プロレス統計

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ABEMA視聴数ランキングでみる格闘チャンネルとK-1とプロレス その1

歴史を振り返ってみればプロレスと映像の関係は常に密接なものだったと言えます。
日本に限っても力道山の日本プロレスと言えば街頭テレビでの中継がその地位を確固たるものにし、力道山亡き後は弟子たる馬場と猪木をTV局が奪い合ったのもあって全日本・新日本の潮流が生まれ、また一方でその中継枠が消失し、深夜に録画番組を細々と行うようになってから一般大衆から熱狂的ファンへとその支持層が変遷していった、
ということも見方によっては言え、プロレスの歴史にテレビあり、ということはまず言えそうなもんです。

勿論現在も新日本プロレスは少しでも早い時間帯への復帰を画策し続け、アメリカではWWEとAEWが熾烈な視聴率戦争を繰り広げている真っ最中で、依然としてテレビというメディアは重要な位置を占めているわけですが、
その一方で2010年代以降のプロレスというと同じ映像でもネットでの配信へと大きく舵を切った印象もあります。
その中でも多かったのは「独自のサブスクリプションサービス」の立ち上げ、及び「YouTubeの活用」の二つ、なのですがこと日本に限ればここにもう一つ無視できない存在「ABEMA」が割り込んできます。

ご存じABEMAはテレビ朝日とCyberAgentが共同出資で立ち上げた「インターネットテレビ局」ともいうべきストリーミングサービス。
YouTubeやNetflixのような動画サービスとの最も違いは、それこそさながらテレビのように「複数のチャンネルで番組が常に流れている」ということでしょう。
一応今は所謂オンデマンドで放送後の番組の視聴もでき陵なのですが、基本的には見たい番組は番組表を見て決まった時間・決まったチャンネルにアクセスすることで見る、という。
「いつでも・どこでも」を基本として時間と場所の制約から視聴者を開放することで好評を得てきたであろうこれまでの動画配信サービスとは真逆のコンセプトではあるんですが、一方でライヴイベントの中継とかでは依然として「ライヴであること」に注目が集まり、話題になりますし、Amazon Prime Videoなどの既存のオンデマンド型のサービスで複数人でコンテンツを同時視聴できるサービスを開始するなど、「時間を同じくする」ことへのメリットは確かに存在するようで、それにいち早く着目したサービスなのは確かでしょうね。

そんなABEMAですが、上述の共同出資した2社を見てわかるように、
片や日本で唯一プロレスの地上波番組を継続しているテレビ朝日に、
片やこの数年でどんどんと有力団体を傘下に収めプロレス業界での勢力を拡大しているCyberAgent。
こんなこともあって開設当初から今に至るまで、プロレスの番組は(多分)切れ間なく放映されています。
そうなってくると「果たしてプロレスは他の格闘技と、他のジャンルと比べてどうなのか?」などと気になってくるのが人の性。
というわけで今回は満を持して、ABEMAに関して調査してみました。

(長すぎたので2部構成にしました)
(その1はABEMA全体編、その2は格闘チャンネル内編になっています)

 

調べたもの

YouTubeやニコニコ動画などの動画サイトにはその動画の人気度などを測る指標として再生数を用いることができると思いますが、ABEMAにも似た指標として視聴数というものがあります。
この視聴数についてはその定義が中々ややこしいので後述*1(参考:*2*3するとしますが、ことABEMA内の番組の”人気度”を比較する上では有効な数字と言えるでしょう。

この視聴数は番組中にリアルタイムでカウントされ、画面にも表示されていますが、放送終了すると基本的には確認する手段がありません。
しかしABEMAにはその日の視聴数TOP50を記録したAbemaTV ランキングというものが存在し、しかもこれが開局した2016年から今に至るまで継続しているのです。
1日に放送している番組数は50じゃきかないので、全体を考えると一部の情報と言えるでしょうけど、長期間のトレンドの推移を見る上ではかなり有用なので、今回はこのAbema TV ランキングを全て集計することで以下の解析を行っていきます。
ちなみに集計できたのは2016年4月2日~2020年12月16日(集計日前日)までの4年半弱のデータになります。

各月総視聴数

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まず初めに上記ランキングにランクインした番組視聴数の各月ごと合計をプロットしたものが上図。
開局から半年の間は上昇傾向があり、2017年からはほぼ横ばい、2017年末に鋭いピークがあります*4が、その後もほぼ横ばい。
縦軸は10の8乗なので毎月の総視聴数は約2~3億視聴数というのが現在のABEMAのようですね(各日に直すと数千万視聴数/日と言った感じか)。

一応データとしては週刊アクティブユーザー数(WAU)は年々増加しており、2019年末には1000万WAUを達成した(参考:Abema TV、2019年9月期は過去最高の視聴者数獲得 最も見られた番組は? (2/2) - ITmedia ビジネスオンライン)とも発表しているんですが、そことは必ずしも一致しない感じですね(TOP50以下の視聴数がが伸びていたりするんだろうか)

いずれにしろ視聴数に関しては開幕初期の半年弱の期間を除けば規模的にはあまり変化はなく、単純に数値での比較が可能と言えそうです。

2020年チャンネル別ランクイン回数

さてここからはチャンネル別の解析を行っていきます。
ABEMAには現在20弱のチャンネルが常設されていますが、結構頻繁に新設されたり無くなったり、一時的に増設されたりなんてこともあるようですね。
ちなみに今回の本題となるプロレス等が放送されている格闘チャンネルはfighting-sportsという名前になっています。

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各チャンネルランクイン回数上位(2020/1/1~12/16)

まず初めに2020年のランキングに入選した回数のTOP10及び、TOP5が締める割合を示したのが上図になるます。
ランクイン回数が最も多かったのはabema-newsで3722回(21.2%)でダントツ、WAUについて紹介していた先述の記事なんかでもニュースは視聴数が多くABEMAの中でも注目をよく集めたという話はありましたね。
それに次ぐのがanime-live, abema-anime, everybody-animeのアニメ系チャンネル3つでこの3チャンネルで全体の43.6%を締めているのでやはりネットテレビ局としてアニメの需要は高いということですかね。
しかしそれに次ぐのが麻雀(mahjong)というのが意外に過ぎる。

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上位5チャンネルに関して開局以後の各月のランクイン回数の推移を示したのが上図です。
こうしてみるとabema-newsは開局当時から安定して高く、2020年は特にランクイン回数が増えた感がありますね。
一方アニメ3チャンネルは2018年ごろからランクインしているようですが2019年末までに急成長しabema-newsを一時は上回るも2020年はガクッと下がる形に、世間的な情勢で如何にネットテレビとはいえ「アニメ見ている気分では…」という感じがあったんだろうか。

2020年各チャンネル総視聴数

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各チャンネル総視聴数(2020/1/1~12/16)

今度はランクイン回数でなく、各チャンネルごとの総視聴数でトップ5、トップ10を調べてみたものがこちら。
こちらではアニメ関連2チャンネル(abema-anime, anime-live)が2トップになり、abema-newsは3位に甘んじる形に。
視聴数自体が「その番組中の総アクセス数」に近いものである以上、番組時間が長ければ長いほどこの数値は優位になりがちではあるので、アニメの一挙放送などもあるアニメ関連チャンネルが優位になる傾向はあるかもしれませんね。
それと比べればnews自体は長くても数時間でキリが付くでしょうし、だかこそランクイン回数では上回ったとも。
しかしこうしてみるとアニメやニュースなどに交じって将棋(shogi)及び麻雀(mahjong)がランクインしているというのは意外でもあります(でも他のスポーツなどと違い、時間制限がないジャンルでもあるので番組時間が長く、視聴数が伸びやすい傾向はあるかもしれない)

2020年最高再生数番組TOP20

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ここで2020年の(と言ってもまだ終わっていませんが)視聴数TOP20について調べてみたものがこちら。
トップ4が乃木坂46関連の長時間番組なのは過去上述した理屈にも合致していますね。
そしてここでも将棋関連番組、というか藤井聡太棋士の対戦がTOP20の内に10個もランクインしているのは脅威ですらあります*5
また格闘チャンネル(fighting-sports)からは3.22に放送されたK'FESTA.3が370万視聴数で唯一ランクインしていますね。

 

所感雑感

あまりにも長すぎたので2つに分割します。
その2へ続く。

きょうはこれまで、それでは

*1:参考にもあるように「その番組にアクセスした回数」が視聴数であるため、所謂”視聴者数”や”再生数”とも異なる数値である。例えば1人の視聴者が1度番組Aを見て、別チャンネルの番組Bに一旦変えてからAに戻れば視聴数は+2される

*2:ABEMA独自指標「視聴数」ホントの話【k/mの意味】

*3:「AbemaTV」の元SMAP出演番組、視聴者数の真相:日経クロストレンド

*4:稲垣・草彅・香取 3人でインターネットはじめます『72時間ホンネテレビ』が放送されたタイミングらしく、この一連の番組が現在でも視聴数の上位を独占している

*5:ランキングの関係上2日にまたがる番組はそれぞれの日にランクインでき、なおかつ視聴数は総合計を用いている節があるのでトップ4の乃木坂の4番組は実際は2番組に相当します。この辺を踏まえて集計すべきでしたね、反省