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バリエーションで振り返るレインメーカー

気付けば”レインメーカー”として凱旋帰国をした2012.1.4から早くも7年半の月日が流れ、その風貌もコスチュームも試合の構成も結構変わったオカダさんではありますが、
その一方で変わっていないのはその代名詞でもある必殺技「レインメーカー」。
凱旋帰国時に披露して以降、途中でレッドインクやコブラクラッチなどの締め技・関節技を開発したりもしましたけど、正統なフィニッシャーとしての立場を堅持し続けています。

その一方で状況に合わせて変わってきた、増えてきたのはそのバリエーション。
つい先日のG1 CLIMAX 28で新たなバリエーションであるローリング式が披露されたりもしたのでここらへんでこれまで披露されたレインメーカー・バリエーションについておおよその時系列で振り返っていきましょう。

【追記】
2019/4/28に改訂版記事を出しました
バリエーションで振り返る”七色の”レインメーカー - プロレス統計

 

初期型レインメーカー

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(新日本プロレス公式サイトより引用)

2012.1.4に初披露。
相手を背中側から掴みかかり、相手の右手を自分の左手で取る。
そこから右手で相手の背中を押して回転させ、腕が伸び切って正対したところで掴んだ腕を引っ張って引き付け、その勢いでランニングネックブリーカーを決める。
言わずと知れた”幻”の技(黒歴史ともいう)、というのもこの次シリーズからは後述する正調レインメーカーを使うようになったためこの技の仕様は吉橋とのW凱旋試合と2018年のG1で行われた吉橋との公式戦の2回のみ。

ちなみにオカダは闘龍門時代に師匠であったウルティモドラゴンから「お前は動ける馬場になれ!」と言われていたらしく、ジャイアント馬場の得意技であった脳天唐竹割やビッグブーツ、そしてランニングネックブリーカーを若手時代から使っていた。
そういう意味で初期型レインメーカーは若手時代の得意技の正統発展型とも言える。

正調レインメーカー

(新日本プロレス公式サイトより引用)

2012年の1.4以降から今日までのメインの決め技となっている、中継での初公開は2012.2.5など。
相手のバックを取ってから腕を引き寄せるまでは同一で、そこから自分も右足で踏み込みながら右腕を相手の首元に叩きつける。
ちなみに「腕を持ってのラリアット」と表現されることもあるが、踏み込む足や腕の使い方的には所謂アックスボンバーであり、2013年9月の小島とのIWGP戦を前にしてラリアットが得意な小島に対して「僕のレインメーカーはアックスボンバーですから」とインタビューで答えている。
ちなみにアックスボンバーの開発者であるハルク・ホーガンとはTNA遠征時代にバックステージでニアミスしていたはずなのでそこから発想を得た可能性もある。

本来は優れた体格と腕力で相手を吹き飛ばすラリアット・アックスボンバー系の技であるのに対して、レインメーカーの肝は引き寄せられた相手と踏み込んだ自分の相対速度の大きさにあり、それによって決して分厚いとは言えないオカダの体でも威力を発揮している、ような気がする。
逆に言えば、威力を増す(または相手の体勢を崩す)ための初期動作(相手の腕を取って回転させ引き寄せる)が大きな隙になり、ここで切り返されること多数。
むしろ「レインメーカーをどう防ぐか、切り返すか」が相手の腕の見せ所になっている現状もある。

バックスライド式レインメーカー

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(新日本プロレスワールドより引用)

2013.10.14、棚橋とのIWGP戦にて初公開。
上記の通りオカダの決め技として使い続けられ、さらには大きな初期動作もあってか対策を取られることが多くなったレインメーカー。
特に棚橋は対オカダ戦の数も多勝ったためにこの試合でもなかなか決めることができない展開が続いていた。
そこで切り出したのが相手の意表を突くこの技。
相手の背面に回るまでは同じですが所謂バックスライド(逆さ抑え込み)と同じように背中合わせに立ち、左手を相手の右腕に絡ませる。
そこから自分が回り込みながら相手を回転させ、手を掴んだまま相手と正対する形に入り、レインメーカーを打ち込む。
正調式が自分が動かず相手の姿勢を回転+前後の動きで崩すのに対して、こちらの場合は自分も大きく動くことになる。
「バックスライド」とは所謂逆さ抑え込みの英語名だが、最初の背中合わせの状態がその丸め込みの初期状態に似ていることからバックスライド式と呼ばれる。

この後のアンダーソン戦でも決め手になった技ではあるがそれ以降の使用はない。
正調のレインメーカーの威力の要は上述の通り相手の姿勢を崩して引き寄せること、そして自分の踏み込みである。
その一方でバックスライド式は相手の回転で姿勢を崩すことはできるものの、相手の引き寄せが不十分、かつ自分が動き回るために踏み込みの”溜め”ができないこともあり、インパクトが不十分になりがちな面があるためだろうか。

逆さ抑え込み派生レインメーカー

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(新日本プロレスワールド試合映像より引用)

2014.8.10、G1 CLIMAX 24の優勝決定戦で披露。
上記のバックスライド式はあくまで技の入りがバックスライド=逆さ抑え込みに似ていただけだったが、こちらの場合は一度逆さ抑え込みでカウントを取り、それをはねのけたとみるや、相手の腕を離さず、体を起こしたところにレインメーカーを打つ。
通常のレインメーカーが相手を横回転させての技ならこちらは相手を立て回転させてのレインメーカーになる。

こちらの場合はバックスライド式と比較して自分の移動も逆さ抑え込みから立ち上がるぐらいで踏み込みが十分なものになるためインパクトは十分。
しかし使用頻度は少なめ、これ以外だといつかのAJ戦ぐらい?

ショートレンジレインメーカー

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(新日本プロレスワールド試合映像より引用)

2016.1.4の棚橋とのIWGP戦で公開(と言っても上の中邑戦でもそれっぽいのを出してたりもするんだけど)
最初の相手の体制の崩しを兼ねた回転動作を省いた簡易型、相手の腕を掴んで引き寄せ、アックスボンバーを打つ。
最初は上記写真のように一度レインメーカーを防がれても手を放さず、無理やりに放つという形だったが、そのうち咄嗟のスキを見て手を掴んではなったり、腕を掴んで引きずり回してから打ったりとバリエーションが増えた。
ある意味でオカダのV12達成期における象徴的な技でもある。
しかしフィニッシュになることは少なく、あくまで簡易型として正調式へのつなぎ技である。
結果としてレインメーカーの乱発にもなり、一発の重みが減るなんという声もあったからか最近では温存気味。

ローリングレインメーカー

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(新日本プロレスワールドより引用)

2018.7.20に公開した新型のレインメーカー。
とはいうものの最初は所謂ディスカスラリアット、ローリングラリアットだった。
その後浜松YOSHI-HASHI戦で一応の完成を見た。
相手のバックを取るまでは同じだが相手の右手を右手で持ち、手を引っ張って相手を反転させ、そこから自身が回転してラリアットを打つ。
ここまでくると何をもって「レインメーカー」とするかも悩みどころではあるものの、「相手の手を取る」「クローズライン系の打撃」に加えて「回転動作」が入ってる当たりショートレンジよりもよっぽどレインメーカーっぽいよなぁと思ったりしますね。
現状この技もフィニッシュではなくフィニッシュ前の技になっていることが多い。

 

所感雑感

というわけで七色、には1色足りないレインメーカー・バリエーションでした。
せっかく雨をキーワードにしてるんだからどうせならあと1種類を足して七色にしたいとこですけどいつになることやら。
初期型・正調は2012年、バックスライドが2013年、逆さ抑え込みが2014年、ショートレンジが2016年、そしてローリングが2018年に開発なので大体1~2年に一度新バリエーション開発って感じなので2020年ぐらいには七色になってるんじゃないですかね。
よくあるバリエーションで考えると雪崩式(どうやるんだ)、ランニング式(もうアックスボンバーでは)、リストロック式(もうやってる)とかありますけどどれもなぁ。

そういう中でいうとリバース・レインメーカーとかどうかなぁって考えたりもしたんですよね、裏昇天とか裏GTRみたいな感じで。
向かい合う形で相手の左手を背中側でロックし、回転させて後ろを向けさせてその後頭部にアックスボンバーを・・・ってこれは結構危なそうだ。

きょうはこれまで、それでは


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