さて、何となくで始まった棚橋弘至いろいろまとめシリーズも(多分)第3弾です。
ご存知の通り、棚橋弘至は東京ドーム、それもメインイベントにこだわりが強い男である。
2019年はよっぽどのことがない限りドームメインイベントが確約されるIWGPヘビー級への挑戦が決まったが、このメインイベント登場も2016年の1.4以来の3年ぶりとなる。
といってもこの2年間ただ雌伏の時を過ごしていたかというとそうでもなく、2018年は怪我やら何やらもあって正直あきらめムードではあったものの、2017年は当時飛ぶ鳥を落とす勢いであった内藤をたきつける形でファン投票の復活そしてICのメインイベント奪取を画策していた節もある。
それもまぁ結局内藤側のNOが突き付けられた形で野望が潰えたわけですが、それほどまでに、ある種手段を選ばないほどこだわりがあるわけです。
というわけで今回はそんなこだわりある棚橋弘至の東京ドームメインイベントについてざらっと振り返りです。
- 2005年 IWGP U-30 vs中邑真輔
- 2008年 IWGPヘビー級 vs中邑真輔
- 2009年 IWGPヘビー級 vs武藤啓司
- 2011年 IWGPヘビー級 vs小島聡
- 2012年 IWGPヘビー vs鈴木みのる
- 2013年 IWGPヘビー級 vsオカダ・カズチカ
- 2014年 IWGP インターコンチネンタル vs中邑真輔
- 2015年 IWGPヘビー級 vsオカダ・カズチカ
- 2016年 IWGPヘビー級 vsオカダ・カズチカ
- そして2019年 IWGPヘビー級 vsケニー・オメガ
- 所感雑感
2005年 IWGP U-30 vs中邑真輔
(試合映像)
棚橋弘至の初の東京ドームメインイベントとなったおは2005年の1月4日、当時棚橋の提案によって誕生したIWGP U-30のベルトを終生のライバルたる中邑と争う一戦。
上記の動画は棚橋と中邑のライバル関係のダイジェストVTRですがその最初の一戦として挙げられているのがこの試合ですね、意図的かどうかわからないですけど棚橋が白基調、中村が黒基調のモノクロコスチュームですね。
当時の二人というと中邑はすでにIWGPヘビーも戴冠済み、さらに前年の2004年1月4日にドームのメインイベントも経験済み、年齢キャリアはさておき実績として一歩先を言っているのが中邑、それに追いつこうと食いついていたのが棚橋ってことですかね。
いずれにしてもこの一戦が二人のライバル関係の始まりであり、新日本のエースとしての棚橋のスタート、そして棚橋弘至の東京ドームメインという定位置の始まりでもあります。
ちなみにこの東京ドーム大会、所謂アルティメットロワイヤルが行われた大会でもあります、というだけで時代が何となく察せられるなぁ・・
2008年 IWGPヘビー級 vs中邑真輔
(試合映像)
その後再びのメイン登場となったのは2008年、かけられたベルトはU-30(2005年の大戦後に中邑に封印された)からIWGPヘビー級に変わっていますが、相手は同じ中邑真輔。
この当時になると棚橋もIWGPヘビー級を獲得し、再び王者として中邑を迎え撃つ形になるわけです。
ちなみにこの時の大会名がWrestle Kingdam2で現在も続く新日本の1.4東京ドームの形が形作られていたわけですね、第1回のWKは全日本との共同開催っていう形でもありましたし。
結果としては3年前に引き続き王者棚橋が挑戦者中邑に敗れた形、その後中邑はカートアングルとのベルトの統一戦に向かうわけですが、そういうリング外のいざこざも絡んできてしまっていた時期、そしてまだ棚橋中邑でいうと中邑が優勢に立っていた時期なんですかね。
2009年 IWGPヘビー級 vs武藤啓司
(試合映像)
翌年、2009年のメインは当時外敵王者となっていた武藤啓司に対してその要素を色濃く受け継いでいる、系譜の者ともいえる棚橋がベルト奪取に挑む闘い。
この当時の武藤は全日本プロレスの社長でありながら中邑からベルトを奪い、その後中西後藤真壁そして中邑といった新日本の主力陣相手に防衛を重ねています。
特に後藤さんに関してはG1覇者という肩書を持って敵地全日本に乗り込んだうえで奪取失敗だったので、かなり蹂躙されていた印象。
そこに出てきた大本命棚橋、ここで取り返さなければ・・・という状況もあっ他とは思います。
ある意味この完璧なシチュエーションでIWGPの奪取、そして師匠ともいえる武藤越えを果たせたというのは棚橋のキャリアにおいてもかなり重要な一戦だったんではないでしょうか。
ちなみに2010年は中邑対高山のIWGPヘビー級戦がメインになり、棚橋はセミ前にてノアのエース格であった潮崎豪とのスペシャルシングルマッチに挑んでいます
2011年 IWGPヘビー級 vs小島聡
(試合映像)
1年の間を置いて再び東京ドームのメインイベントに帰ってきた棚橋。
奇しくもシチュエーションは2年前と似ていて、外敵王者だった小島聡に対し再び至宝奪取に挑む棚橋。
この時の小島はフリーとして初めてG1を制覇し、その勢いで時の王者だった真壁からIWGPを奪取、中邑を相手に防衛を果たしていました。
しかもこのG1の優勝決定戦が小島対棚橋だったわけで、そういう意味ではそういう大一番でのリベンジマッチでもあったわけですね。
この時までくると試合中の所作も、試合後の質疑応答も堂に入ったような印象がありますね。
2012年 IWGPヘビー vs鈴木みのる
(試合映像)
敢えて言うなら2010~2012年の1.4でのメインイベントは「棚橋弘至vs外敵」の構図が色濃く続いていた感じがあり、その最後になったのが鈴木みのる。
これまでの2選手が元々は新日本所属でその後他団体(どちらも全日本ですけど)に移籍した上で戻ってきた、いわば育ちは同じ選手だったのに対して
鈴木みのるはデビューこそ新日本であるもののそのキャリアの大半をUWF系統、特にパンクラスに置いてきた、ハッキリ言うと異種のレスラー。
だからこそ上の試合結果記事でも「侵略者」というワードがつけられ、今も「海賊」なんて言うのがキーワードになっているわけですけど。
それを迎え撃つ棚橋もこの試合が、IWGPヘビー級での連続防衛回数新記録となるV11のかかった試合、ある意味で新日本での絶対的ベビーフェイスとしての絶頂期にあった感じですね。
2013年 IWGPヘビー級 vsオカダ・カズチカ
(試合映像)
そういった流れがある種変わったのは2012年。
弊ブログでも散々紹介してきましたがオカダ・カズチカの登場によって棚橋もその立ち位置を徐々に変化させるとともに、東京ドームのメインイベントもこれまでの「対外敵」から「新日本内頂上決戦」的な色合いを呈すようになりました。
それは2012年のG1から東京ドームIWGPヘビー級挑戦権利書の制度がスタートした理由もあるんでしょうけど。
いずれにしろ、新日本の新しい時代の始まりの象徴ともいえる試合、棚橋が新日本を守る試合ではなく新日本での覇権を競う闘いっていう感じですね。
同カードでの対戦はこの後何度も行われ、ドームのメインでも3度行われるわけですが、この試合はそれほどお互いに気負っている印象がないイメージがあります。
2014年 IWGP インターコンチネンタル vs中邑真輔
(試合映像)
で、翌年、棚橋弘至がこの年のメインイベントに”正式に”出場するためのチャンスは3度ありました。
一つ目は、4月両国で行われた対オカダのIWGPヘビーの防衛戦、ここで防衛をし、その後も防衛を続けていれば文句なくドームメインへ行けたものの、ここで敗戦。
二つ目は、G1 CLIMAX、棚橋はこの年優勝決定戦まで進み権利書獲得まであと一歩だったものの、決定戦で内藤哲也に負け、それも失います。
三つ目は、10月の両国、この年都合4度目となるオカダとの対戦でしたがここで勝つことでなんとかメインに滑り込める・・・もののこの年2度目のオカダ戦敗戦を喫します。
この3つのチャンスを逃した時点で本来であれば棚橋弘至はメインへの出場権を失う、はずでしたが大きく磁場が狂ったのが11月の大阪。
ICの王座を防衛した中邑が指名したのは、現状対戦相手が決まっていなかった棚橋。
そこまでは良いにしても、IWGPヘビーでのオカダ内藤、IWGP ICでの中邑棚橋というカードを受けて新日本プロレスが「東京ドームのメインイベントを決めるファン投票」実施を発表。
経緯は省くとしてダブルスコアをつけてICがメインに選出され、棚橋は5年連続の東京ドームメインの出場を果たします。
正直言うと今だにこの一件を許せる心境に至っていないので、棚橋弘至がいろいろとねじ曲がった上でメインを維持した、とだけしておきましょう。
いずれにしろ自分のようなオカダファンにも内藤ファンにもひどいトラウマを植え付けた一件でした。
試合としてもお互いに何かをかけて争う、というよりも協力して何かを作り上げるような印象もあったりしました。
2015年 IWGPヘビー級 vsオカダ・カズチカ
(試合映像)
そういう意味でその翌年、そして翌々年の東京ドームメインは、単なるメインイベント、IWGPヘビー級戦以外の様相も呈していたように思います。
まぁそれはさておき現状唯一の西武ドームでの決勝戦となったG1を制したオカダが棚橋に挑む一戦、
と言いつつこの時直前の10月まではAJがIWGPヘビーを戴冠しており、そこに焦点を絞っていたのが10月の両国で棚橋がAJに挑戦しベルトを奪取したことで決定した試合なんですよね。
10月、というかG1以後のIWGPヘビー王者の交代劇って権利書制度が始まって以降この年しかないんですけど、実際にそういったことが起こった年はそれはそれでちょっとボルテージが削がれたような印象もあるのでないなら無い方が半年かけて機運を高められる分良いのかなぁと思ったりもします。
それはさておきこの試合、オカダ登場以前は外敵に対する新日本の代表者、絶対的ベビーフェイス的ですらあった棚橋ですけど、この試合に関してはオカダの前に立ちふさがった壁、という印象がどうしても強いですね。
それは試合中というよりも試合後、退場口で崩れおちるオカダに追い打ちをかけたマイクをするシーンなんかの印象が強いんでしょうけど。
2016年 IWGPヘビー級 vsオカダ・カズチカ
(試合映像)
そして2016年、何となく2015年の一戦とセットのように感じている一戦。
この際王者はオカダ、挑戦者は棚橋と入れ替わっていますが、これは前年の1.4以降棚橋がAJ相手にベルト陥落、その後オカダがリベンジを果たす形でAJに勝利し王者になったもので前年の対戦からオカダ棚橋間で対戦はなかったんですよね。
一方の棚橋は決勝で中邑に勝つ形でG1を制覇し、2年連続で向かい合うことに。
実に東京ドームのメインイベントで行われる棚橋対オカダとしては実に3回目の対戦。
1回目はそれまでの外敵を迎え撃つ形式から新日本内の頂上決戦の系統への変化があった試合、2回目はさておき、
この3回目の試合は結果的には東京ドームメインイベントの棚橋弘至の一つのピリオドになった試合で、
それはこの試合で2010年を除いて2009年から2015年までのメインイベントで負けなしだった「東京ドームメインの棚橋弘至」に土がついた試合であり、
この翌年2017年(メインはオカダ対ケニー)、及び翌々年2018年(メインはオカダ対内藤)と2年連続でメイン登場が無くなるわけです。
そして2019年 IWGPヘビー級 vsケニー・オメガ
あくまで現状の決定カードとして棚橋弘至は2016年以来、実に3年ぶりに東京ドームのメインに帰ってくるわけです。
これまでの東京ドームメインイベントでの棚橋弘至について簡単に数値をまとめると、
勝率は6勝3敗の66.7%、特に2009年以降は2016年までメインでもメインから外れた2010年も負けなし、勝負強いといえば勝負強いと言えるでしょう。
以前まとめたようにコンディション面は不安しかない棚橋、でもコンディションだけがプロレスの勝敗を左右するわけでもないわけで、力を発揮できるシチュエーションというものも重要なわけで。
果たして大一番の一戦ではどうなるか。
所感雑感
というわけで東京ドームメインイベントに限った棚橋のこれまでの活躍でした。
こうしてみると、これまでのシチュエーションつくりとしてはオカダ登場以前の3年間、外敵を迎え撃ってた2009年20010年2011年に近いシチュエーション作りをしている感じがありますね。
上では全体勝率は6割ちょいとしてますけど上記の対外的の3年間は全部勝ってるわけですから得意なシチュエーションを作りに来た、というのは間違いなさそうですね。
きょうはこれまで、それでは。