の勢いを維持しての奪取という印象をつけているのもあります。

3.新王者の防衛ロード

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(新日本プロレス公式サイトより引用)

その後各人ともに短命政権に終わることなく複数回の防衛を重ねます。

オカダ:内藤、後藤に防衛
ヒロム:ドラゴン・リー、田口、KUSHIDA、リコシェに防衛
ジェイ:ペイジ、フィンレー、マルティネスに防衛

オカダ、ヒロムのIWGPに関してはいずれもそれまでのタイトル戦線に名を連ねたことのある実力者が挑戦しており、そういった実力の知れた選手と対戦を重ねることでこれまでのメンバーとの力量の比較がなされる部分はあるのかな、という感じですね。
一方でジェイに関してはUS王座自体が前年夏に設立されたものとあって初挑戦の選手が名を連ねたものの、ROHで挑戦したマルティネスを除けば、新日本でもなじみ深い外国人選手、それもジェイと同じく若い選手と対戦することで今後のライバル関係の構築に役立ったのかなぁと。

4.G1前の陥落

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(新日本プロレス公式サイトより引用)

そして新日本の上半期の総決算である6月の大阪、もしくはその後7月のアメリカ大会において、G1を前にして各人がベルトを陥落しています。

オカダ:棚橋相手に防衛失敗(6月)
ヒロム:KUSHIDA相手に防衛失敗(6月)
ジェイ:ジュース相手に防衛失敗(7月)

オカダとヒロムに関しては奪った相手のリマッチを受ける形での陥落、これによって凱旋後の新王者期間が一時終了し、元の王者に収まる形になります。
それによってまぁ言ってみれば「新王者のお試し期間」みたいなもんですよね、それを経たことで旧王者と比較して何が良かったか、何が悪かったかをファンも選手も比較できるという。

そういう意味でいうとこれまたジェイは異なっていて同じく新王者のジュースにベルトが渡ってます。
現状としてオカダやヒロムはその後IWGP戦線へ舞い戻っているもののジェイはUSから離れてIWGP戦線へ寄りつつあるのでそういったその後の道筋にも影響してるようですね。

5.ベルトに中々絡まない下半期

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(新日本プロレス公式サイトより引用)

こうして上半期はベルトをめぐる争いの中で存在感を増すわけですが、打って変わってG1以後はベルトから一歩離れた立場で活動をすることになります。

オカダ:G1で獲得したIWGP挑戦権利書を防衛
ヒロム:マイクができない
ジェイ:CHAOS裏切り、BULLET LUB加入を経てオカダとの抗争へ

とはいえヘビーのオカダとジェイはいずれもG1後に誕生するIWGP挑戦権利書に絡んだりはしますが、ジュニアのヒロムはG1に該当するBOSJがG1前にあるため中々浮上のきっかけを得られなかった感じがあります。
その代わりに他の選手に色々邪魔されて中々マイクができない・・・なんていうシーンを毎大会挟んでくるあたり頭が柔軟だったなぁと思うところではあります。

それと比べるとジェイに関してはむしろG1以後の方が本領発揮な感じがあって、CHAOSを裏切り、BULLET CLUBに加入し、そして棚橋オカダとの抗争へ・・・と一気に新日本内でも話題の中心に来ていたような。

6.凱旋1周年の1.4で再び大舞台へ

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(新日本プロレス公式サイトより引用)

そんなこんなで比較的おとなしめの下半期を送り、溜が効いたところで1.4では再びの大一番に挑みます

オカダ:IWGPヘビー挑戦
ヒロム:IWGPJr挑戦
ジェイ:???

これに関してはジェイはまだ確定ではないですが、おそらくはオカダとのノンタイトル戦に落ちつくんでは、という感じですね。
他の二人と比較するとタイトルの有無で少し見劣る感じもありますが、1.4でのスペシャルシングルはその後のタイトル戦に繋がりやすいですし、逆にタイトルかかってない試合の方が希少だったりするのでまぁ注目度はさほど変わらないかなぁと。

 

所感雑感

ということでオカダ、ヒロム、ジェイを”1.4凱旋組”として見たときの共通項についてでした。
まぁこの3人に共通するこうした1年間の流れは言ってみれば選手としての注目度を育てていく過程なわけですが、これを経てオカダはヘビーでヒロムはジュニアでの中心人物に育った、と考えるとジェイもいずれは・・・と思うところなんですよね。
特に今の感じを見るとオカダをトップベビーフェイス、ジェイをトップヒールとして確立しようとしているのかなぁという気もしていて、そういうベビー/ヒールの違いはあれどその育成手法自体は共通しているのは面白いなぁと思うところでもあります。

で、こういうことを考えてみるとその内ヒロムをトップベビーフェイスとした場合の「ジュニアのトップヒール」もそのうち出てくるのかなぁと思ったりしていて、それもこの”1.4凱旋”パターンになるんでは、と思うところです。
今の候補でいうと体格的には川人=サンだけどどうなるんだろうなぁ。

きょうはこれまで、それでは

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