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SUPER Jr. TAG TOURNAMENTを振り返る

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一時涼しくなったかと思いきやまたもや熱くなった昨今皆様いかがお過ごしでしょうか。
どう考えても熱いよりも寒い方が好きなので早く冬が到来してほしい限りです。

まぁそんな話はさておき、9月シリーズDestructionの概要が発表された記者会見場でしれっと報告されたのが「SUPER Jr. TAG ”LEAGUE”」の開催です。
1年以上新日本を観戦されている方はご存知だと思いますが、新日本はここ数年11月のシリーズにおいてジュニアヘビー級選手のタッグによる勝ち抜き戦「SUPER Jr. TAG "TOURNAMENT"」を開催していたんですよね。
果たしてリーグ戦とトーナメント戦でどちらが格が上なのか?というのはわかりませんが、同じ参戦チーム数でも各チームの試合数が増え、長期戦となる傾向はあり、より大規模化することは予想されます。
シリーズ中での比重が大きくなることで、Road to~のシリーズ名に「SUPER Jr. TAG LEAGUE」と加えられたようにシリーズとしての目玉になりうる、もしくは目玉にしたいという意図もありますね。

まぁ実際は参戦チームもブロック分けも公式戦日程も発表されていないわけですが、今回はこの前身となったSUPER Jr. TAG TOURNAMENTについて振り返ってみたいと思います。

 

2012年 第1回 SUPER Jr. TAG TOURNAMENT

第1回開催は2012年、実は新日本がブシロード体制に切り替わった年からスタートと新日本におけるリーグ・トーナメントものの中では一番新しい試みなんですよね。
この頃の新日本ジュニアというとシングルではデヴィット、飯伏、ロウキーの3強体制が確立されており、タッグではデヴィット&田口のApollo55、ロメロ&コズロフのフォーエバーフーリガンズが実力者チームだった感じ。
タッグトーナメントでは当時王者だったフォーエバーフーリガンズが不在で言ってみれば次期挑戦者決定トーナメントの様相もありました。
この第1回は8チームが参戦し、以後の大会も参加チームが変わりこそすれこの参加チーム数は共通ですね。
試合としては10.21後楽園で1回戦を、11.2後楽園で準決勝・決勝を行う形式で開催。

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KUSHIDA&アレックス・シェリーの名タッグ、TIME SPLITTERS

(新日本プロレス公式サイトより引用)

優勝したのはKUSHIDA&アレックス・シェリーのTIME SPLITTERS
このタッグの結成はこの年の10月とまさに新進気鋭のチームではありましたが、実はそのお披露目となった10月の両国で一度タイトルマッチに敗れています。
しかしこのトーナメントで優勝、しかもこちらも名タッグであるApollo55を相手にしての勝利ということで文句なく次期ビッグマッチであるPower Struggleにて王者フォーエバーフーリガンズに挑戦、見事に初戴冠を果たします。

2013年 第2回 SUPER Jr. TAG TOURNAMENT

翌年も同様にトーナメントが開催、開催日程も1回戦を10.25後楽園で、準決勝・決勝を11.6後楽園でという構図は変わりなくですね。
ちなみに参加チームで昨年も参戦しているのはTAKAタイチ、ライガータイガー、邪道外道の3チームのみで、
前年度覇者のTIME SPLITTERSはこの前の9月でのタイトルマッチでシェリーが腰を負傷して代わりにKUSHIDA・小松洋平(現・YOH)とのタッグで出陣、
Apollo55は4月にデヴィットがヒールターンしてBULLET CLUBを結成したことで解散、デヴィットはヘビー級へ、田口はBest of the Super Jr.で腰を負傷し長期欠場中でした。

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この後5年近くにわたって絶対王者として君臨するヤングバックス

(新日本プロレス公式より引用)

そんな本命不在ともいえるタッグトーナメントで頭角を現したのがニック・ジャクソン&マット・ジャクソンのヤングバックス、実はこのシリーズが新日本初参戦でした。
今となっては皆さんご存知のように、その後IWGP Jrタッグ王座を7度戴冠し、ジュニアの枠に収まりきらずにIWGPタッグ(ヘビー級)をも獲得するに至った名タッグチームですね。
当時としてはすでにTNAでのタッグ王座獲得などの実績がありその実力を発揮した形で、その勢いのまま大阪Power Struggleでは当時王者だったTAKAタイチ組を破ってIWGP Jrタッグを初戴冠しています。

2014年 第3回 SUPER Jr. TAG TOURNAMENT

そして第3回トーナメントでは少し趣向が変わりトーナメントの地方進出が始まります。1回戦こそ10.25後楽園で行われるものの、その後2回戦は11.1に神奈川、11.2静岡と関東近郊で行われ、決勝はなんとなんとの11.3岐阜、しかも決勝はセミでメインは棚橋が6人タッグを制して締めるという・・・
この当時は新日本プロレスワールドもなかったので中継もなかったんでは・・・?という感じがしますけどどうなんですかね。

(9/26追記)
wrestling-review さんのコメントで教えていただきましたが静岡大会はニコプロで、決勝岐阜大会はサムライTVで後日配信があったみたいですね。
情報ありがとうございました。

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ROHからの刺客、reDragon

(新日本プロレス公式サイトから引用)

ある意味割を食う形になってしまったものの、決勝で実力者であり前年度覇者のヤングバックスを破って優勝をしたのはカイル・オライリー&ボビー・フィッシュのreDragon。
この二人は2013年にタッグを結成し2014年の8月10日のG1決勝(西武ドーム)で初参戦、キックや関節技などハイフライムーブが主流となっていた当時の新日本ジュニアでは異色も異色のタッグチームでしたね。
その一方で当時シングル戦線に移行していたKUSHIDAにとってはカイル・オライリーとの試合によって、自分の目指すスタイルの一つの完成形を得るわけですけどそれはまた別の話。
その後reDragonは新日本初参戦となった西武ドームでタイトルマッチに敗れたTIME SPLITTERSに大阪Power Struggleにて再戦し、見事IWGP Jrタッグを初戴冠するのでした。
当時のreDragonはROH世界タッグも持っていたので2冠王だったってことになりますね。

2015年 第4回 SUPER Jr. TAG TOURNAMENT

翌年の第4回大会では前回大会の反省を踏まえてか1回戦、2回戦は後楽園にて(10.2411.1)行い、決勝戦を11.7大阪Power Struggleにて行う形式に変更。
この形式は翌年、翌々年も取り入れられることになりました。
この形式変更と翌シリーズがヘビー級のタッグリーグという関係もあってトーナメント覇者は翌年、1.4での王座挑戦が決定するようになりました。
この頃からドームのタイトルマッチのカードを数か月前から決めて宣伝していく形式になっており、IWGPヘビーもこの前の10月の両国の時点で決定し、それに次ぐドームでのカードとしてIWGPジュニアタッグ戦が決まるという形ですね。 

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米インディのドリームタッグ リコシェ&サイダル

(新日本プロレス公式サイトより引用)

そういう意味で優勝すれば一気にドームへの参戦が見えてくるトーナメントを制したのはこれまた新進気鋭、そしてある意味でドリームタッグともいえるリコシェ&マット・サイダル組。
リコシェは2010年からDragon Gateに参戦しすでに頭角を現しており、その後2013年に新日本に初登場した際からその圧倒的な身体能力と陽性なキャラクターで一気にファンの心をつかんでいました。
そこにパートナーとして現れたのがマット・サイダル、この年9月に初参戦してリコシェとのタッグでトーナメント参戦。
タッグとしての活動期間こそ短かったもののその驚きのムーブと明るい雰囲気で一気に民意を勝ち取ったチームでしたね。

で、その実力そのままに優勝したリコシェ&サイダル組でしたけど、彼らがreDragonに挑戦を表明すると決勝で敗れこそすれ公式戦でreDragonに勝ったRoppongi Viceも挑戦表明し、さらに前王者組のヤングバックスも挑戦表明し・・・とあぁもうめちゃくちゃだよ。
結果として全チームの要望が通り、1.4ドームではIWGPジュニアタッグ4WAY戦が組まれることに。
これまでトーナメント後のタイトルマッチで必ずタイトル奪取してきたトーナメント覇者でしたが、この時初めて奪取に失敗することに(新王者はヤングバックス)

2016年 第5回 SUPER Jr. TAG TOURNAMENT

そして翌年開催のトーナメントでは前年度と前々年度の要素を組み合わせたように1回戦3試合を10.21後楽園で、残る1試合を10.25愛知で行い、2回戦を10.30後楽園で行い、決勝は11.5大阪Power Struggleにて開催しました。
なんか不思議なことをしてるなぁ・・・という感じですが、地方での開催の要望ってものは無視できないぐらいにはあるってことなんですかね。

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1年半かけての初優勝となったRoppongi Vice

(新日本プロレス公式サイトより引用)

実をいうとこの年までのトーナメントではいずれも新進気鋭のチームが優勝をしていました。
元々入れ替わりの激しいジュニア部門、「その勢いがそのまま反映される」とも「新チームの売り出しシリーズ」とも言えますけど、そういう意味でこの年の注目チームは当時NOAH所属だった石森太二とACHのタッグチーム。
ではあったもののそのジンクスを破って優勝したのがバレッタ&ロッキー・ロメロのRoppongi Vice。
ロッキー・ロメロというとこれまでにもデイビー・リチャーズ(ノーリモーズコープス)、アレックス・コズロフ(フォーエバーフーリガンズ)などの選手と組んで幾度もIWGPジュニアタッグを戴冠してきたタッグの名手ですが、その新日本における3人目のパートナーとなったのが元WWEのバレッタ。
バレッタ自身はシングルの選手としてBOSJなどに参加していたものの定期参戦までには至らなかったのですが、コズロフの病気による引退でパートナー不在だったコズロフに見初められる形でタッグ結成したのが2015年3月。
4月にはヤングバックスからIWGPジュニアタッグを奪うなど活躍しており、ある程度活躍してからのトーナメント制覇はこのチームが初でしたね。

その後RoppongiViceは1.4東京ドームで当時王者だったヤングバックスに再戦、相手のスキを突いた丸め込みでIWGPジュニアタッグに再度輝いています。

2017年 第6回 SUPER Jr. TAG TOURNAMENT

そして前年度大会、ここまでくると記憶にも新しい方も多いと思いますが、この年は1回戦の10.2310.29、2回戦の10.30を後楽園で開催し新日本プロレスワールドでも生中継し、決勝を例年のように11.5大阪Power Struggleにて行っています。
この頃になると当サイトもスタートしており、当時のツイート解析記事があるのでちょっと参照すると当時のことが思い出せるかも(10.2310.2910.30)
当時の思い出としては新日本のヤングライオン出身者の絡みが非常に印象に深くて、それはこの前の10月両国で凱旋帰国したSHO&YOHのRoppongi3Kもですし、KUSHIDAと組んで参戦した川人、そしてBUSHIと組んで参戦した高橋ヒロム、この3チームの意地の張り合いが非常に面白かった記憶がありますね。
まぁ上述の通り、ジュニアタッグ部門はそれまで「外国人天国」と形容されるように実力・実績のある外国人タッグチームが主流で日本人が入り込む余地がなかったわけですが、この年になってそれが一種覆されつつあった、という印象もあるんですよね。

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初の日本人・生え抜きタッグでの覇者になったRoppongi 3K
(新日本プロレス公式サイトより引用)

そんな、ある意味で新日本ジュニアタッグの変換点を制したのが前述のRoppongi 3K。
前述の通りこのチームは10月両国にて凱旋帰国し、当時王者チームだった田口&リコシェのファンキーフューチャーを破って新王者に輝いていましたから、これも初めてになるIWGPジュニアタッグ王者でのトーナメント制覇に。
その覇者が逆指名したのは、当時すでに人気実力面でジュニアタッグの絶対王者になっていたヤングバックス、今後タッグで活動していくうえで避けては通れないチームに1.4で挑んだもののあえなく返り討ちに。
nWAY戦以外でトーナメント覇者がその後のタイトル戦に敗れたのも初かな?

 

所感雑感

というわけで過去6回開催されたSUPER Jr. TAG TOURNAMENTについて簡単にですが振り返りでした。
全体の傾向としては「新規チームが勝ちやすい」なんてのが見て取れますが、それはすべてが一発勝負のトーナメント形式だったからこそ新しいチームに対する対策がわからないうちにやられるなんてこともあるんですかね。
それがリーグ戦になった場合にどうなるのか・・・

まぁいずれにしてもまだ参加チームもわかっていないだけに全く予想が付きませんね。
それでも去年と比較して「ヒロムが負傷欠場(BUSHIヒロム不参加)」「タイチがヘビー級転向(TAKAタイチ不参加)」「川人は海外遠征中(KUSHIDA川人不参加)」「ACHはAAAに参戦中(田口ACH不参加?)」と前年度参加チームの半分が参加できなさそうなんですよね。
参加できるのはRoppongi 3Kにデスペ金丸、ライガータイガー、そしてCMLLのティタン&リーといった具合。
しばらくすれば情報も出てくるんでしょうけど、目新しいタッグチームが出てくると嬉しいですね。

きょうはこれまで、それでは


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