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過去対戦・各種数値で振り返るオカダ対ジェイ

さて前回のIWGPジュニアに引き続いてはオカダさんの「ベルトのかからない1.4」としては凱旋帰国した2012年以来7年ぶりとなるスペシャルシングルマッチ、オカダ対ジェイ。

最近公開されたインタビューなんかだとジェイとの対戦は良いとしても東京ドームでのカードとしての不満を口にしてましたけど、傍から見る分には結構楽しみなんですよね。
というわけでこの対戦カードのついて簡単にまとめです。

 

過去因縁 凱旋―G1まで

この二人に関しては過去の対戦成績、以前にそれまでの因縁について説明した方が良いと思うので因縁から

ジェイ・ホワイトは2013年にイギリスでデビューし、その後2015年に改めてヤングライオンとして新日本で再デビューしたニュージーランド出身。
それに続く形でデビッド・フィンレーも入門しさらにはヘナーレ・・・とその後柴田道場門下生へと続く近年の外国人ヤングライオンの先鋒となった人でもあります。
キャリアが短いながらもしっかりとしたテクニック、恵まれた体格もあって将来の外国人エースとして期待され、ていたかどうかはさておき、
それまでの日本人ヤングライオンと同じく海外遠征へと送り出された当たりに期待の度合いが見られます(フィンレーやヘナーレは結局海外遠征はなかったし)。

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で、帰ってきたのは2017年末、昨今の凱旋帰国のトレンドに乗っかって黒基調のコスチュームにサイコなキャラクター、そして当時IC王者だった棚橋に宣戦布告し1.4ドームでの挑戦にこぎつけます。
しかし、その挑戦自体は棚橋の絶不調なコンディションもあって全シリーズ途中欠場した棚橋の復帰戦も兼ねる具合。
結果としては全くインパクトを残すこともできず、棚橋はそれで役目を一応果たしたかのように翌シリーズ再欠場に入ります。

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そんなこんなで出だしから躓いたジェイではあったものの、その翌日1.5においても動きがあり、飯伏に端を発するBULLET CLUB内のいざこざをいさめる名目でケニーがジェイを勧誘、したかと思いきや即座にそれを拒否するジェイ。
かと思えばその翌日、1.6においてオカダの誘いに応じる形でCHAOSに加入するという、当時は「こいつ何がしたいんだ…?」という様な振る舞いを見せたわけです。

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その後、ケニーからUS王座を奪取するという大金星を見せながらも新日本での試合が限定的だったのもあってか今一「何がやりたいのか」を見ている側に掴ませないまま、不穏な雰囲気を漂わせたまま運命?のG1へ赴きます。
その間のオカダさんはIWGPヘビー級最多連続防衛記録V12を達成したもののV13戦となった大阪城大会でケニーに敗れ、2年弱に及ぶ防衛ロードに幕を引いてました。
それに伴い、上記インタビューにもあるように重圧から解放された”遊び”のある姿を見せるようになったわけですけど、今思えばそこが、そのタイミングがジェイにとっての狙いだった、のかも。

過去対戦 G1 CLIMAX開幕戦

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(新日本プロレス公式サイトより引用) 

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そして迎えたG1 CLIMAX28の開幕戦
オカダとしては勿論、IWGP戦線へ舞い戻る最短ルートであり、大阪城での敗戦後から始めた新バージョンの”オカダ・カズチカ”お披露目の場でもあります。
それに対するジェイは、その異名”Switchblade”の名の通り、それまで隠してきた刃を見せる格好の舞台でもあった訳で。
それまでの試合スタイルはのらりくらりとしつつもリング上では反則を犯すこともないスタイル、逆に言えば”ジェイと言えばこれ”というものがなかったともいえたわけですけど、この試合で繰り出したのはチェアショットにローブロー、まさにオールドスクールな反則技。

正直言うとこの試合自体は名勝負と言えるものでなく、ぶっちゃけこのG1前にやったジェイ対フィンレーの試合の方が盛り上がり自体は良かった、といえるんですが、
この試合が重要なのは、この試合をもってジェイの立ち位置がカッチリと決まり、そして観客の中に共通認識ができたこと。
どんな選手でもいい試合をすれば歓声・拍手を送る、というのは新日本というよりは日本のプロレスファンに共通する性質ではありますが、この性質が良い場合もあれば悪い場合もあり、
後者の一例として挙げるなら「ブーイングを煽れるようなヒールが生まれにくい」というもの。
勿論単なる”嫌われ者”なんてのはいつの時代も生まれうるわけですけど、そういった嫌われっぷりを試合に転化できるようなヒールっていうのは昨今の新日本では中々生まれていなかったと思います。

そんな中でジェイはこの試合以降、”ヒール”として観客に認知され、観客からブーイングを引き出す(ブーイング”される”ではなく)ことのできる存在になったわけです。
実際にマイクアピールしてるのにそれにかぶせるようにブーイングが沸くなんてのはここしばらくの新日本においてなかったですよねぇ。
ジェイ以前でもすでに一大ベビーフェイスと化していたケニーに対して無法を働いていたコーディなんかも、ブーイングを”引き出す”ことのできるヒールではあったんですが、それもWWE時代を含めた長いキャリアあってのもの。
そう考えると若くしてそういった能力を身に着けたジェイの卓越性もわかるんじゃないかなぁ、と思うところです。

その後 ジェイ・ホワイトの覚醒

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(新日本プロレス公式サイトより引用)

閑話休題、こうして一夜にして(と言いつつG1前のアメリカ大会ですでにめっちゃブーイングされてたけど)ヒールとしての地位を築いたジェイ、一方でオカダさんはこのジェイと棚橋とG1終盤まで決勝戦進出を競るも最後は脱落し、IWGP戦線も一時脱落かと思われていました。

が、降って湧いたのはG1を優勝した棚橋からの指名によるIWGPヘビー級挑戦権利書争奪戦、これに勝てばIWGP戦線へ・・・
と思っていたところに、降ってわいたようなタッグパートナー吉橋とのイザコザ、そしてそれを煽るようなジェイのコメント
そんな妨害?障害?の影響もあってか権利書争奪戦はオカダの敗北、そしてその追い打ちをするようにやってきたジェイの試合後の乱入。
さらに重要と言えるのは、これまで2012年の凱旋から6年に渡ってオカダを支え続けていた外道の裏切り。

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続く10月の両国大会ではオカダに続いて棚橋の権利書の挑んだジェイ、そのヒールファイトで棚橋を押し込むも最後は棚橋の原点回帰ともいえる”電光石火”の丸め込みで敗北。
試合後納得のいかないジェイが棚橋をさらに甚振っているのに業を煮やしたオカダが割って入るも今度は外道の相方たる邪道、そしてBULLET CLUB OGの面々が現れ、ジェイと結託。
結果としては1.5でのケニーのBULLET CLUB勧誘を断っておきながら”BULLET CLUB”を手中に収めることにも成功しているんですよねぇ。

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この一連の出来事によって、G1での敗戦以降は「同じチームだから許してやる」としていたオカダの考えも変わったのか、その後初のコメントになった10/16後楽園では「オマエは俺がしっかり正してやる」とコメントし、それ以降PowerStruggleシリーズでも連日CHAOS対”新成”BULLET CLUBの対戦が組まれるように・・・

とまぁ1.6の突然のCHAOS加入から始まった関係性が、気づけばG1以降の新日本の地方巡業のメインに定着しているというのがオカダ対ジェイの構図なんですよね。
東京ドームの他のカードももちろんそれぞれの歴史なんかもあるんですが、オカダ対ジェイに関しては2018年の1.6から始まって、この1年通して継続した関係性、対立関係の終着点と言えなくもないという。
まぁオカダさんは考えなしに勧誘したみたいなことを言ってた気がしますけど、ジェイに取っちゃ初めから計画の内だった、のかなぁ。

生年月日・デビュー日

オカダ 1987年11月8日  2004年8月29日
ジェイ 1992年10月9日  2013年2月19日

そんな二人の各種数値についてもまとめてみますが、これまで若い若い言われてたオカダさんの5歳年下のジェイ、ここまで若いと完璧にオカダ以降の世代になりますかね。
でデビュー日でいうと9年も後、オカダさんがかなり早い方だったなんて気もしますがキャリア5年弱で東京ドームでシングルマッチ組まれるだけでかなりスゴイの部類って気はします。

身長体重

オカダ 191㎝ 107㎏
ジェイ 186㎝ 100㎏

体格としてはジェイの方が少し小さい程度、試合などで並び立った時にサイズ差が感じられるような違いではないですね。
オカダさんにとってみれば、これまで体格・年齢的に見合うような相手があまりいなかった、ライバル不足が課題・問題として挙げられていた部分はあるのでそういう点ではジェイは待ちに待ったその人材って感じはしますね。

タイトル歴

オカダ ヤングドラゴン杯、IWGPヘビー4回、G1 CLIMAX 2回、NJC
4タイトル、8回

ジェイ IWGPUS
1タイトル、1回

一応タイトル歴についてまとめですけど、ジェイもデビュー5年目にしちゃ十分ではありますが今のところケニーからとったIWGP USのみ。
これまで何度かこういうまとめをしてきたとは思いますけど、こういう経歴でオカダさんが上回るにって初なんでは…?
そういう部分でもオカダさんより若い選手なんだなぁと感じいるばかり。

まぁお互い新日本所属なので参戦団体、試合数については省くとします。

 

所感雑感

というわけでオカダ対ジェイについてまとめでした、”まとめ”の割に大分長くなってしまった気がするけどお兄さん許して・・・

まぁそれはさておき、ジェイとしてはキャリア2度目の東京ドームでのシングルマッチ、オカダさんとしてはキャリア2度目の東京ドームでのノンタイトル戦なわけです。
まぁこれをもってオカダさんのキャリア的に低調と見ることもできるとは思いますし、事実「今を楽しんでる」と口にしつつも「オカダの対戦相手がジェイでいいのか?」なんてこともインタビューで口にしているわけですけど、
これこそオカダさんがIWGPを手放して手に入れたもんなんではなかろうか、と思っていたりもします。
ある種ベルトを持っていた場合の物事の進み方ってはっきりしていて、何かの形で借りを作ってそれをタイトルマッチで返す、NJCやG1での覇者を迎え撃つ、その繰り返しをV12ロードの2年間やってきたわけで、そのロードの中だと抗争は長くて1,2か月といったところでそれが終わればまた次へ・・・という繰り返しだったわけですけど、
今回のジェイとの抗争は少なくとも9月の神戸大会から12月のWTLシリーズまで地方で繰り返し対戦しているカードですし、因縁を遡れば上記のように今年の初めまで遡れるわけで。
勿論対棚橋、対内藤の抗争はそれこそヤングライオン時代に遡れるわけですけど、実際にこうしてリング上の構図として対立を継続していた期間としてはこの対ジェイが最長だったりしない?とも思います。
それは少なくともベルトを持っていたらできなかったことではありますし、これがまた棚橋や将来的には内藤さんケニーがいなくなった後の新たな黄金カードに向けた種まきであるとも取れるわけです。
そういう意味ではゼロから関係を作り上げる、クリエイティブな所業をこうして見れているのは一ファンとして面白いし、オカダさんやジェイにとっても得るもののあることではないかなぁと思う次第です。
まぁ実際のところ、こういう抗争が面白くなければ問題ですけど、個人的には面白いですし、少なからぬ注目も集めているッぽいですし、そこは問題なさそう。
まぁまた別の見方として、2012年からのブシロード新日本体制で確立した”エース育成法”で育った二人がこうして直接ぶつかる事例というのも今回が初ではあるので、そういう意味でも新日本としては、タイトルがかかっていなくても重要度が高い一戦なんじゃないかなぁと思ったりもしてます。

www.pwanalysis.com

きょうはこれまで、それでは

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