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オカダと外道、六年史

さて先日の神戸大会、まぁいろんなことが起こりすぎて一大会で一週間はネタに困らないような盛沢山(しかも想定外の方向で)な大会だったわけですけど、
その中でも個人的に一番の衝撃と重要度のある出来事はやはりメイン後に起きたジェイそして外道によるオカダの裏切りでしょうかね

まぁジェイはCHAOS加入時どころか帰国時から怪しい怪しい言われてたんで「ついに!」って感じではあったんですけど、まぁ驚くのは外道によるオカダの裏切り、こっちはまさに「まさか!」という。

ということで今回はこの一件で重要な外道とオカダの関係について2012年から振り返りです。

 

2012.1.4 レインメーカー・レインテイカーコンビの誕生

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オカダ・カズチカが”レインメーカー”として凱旋帰国を果たしたのは2012年の1.4。
新日本プロレスワールドにも残っている試合映像を見てもらえばわかるように、まぁ盛り上がったわけでも褒められた試合でもない。
しかもその大会のメイン終了後、当時一番の外敵だった鈴木みのるを打ち倒して前人未到のIWGPヘビー級V11を達成した、まさに全盛期の棚橋の前に現れ、ぎこちないマイクで挑戦表明をしたわけです。

上記動画はその直後の棚橋の一夜明け会見から始まるわけですが、この棚橋の口調の厳しいこと、でも実際当時のファンの評価もこんなもんだったでしょう。
しかしそのサポートについたのは当時CHAOSに所属していた外道、1.4のオカダの試合後ではなく棚橋への挑戦状を叩きつけたのちのバックステージでオカダのCHAOS入りを発表し、上記会見でも終盤(11:40ころから)にオカダを伴って乱入し、まくしたてるだけまくし立てて帰っていくスポークスマンっぷりを発揮。

この時期の外道に関してはまさにマイクが不得手なオカダの代わりに捲し立てる役割を担っていたっていうのが非常に大きいでしょうね。
とはいえここまで全くしゃべらないのはこの時の会見ぐらいで、IWGPを戴冠した後の一夜明け会見だと結構普通に喋るようになってたりするんですけど。

そして、2012年ごろから新日本を見ている人にはおなじみなように入場時はその後ろにびったりと寄り添い、試合中は常にオカダに声をかけ(何故か英語)、ピンチにはリングのエプロンを叩いて鼓舞する姿がお決まりでもありましたね。

2013.6.22 無茶ぶりでのIWGPジュニアヘビー挑戦

 

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オカダ外道コンビの結成から2015年に至るまではまさに蜜月の時だったわけですが、その間で印象深いエピソードと言えば2013年7月。
IWGPヘビー級王者として防衛成功したオカダの前に現れたのはBULLET CLUBを立ち上げたばかりのプリンス・デヴィット。
当時はIWGPジュニア王者のままBOSJを(介入込みで)全勝優勝、そのまま棚橋をスペシャルシングルマッチで下す(介入込みで)など勢いに乗っており、その勢いのままIWGPへの挑戦表明をする形に。
その挑戦に返す刀でオカダが交換条件に出したのが「デヴィットの持つIWGPジュニアをかけること」そして「それに外道さんが挑戦してやらぁ!」という無茶ぶり。

その実ジュニアタッグでの相棒である邪道はIWGPジュニア対還暦はあるものの外道はなかったり、ジュニアが総なめにされたBOSJに外道が出場していなかったこともあってこの時の外道への期待値と言ったらなかった覚えが。
まぁ試合結果としてはデヴィットに敗れてしまうわけですが、その試合運びの巧さたるや、なによりも試合の面白さたるや!
惜しむべくはこの試合が、当時サムライTVで中継されたことで現在新日本プロレスワールドのアーカイブには残っていないことですかね。
ちょっと調べたところ2013年の新日本プロレスの総集編DVDには収録されている模様、何を隠そう総集編DVDの中でこれだけ持っているのだ。
なので皆さんも外道さんの雄姿を見るべく、買おう。

2015と2016、2度の1.4

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(新日本プロレス公式サイトより引用)

 上記のように普段、というか2014年までは和気あいあいとした、というか献身的な外道に対して悪戯を仕掛けるオカダという様子が繰り返し見られた二人ではあったんですが、それが何となく調子を変えたのは2015年の1.4そして2016年の1.4ですかね。
2012年の2月から繰り返し当たってきた両者、勝ったり負けたりを繰り返してきた中でオカダは「東京ドームの棚橋弘至」に勝てずにいた。
それは転じて「本当の意味での新日本の中心」に立てていないということでもありました。
そういう意味を踏まえた上での2015.1.4の一戦、結果は敗戦。
例年のごとくの「棚橋勝利」、例年のごとくの「ハッピーエンド」だったわけですが、そこに波紋を投じたのは退場しながらも泣き崩れるオカダの姿。
バックステージでは「タイトル以上のものがかかった試合だった」と自ら述べていたわけですが、その重さは自身の退場時の様子、そして思わずそれに付き添いながらも想像以上にうろたえている様子の外道さんにも表れていたのではないかなぁと。

そして、おそらくは、少なくともオカダファンとしては棚橋へのリベンジにすべてを向けて進んだ2015年、その集大成として2016年の1.4もオカダ対棚橋のカードがメインイベントとなりました。
結果は、ようやくの勝利。
それがハッピーエンドだったのかどうかはわかりませんが、オカダファンにとっても「ようやく勝てた」という一種の安堵があった試合だったと思います。
その試合後のバックステージ(会見動画)、どこか疲れた様子でコメントを出すオカダに対して、それをどこか誇らしげに見守る(目はバンダナで隠れてるけど)様子が見て取れました。
そしてその最後にらしくもなく乾杯の音頭として「プロレス界の未来に」なんて言葉を言い出すあたりこの一戦に、オカダさんやオカダファンと同じく、大きなものをかけていたようにも見えます。

思えばオカダの素質を見込んで、誰もが評価していなかった2012年初めの時期から「こいつは本物だ」と言い続け、支え続けてきた外道のマネージャーとしての役割がここで一つ終わったのかもなぁと今となっては思います。

2018.8.12 オカダ外道コンビ、解散

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ある意味で初期目標を達成したオカダ外道コンビ、その後もコンビとしての印象・認識のまま日にちが過ぎていったわけですが、徐々に徐々にその距離感は離れていったように思います。
例えば2016年6月のIWGP戦の時点で、内藤側からの要求の形ではあったものの外道のセコンドなしでのタイトル戦があったり、それ以降も自然と外道がいないシチュエーションが何度かあったように思います。
そしたその”外道離れ”が確実化したのは2018年、この年のG1はオカダの心機一転というのもあってか外道は1度もセコンドにつかず、そしてG1シリーズの最終戦のバックステージで正式にコンビの解消がオカダの口から宣言されました。

それは、上述したようにオカダ・外道コンビの2012年1月4日に立てた初期目標が完遂されたからでもありますし、両者が”新たなステージ”へ進むための、まさに発展的解消だったといえます。
たとえそれがどんな道であっても

そして2018年9月23日 決別

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(新日本プロレス公式サイトより引用)

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明確なまでに分かれた道、そしてインパクト、そしてこのしっくりくる感。
「プロレスラーは基本は個人事業主」なんていう言葉もありますけど、それは新日本という団体の中であっても「自分をいかに輝かせるか、自分の価値をいかに高めるか」ということに腐心しなければならないということに尽きると思います。
そういう意味で、外道さんはまさにプロのレスラー、思えばオカダのマネージャーになる前、そして新日本にたどり着く前はそれこそ波乱万丈のプロレス人生を送り、生き抜いてきた猛者なわけです。
自分にとっては非常に比重が大きく感じられたオカダ・外道コンビも彼にとっては一つの途中停車駅に過ぎない部分もあるやもしれません。

それはオカダさんにとっても同様で、オカダさんは2004年にメキシコでデビューしてからキャリア14年。
人生の半分をプロレスに費やし、さらにその半分を外道と共に過ごしてきたわけです。
現状でははるかに大きい比重を持つオカダ・外道コンビではありますが、今後キャリアを重ねていくにつれて「途中停車駅の一つだった」ことがわかる日が来るはずで。
いずれにしてもこれが大きな転換点になったのは確かでしょう。

 

所感雑感

というわけで、いやまさか本当にこのタイミングでこうまでスバっと決裂するとは思ってなかったために困惑気味ですが簡単にまとめでした。
まぁまとめと言っても個人的に記憶に残っているスポットをいくつか抜き出しただけなので、これをきっかけに皆さんのオカダ・外道史を作ってもらえたらいいんじゃないですかね。
まぁいずれにしたって「オカダ・外道コンビ解散で悲しい><」とか悲しんでいる気持ちがモリモリかと言われると微妙で、どっちかっていうと「いやぁこれは面白いことになってきたで!」とワクワクしてる人なので現在ウキウキで記事を書いているわけですが、
そうしてワクワクするのもそれまでの実に6年以上にわたる歴史があるからで、それを振り返ることで今後の一挙手一投足が味わい深くなるんではないかな、と思います。

きょうはこれまで、それでは。


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