プロレス統計

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新日本プロレスワールドの映像アーカイブについて諸解析

嫌が応にもSTAY HOMEせざるを得ない昨今、心強い味方になるのが各種映像配信サイト。
今やプロレスに限ってもいくつもの団体の配信サービスができたわけですが、いざ時間つぶしに見てみよう!となっても「・・・でどれを見る?」となってしまうんですよね。
特に新日本プロレスワールドは、アーカイブは充実しているものの如何せん試合検索の機能が貧弱で・・・目当ての試合を探すのも一苦労。

だったらどうする?自分でアーカイブ検索システムを作ればいいんじゃ!
ということで現在「非公式新日本プロレスワールド詳細検索システム」の作製に取り組んでいます。
今回はその前段階として新日本プロレスワールドのアーカイブの集計が完了したのでそれを使って諸解析を紹介です。

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詳細検索システムの代替案として、ワールド内のアーカイブの中でも評価の高い試合についてランダムで紹介する診断メーカー、新日本プロレスワールドおススメ試合診断を作成しました。
診断メーカーの仕様上、ツイートにURLを直接貼り付けできないので自分でワールドのURLへ文字列貼り付けが必要なんですが、お暇時間に是非。

 

集計したもの

そもそもこれまで各種Webページのスクレイピングに使っていたBeautifulSoupではスクレイピングできなかったんですよね*1
しかしPythonにはSeleniumというパッケージもあり、こちらはPythonからブラウザを自動操作(クローリング)するパッケージで、これで表示したWebサイトをスクレイピングすることも可能に*2
SeleniumとBeautifulSoupを組み合わせて使うこともできるのでhtmlを取得して以降はいつも通りに集計できた感じですね。

新日本プロレスワールドにはいろんなタイプのアーカイブ(試合映像・英語コメンタリー版試合映像・バックステージコメント・インタビュー・会見・興行の通し映像等)があるわけですが、今回は試合映像(日本語実況版)のみについて集計しています。

アーカイブ映像数

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集計できたのは全5748試合
上図はその内新日本プロレスワールド開始*3以前に行われた試合映像(Before)と以降の試合映像(After WORLD)の割合を示した円グラフで、新日本プロレスワールド開始以降の動画が全体の4分の3を占めていることが分かります。
新日本プロレス自体は1972年旗揚げで今年48周年、WORLDは始まってから5年なので時間的には約10分の1に過ぎないんですが、やはり過去の映像アーカイブの数は現在と比べるとかなり少ないと言えるでしょう。

年別アーカイブ数

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各年別のアーカイブ数を示した棒グラフがこちら、先ほどの円グラフと同じくWORLD以前は青、以降はオレンジで示しています。
御覧の通りWORLDが本格始動した2015年からアーカイブ数は2~3倍近くに増加しているのがみえ、昨年2019年には過去最多の1116試合がアーカイブされています。
2019年はそもそもの試合数もここ数年で最多(1340試合)となっており*4、それを反映していると言えるでしょう。

参考として*52019年の総試合数に対するアーカイブ試合数の網羅率は83%、2018年の同数値が71%だったので10%近くアーカイブの網羅率が上昇しているようです。
また2019年の大会数は172大会でアーカイブ大会数は159大会(1部のみを含む)なので大会の網羅率は92%、2018年はこれが80%だったのでこれも10%上昇ということに。
こうしてみると近年のWORLDのアーカイブ網羅率はすさまじい。

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先ほどの図の内WORLD開始以前の部分が見やすいように縦軸のスケールを変更したものがこちら。
こうしてみるとWORLD開始以前でもブシロード体制に移行した2012年以降の映像アーカイブは比較的多めですね。
対して旗揚げ初期の70年代海賊男・巌流島・TPG襲来と一寸先はハプニングだった80年代終盤、所謂新日本暗黒期と言われる00年代の3つの時期はアーカイブが少なめですね。
逆に過去アーカイブとしては80年代半ば(俺たちの世代?)、90年代(闘魂三銃士時代)は比較的アーカイブとしても充実している感じですかね。

高評価試合数

冒頭に紹介した診断メーカーの試合は400試合弱の試合をランダムでピックアップするんですが、その試合の選出はいつもお馴染みCagematchから、ファンの10段階評価の平均値が8以上の試合を選出しています。
ご存じの通りCagematchは海外ファン主体のデータベースサイトなので「海外ファンの高評価」ということを踏まえてごらんください。
以下ではそこでピックアップされた試合を高評価試合として、その試合分布を先ほどのグラフと同様に示してみます。

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まず初めに新日本プロレスワールド開始前後の試合で高評価試合の割合を示して物が子の円グラフ、濃い色で示しているのがそれぞれの期間の高評価試合の割合に相当しています。
結果、高評価試合はアーカイブ全体の7.4%、その内2.2%がWORLD以前5.2%がWORLD以降の試合になっています。
別の見方でいうとWORLD以前の試合の8.8%が、WORLD以降の試合の6.9%が高評価を受けているということになり、WORLD以前のアーカイブの方が高評価な試合の割合が高いといえます。
まぁそもそもWORLD以前のアーカイブはそれ自体がある程度選りすぐった試合のみのはずなので多少高評価率が高くなるのは道理ですかね。

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続いては年別の高評価アーカイブ数、こちらでは評価8点以上と9点以上を色を分けて示し、またワールド開始以降を緑色で示しています。
アーカイブ数自体では2015年以降数倍に増えていましたが高評価試合自体は2013~2016年まではそこまで変化がなく、2017年から一気に高評価試合が増えた感じですね。
更に9点以上の試合に関して言うと2018年をピークに2019年は減少を見せているのが見えます。
2017~2018年という時期を見るにやはりケニー率いるtheELITEへの海外ファンの評価がかなり高かったんではないかということが見られますね。

 

所感雑感

というわけで新日本プロレスワールドに関して集計解析結果でした。
まぁやりたいことに関してはここまでは割と通ったことがある道でここからが未知のエリアなのでここからが大変なんですけども、まぁ時間は腐るほどあるのでじっくりやりますわ。
とか言っておいて数日後に公式で詳細検索実装!とかなったら泣くかもしれないけど。

きょうはこれまで、それでは

*1:おそらくアカウントでログインをする必要があるサイトはBeautifulSoupではログイン後のページが表示できない、とか?

*2:【完全版】PythonとSeleniumでブラウザを自動操作(クローリング/スクレイピング)するチートシート | たぬハック

*3:2014年12月1日

*4:各種数値で振り返る2019年の新日本プロレス:選手戦績編 - プロレス統計

*5:アーカイブの試合数に重複がある、もしくは別団体の映像アーカイブもあるのであくまで参考までに