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過去対戦で振り返るケニー対石井

さて前回は別府で行われるNEVER無差別級選手権の振り返りでしたが今回は広島で行われるIWGPヘビー級選手権試合、ケニー対石井について振り返りです。
そもそもIWGPヘビーの防衛戦が広島で行われるのも珍しいんでは?と思って調べてみるとICなどは広島での開催が近年(それこそ去年9月の棚橋ザックとか)あるものの、ヘビー級に限ると2013.2.10の棚橋対アンダーソン戦まで遡り、
それ以前となると2003.4.23の永田対安田など、1998年以前は結構年に1回ぐらいのペースで行われていたみたいなんですけどね。

というわけで実に5年半ぶりの広島でのIWGPヘビー級となった石井対ケニーについて振り返りです。

 

2017.3.12 NJC一回戦最終試合、注目の初対戦

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二人の初対戦は2017年のNEW JAPAN CUP一回戦。
当時の情勢はというとケニーは前年のG1を初出場で初優勝、いかも外国人選手として初、という一つの記録を打ち立て、なおかつ東京ドームでのオカダとのIWGP戦では文字通り「世界を驚愕させる」一戦を繰り広げました。
しかしケニーとして見れば「そこまでしても勝てなかった」というのががっくりきたのか、もしくは後々のインタビューでも言っているように「2016年は頑張りすぎた」ために休養期間が必要だったのか、1月2月のシリーズを丸々休養し、このNJCからが本格的な再スタートに。
一方の石井は実力者としての評価は揺るがない一方で同年ドームでは矢野と組んでIWGPタッグ戦に出場などシングルプレイヤーとして息をひそめていた時期でしたね。

そういう意味ではお互いにシングルプレイヤーとしての再スタートを望んでいたタイミング、だからこそお互いの全力をぶつけあう真っ向勝負が展開された部分もあるでしょう。
そしてお互いにハードヒット、お互いにハードバンプ、お互いに掟破りを厭わないという似たタイプであるが故って部分もあるんですかね。
結果としてはこの初戦を石井が制し、ケニーはスタートダッシュならず。

2017.5.3 IWGP戴冠に向けての門番、石井

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二人の再戦はそのNJC後、レスリングどんたくにおいて組まれたケニーのリベンジマッチともいえる構図。
この時のどんたくではメインでオカダ対ファレのIWGP戦が組まれたりもしていたので大会を通してCHAOS対Bullet Clubという構図になった形。
前述の通りスタートダッシュに失敗したケニーが再度加速するためには勝利が必要、リベンジがどうこうというのを抜きにしても「石井からの勝利」はその加速材にはうってつけでしょう。
この勝負で勝敗を分けたのはそれこそ「掟破り」の攻防、そこに先に手を出したのは前回敗れたケニーで、普段は使わないラリアットに垂直落下式ブレーンバスターと石井の得意技を畳みかけての勝利。
ケニーはこの後行われたIWGP戦で防衛したオカダから指名を受ける形で再度IWGPに挑戦、歴史に残る60分時間切れの攻防をすることに。
(しかしどんたくでオカダケニーともにシングルをやってオカダが指名、大阪でIWGP戦って流れは2017,2018年で同じでしたね)

2017.7.2 石井対ケニー三度、USの地にて

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上述のIWGP戦では60分フルタイムドローとなり惜しくもベルト奪取ならなかったケニー。
そんなケニーには休む暇なくG1、そしてG1前にロングビーチで行われるIWGP US王座決定トーナメントに参加することに。
8人参加の2DAYSトーナメント、しかも準決勝決勝の1日二試合というだけで大変なのに決勝の相手が2か月前に死闘を繰り広げた石井というのがなお大変。
この試合が他の3試合、そして今度の一戦とも大きく違うところはアメリカで、つまりは圧倒的大多数のケニーファンの前で行われたことでしょう。
「観客の声援が力になる」なんてことはプロレス以外の分野でもよく言われることですが、この試合ではそれこそまさにイキイキと(普段がイキイキしてないわけでないですけど)躍動。
その中でもハイライトはリング外のテーブルに向けてのドラゴンスープレックス、それを耐えるためにロープにかみつく石井という絵面もまた強烈だったなぁ。
ケニー自身が(新日本内では比較的)ハードコアが得意というのもありますけど、アメリカのファンがこれまたハードコアな展開が好きだから一層民意を勝ち取った感はありましたね。

2018.8.4 1年ぶりの再戦、大阪上陸

そしてIWGP US王者としてクリス・ジェリコ戦を実現するなどして活躍してきたケニーは今年6月、ついに念願のIWGPヘビー級をオカダから奪取し3年目のG1へエントリー。
IWGP王者として注目されていただけにその一戦一戦も注視されていたわけですがリーグ戦終盤の大阪大会まで負けなしの6連勝は、それこそ「誰がケニーを止めるんだ?」という状態でしたね。
同じような状況は前年のG1で同じくIWGP王者だったオカダが開幕6連勝で大阪に乗り込むというまさに全く同じ状況になっていました。
しかし前年はここで伏兵だったEVILが大金星を上げ、その年のG1での初黒星どころか2年ぶりのシングル黒星を付けたというサプライズが起こったわけです。
そして1年たったこの日、場所は大阪、相手は石井、何も起きないわけがない、というもの。
ケニーは以前の博多で勝った時のように垂直落下式ブレーンバスターという掟破りにエプロンからはみ出た石井へのスワンダイブフットスタンプなど危険な攻防まで織り交ぜて攻める。
だが、それでも石井は強かった。
効果的にそしてトリッキーに駆使した頭突き、まさかの逆打ちなどキーとなるポイントはいくつもありましたが、結果は石井の勝利。
結果的にケニーはこの後の矢野戦でタマの介入絡みで敗北、そして最終戦は飯伏に敗北し決勝進出はなりませんでした。

 

所感雑感

というわけでケニーと石井ちゃんの振り返りでした。
実際のところケニーがヘビー転向して以降でも割と最近対戦するようになった二人ですけど毎度毎度激しい試合になるんですよね、それでいて結構対戦間隔が詰まっているという。
まぁケニー対石井に関してはお互いに歴史を重ねていくような試合になるわけではなく、「その日その場所で極限まで激しい試合をする」タイプなので間を置かずにある程度の連戦をした方がお互いのボルテージが上がるんですかね。

この二人の関係については石井ちゃんが今年のG1での対戦後のコメントで述べているように

石井「(前略)世の中そんなに甘かねぇんだよ。人生山あり谷ありだ。必ず障害があんだよ。オメェにとっての障害、この俺だよ。今日だけじゃねぇぞ。これからもだ」

まさに”ケニーにとっての障害”っていう感じですね、天敵と言い換えてもいいのかもしれませんけど。
しかしそれは”ライバル”、”好敵手”と言い換えることもできて、実際に各対戦におけるDave Meltzerの5つ星評価とCAGEMATCHにおける10点満点の評価は 

[Meltzer: 4.75, CAGEMATCH users: 9.01]
[Meltzer: 4.75, CAGEMATCH users: 9.36]
[Meltzer: 4.75, CAGEMATCH users: 9.37]
[Meltzer: 5.5, CAGEMATCH users: 9.78]

Meltzerの評価は平均4.94、CAGEMATCHでは平均9.38点と高得点ばかり。
さらに言えばCAGEMATCHの評価は1戦ごとに上がってきてもいるんですよね。
勿論いずれも海外のファンの評価(CAGEMATCHはドイツのファンサイト)なので日本のファンの評価と完全に一致するわけではないでしょうけど、それでも注目の一戦に変わりはないでしょう、楽しみです

きょうはこれまで、それでは


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