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ABEMA視聴数ランキングでみる格闘チャンネルとK-1とプロレス その2

その1から引き続き、ABEMAの視聴者数ランキングを元にABEMA、そして格闘チャンネルの現状を考えます。
前回はABEMA全体についてのデータを中心としましたが、今回はスポーツ系・格闘チャンネル、そのなかでもプロレス系番組についてまとめます。
詳しい集計法などについてはその1をご覧ください。

 

スポーツ系チャンネル総視聴者数推移

ここまで見てきた通り、ABEMAの中ではアニメやニュース系が結構強く、それに加えてスペシャル番組なんかも人気を博しているようですが、その一方で今回の主題樽格闘チャンネルやその他スポーツチャンネルは中々上位に食い込めていないようでもあります。
ちなみに、これまで述べてきたランキングにおいて、2020年の格闘チャンネルは
総視聴数は26.88Mで12位ランクイン回数では108回で13位などとなっていました。
(将棋や麻雀がより好評を博しているっていうのはかなり意外な結果ではありました)
ということでここでは特にスポーツ系のチャンネルについてちょっと調べてみました。

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上でも示した毎月の総視聴者数の推移を格闘(fighting-sports)、世界のスポーツ(world-sports)、相撲(sumo)、釣り(fishing)の4チャンネルで調べたもの。
スポーツ関連は他にもあったりはするんですが、かなり視聴数が少なかったり、期間が極一部だったりしたので、視聴数がそこそこ多くなおかつ長期間続いているチャンネルということでこれらを選んでいます。

こうしてみるとスポーツの中でいうと格闘と世界のスポーツは視聴数的に張り合う関係にあり、どちらも多い時には月間1000万視聴数を記録していたようです。
しかし、特に格闘チャンネルでは大まかな傾向として2017年始めににピークを迎え、その後徐々に減少傾向にあるのがうかがえます。
2、3ヶ月に1回程度のペースでピークがあるものの、その振動を踏まえてもここ数年は視聴数面で減少しつつあるのが現状のようですね。

 

格闘チャンネル内各格闘技視聴数推移

さてそれでは本題の本題として格闘チャンネル内の各格闘技の視聴数について調べてみます。
ABEMAランキングでは番組名と視聴数に加えて番組へのリンクからどのチャンネルで行われたのかもきっちり調べることができるんですが、一方でそのチャンネル内のどの番組だったのか?については何かのタグがあるわけでもないので番組タイトルから特定キーワード(K-1や新日本など、新日本なら大会名や選手名でも検索)で検索するしかないので少し検索漏れがあるかもしれませんが、あくまで参考ということで。

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格闘チャンネル4団体総視聴数/ランクイン数推移

各月の総視聴数(左)とランクイン回数(右)の集計結果が上の2図。
詳しく見てみると結構いろんな格闘技団体の中継はあったんですが、ここでは視聴数が多かったK-1とABEMAで中継を行ったプロレス団体である新日本、DDT、NOAHについて表示しています。
こうしてみると視聴数でもランクイン回数でも目立つのはK-1と新日本という感じで、どちらの面から見ても両団体がABEMA格闘チャンネルの看板コンテンツだった、と言えそうですけど、両者の推移は対照的と言ってもよいですね。

新日本プロレスは2017年半ばにピークを迎えるような推移を示しており、その頃はABEMAでも頻繁に大会の中継や、各選手の試合の一気見企画なども頻繁に行われていた印象で、ランクイン回数もダントツで覆いですね。
そのかいもあってか2017年はK-1を上回る視聴数をほぼ維持していたようですが、2018年以降は視聴数が徐々に減り、2019年からは視聴数もほぼ無いような状況になっています。

一方のK-1は開幕後から現在まで続くABEMA格闘チャンネルにおける長寿コンテンツであり、現在の推移やランキングでの数値を見るに現在のメインコンテンツであると言っても過言ではないでしょう。
しかしその特徴として各月ごとのデータをとった時、視聴数が多い月とほとんどない月でかなりバラツキが現れていることが挙げられます。
K-1の詳しい大会・中継日程はちょっと存じないですが、1試合1試合の準備に時間がかかり、かつ試合後ダメージが大きい格闘技の場合どうしても大会の間隔が大きめになるのは道理ですかね。
その代わり1回1回の注目度が高く、ランクイン回数こそ少なくなりつつあるようですが、大きな大会のある月の視聴数は高いレベルを維持している感じ。

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 その証拠に格闘チャンネル全期間の総視聴数TOP20中15個はK-1関連(残るはRISEという格闘技の番組)となっており、ABEMA格闘チャンネルにおいてはやはりK-1が一大コンテンツとなっているのは確かなようですね。

一方でトップ20にプロレスが入ってこないのは視聴者層の規模の違いを感じるところですが、せっかくなのでプロレス3団体内でのトップ20を調べてみたのが以下。

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総視聴数が最も多かったのは最新参のNOAH!いやぁ確かに公式Twitterでも視聴数をかなりアピールしていたし実際調子が良いんだなぁ…
と最初思っていたんですが、番組名と日付を見てみるとN-1 VICTORYの一公式戦で決勝でも開幕でもなし、「ABEMA独占」「アーカイブが1週間無料配信*1」とはあるもののそれは翌9/23の夜興行も同様。
一体何がここまで視聴数を上げることになったのか・・・?と現状なっています。
一つ他の日と異なる点として同日のランキングを見ると、K-1でビッグマッチが中継されていたようでトップ3がその関連番組となっており格闘チャンネル自体の視聴数が多かった感はあります。
とはいえノア中継はfighting-sports-3、K-1はfighting-sportsと別チャンネルだったので例えば「K-1をつけていたらノアにスイッチして視聴者が流れることになった」なんてことはないでしょうし。
そしてこうしてかなり高い視聴数をGETしていればノア公式でも何らかの宣伝がある気がするんですがそれも見当たらず、なんとも不思議な結果*2です。

閑話休題、こうしてランキングを見てみると上位のほとんど、TOP20中の18個は新日本関連番組(一挙配信系も含む)で、上述のN-1 VICTORYと2018年のDDT・Judgementが食い込んでいるという感じですね。

ちなみに、プロレス中継は格闘チャンネル以外(ABEMA SPECIALなど)でも中継することがあり、実際6月21日の大会ではABEMASPECIALの方で上位にランクインした*3ことがあったのですが、そういった事例も踏まえて番組名から、チャンネルを限定せずに検索したTOP20が下、あまり変化がない感じもしますが2017年の大プロレス祭りが入っていたり、上述のノアの大会が入っていたりという場合は確かにあるようです。
さらにちなみにこの日のABEMA SPECIALの中継を見ると0~17時に乃木坂の46時間TVがあり(総視聴数1030万、同日1位)、その後極楽とんぼのタイムリミットなる番組が19時まであり(視聴数65万、同日4位)、それに続けてノアの中継(視聴数32万、10位)だったので前番組から流れてきた視聴者がそのまま見たため…という可能性はありそうですね

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所感雑感

というわけで初めて集計したものについてその全体から1番組まで掘り下げていったために過去最高に長くなってしまいましたが、やりたいことはとりあえずやり切った感があります。
簡単にまとめるなら、

  • ABEMA内ではチャンネルとしてはニュースアニメ系が人気
  • 格闘チャンネルは総視聴数は減少傾向にあるもののK-1ビッグマッチなどの視聴数は依然として高い
  • プロレス系は中継数が多かった新日本は総視聴数で上回った時期もあったが、番組ごとの視聴数では敵わない
  • プロレス系番組で最もみられたのは9.22ノアN-1 VICTORY公式戦[要検証]

という感じでしょうか。
詳しい解析はまたやらないといけないとは思いますが、個人的な印象としてはまだまだ格闘技自体がニッチなジャンルでプロレスはなおのことニッチ、ただし格闘技のビッグイベントだけはまだ対抗しうる、という感じでしょうか。
そういうことを言うと所謂地上波でも似たような傾向がある気もしますが、ネット・非ネットに限らず一般層はそういうものかもしれません。

ここまでまとめるのに少し疲れたので年末にかけてはまた別の解析をする予定ですが、2020年の結果が全部出てからもう一度解析したいとは思います。

ちなみに、今回の解析については高倉仮面 (@Masked_Takakura)さんとの会話から着想を得て、ABEMAにおける格闘チャンネルの立ち位置や、格闘チャンネルにおけるプロレスの立ち位置などを考えるに至りました。
この経験で痛感したのはやはり「気になっている」ということは何かをするにあたってきっかけになることが多く、ちょっと多忙でそういう「気になる」暇がない最近だとそういうヒントを与えてもらえるのは助かったりします。
なのでTwitterでもブログでも、直接話しかけても引用してコメントでもいいので「俺はこういうのが気になってるんだけど?」というのを出してくれると助かるのでどんどんお願いします(無論着手するかどうかはさておき、この記事も会話から10日ぐらいかかってるし)。

きょうはこれまで、それでは

*1:ツイート

*2:単純にノアが好評を博した、という見方もできるんですがそれであれば他の中継で視聴数が伸びていないことに説明がつかないので何かの理由がありそう、でもわからん、ので不思議

*3:公式の報告ツイートランキング