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日本国外で行われたIWGPヘビー級選手権を振り返る

 約1週間後に迫った新日本プロレスのイギリスビッグマッチRoyalQuest、いろんな事情で当日はFITE.tvで中継、後日新日本プロレスワールドで配信という形のようですね。
まぁ私はいつも大抵中継終了後に集計をしてからじっくり見るタイプなのでどちらでもいいんですが、確かに中継を見れる人が減ってしまうとすると集計のし甲斐が・・・という要らぬ心配をする日々です。

それはさておきもちろん大会自体、観客の反応も含めて楽しみなんですが、やはり注目してしまうのはメインのIWGPヘビー級戦。
自分がオカダファンというのもあるんでしょうけど普通に楽しみにしています。

で、ふと思うと日本国外でのIWGPヘビー級戦ってあんまり頻繁にはやってないよな?という気がしたのでわかる限りでまとめてみました。

 

ユークス期以前

所謂ユークス期以前、2005年11月14日よりも前の時点はネット上の情報も中々なくて情報を集めるのも苦労するところですが、いつもお馴染みcagematchで検索したところ、この時期にも4度ほど日本国外でのIWGPヘビー級の防衛記録がありました。

最初に国外でIWGPヘビー級の防衛戦を行ったのは第3代王者時代の藤波辰爾選手。
1988年12月11日(12日とも)アメリカ・テネシー州、Continental Wrestling Associationという団体においてトミー・レーンという選手を相手に防衛戦を行い防衛に成功しています。
このCWAという団体に関してはあまり詳しくないんですが、これに先んじてジェリー・ローラーの持つAWA世界ヘビー級にしてたりする一方で参戦はこの2戦のみ、一時的に交流があった?んですかね。

その後しばらく国外での防衛戦が途絶えたものの、1998年9月23日に永田さんに勝って王者になったスコット・ノートン選手がホームともいえるアメリカ・WCWのリングで2度防衛戦を行っています(11.2 ヴァン・ハンマー、11.9 ロディ、いずれも防衛)。
しかも記録を見ると2戦目となったロディという選手相手の防衛戦はなんと18秒で勝利を収めているという、まさに秒殺・・・

その後またしばらく国外での防衛戦はなかったのですが、2005年6月4日に天山広吉選手がイタリアはミラノにおいてスコット・ノートンを相手に防衛戦をしています(防衛)。
おそらくこれがヨーロッパで初めて行われたIWGPヘビー級戦、のはずです。

 

そしてユークス期末の2011年にはNJPW Invation Tour 2011と題してニューヨークで新日本プロレスのイベントが開催され、その目玉の一つとして当時王者だった棚橋弘至選手の防衛戦が行われました、相手はチャーリー・ハースなる選手。
一応この大会については一部動画が残ってたりもするんですがこの試合に関しては映像も試合詳細もなし、という。
チャーリー・ハースいったい何者なんだ…

というわけでユークス期以前には5度のIWGP防衛戦が日本国外で行われていたようです。
以降はブシロード体制になってからの話。

2014.5.17 AJスタイルズvsオカダ・カズチカvsマイケル・エルガン

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今となっては離れ離れになった3人の邂逅(2011.5.14)

(新日本プロレス公式サイトより引用)

ブシロード体制移行の新日本の海外興行にはROHの存在はある種欠かせない存在ですらあります。
その最初の海外でのIWGPヘビー級戦もROHとの合同興行のリング上で、しかも
3WAYの形式で行われました。
しかもそれがAJスタイルズオカダ・カズチカ、そして今をときめくマイケル・エルガンというのがなんとも時間の流れの速さを感じますね。
しかしこの時は大会直前になってオカダの対戦相手がフライトの都合で欠場、それに伴って挑戦表明して3WAYへ変更、という流れもなんというかアメプロナイズドされてた感じある。

 

2017.07.01 オカダ・カズチカvsCody

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新日本プロレス主催の初のアメリカビッグマッチのメインだった(2017.7.1)

(新日本プロレス公式サイトより引用試合映像

時は流れて2017年、本格的に海外進出を目指し始めた新日本プロレスはROHとの合同興行という形でなく、新日本主催のビッグマッチをついにアメリカで開催し始めることに。
その会場になったロングビーチ・コンベンションセンターは収容人数2000人弱と決して大きい会場ではなかったものの、「ついに新日本がきた!」という熱気が確かにあった会場だったと思います。
その目玉の一つとしてIWGP US王座初代王者決定トーナメントも2日間に分けて開催されましたが、初日のメインイベントは勿論IWGPヘビー級選手権。
当時絶対王者とも呼ばれたオカダにBULLET CLUBのサブリーダーともいえるCodyが挑む一戦でした。
言ってみれば新日本の現在進行形のトップ対血統書付きのアメリカンプロレスのトップスター、という構図でもありましたね。
そういった特殊な構図こそあれ、上記の防衛戦と比べるといわゆる日本で行われているいつもの防衛戦に近い試合だったような気もします。

2018.07.07 ケニー・オメガvsCody

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BULLET CLUB内乱第一章の結末、そして第ニ章の始まり(2018.7.7)

(新日本プロレス公式サイトより引用試合映像)

その後、他にもアメリカでの大会はあったもののIWGPヘビー級戦が行われたのは丸1年後の7.7、カリフォルニア州のカウパレスにて行われました。
当時の王者は遂に、漸く、念願のIWGPヘビー級を奪取したケニー・オメガ、そして対戦相手はそのタイトル奪取を前後してBULLET CLUBの内紛抗争を引き起こしたともいえる相手Cody
思えばこの前年のオカダとのIWGP戦の時にもいざこざがあった両者ですけど、丸々1年かけて(引き延ばしてともいう)の決着戦という形だったんですねぇ。
とはいえ「プロレスは終わりのない連続ドラマ」とはよく言ったもので、この試合を経てこの二人は元の鞘に納まった一方で今度はタマらの不満が爆発し・・・というまさにTo be continuedな試合だった覚えがあります(まぁ続かなかったわけですが)。

2019.04.06 ジェイ・ホワイトvsオカダ・カズチカ

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激動の中”乗り切った”MSG大会(2019.4.6)

(新日本プロレス公式サイトより引用試合映像)

 

そして翌2019年、新日本はある種「満を持して」のつもりでROHとともにMSGへと乗り出しました。
つもり、となったのは大会が発表されて以降ケニーをはじめとした主力外国人選手が離脱してしまったこと、それによって海外展開にかなりの不安視があったのは繰り返しになりますけど事実ですし現状でもあります。
それでも会場は満員のまま、大歓声の中でメインイベントを迎え、終えることができたのは今思い出してもほっと胸をなでおろすところです、プロモーター気分でいうと。
一ファンとしてみれば2019年初めから近年まれにみるド級ヒールとしてタイトル戦線に上り詰めたジェイ・ホワイトと、それこそ満を持して一大ベビーフェイスとしてリングに登ったオカダ・カズチカ、その若い両者、新日本道場経験者の両者によってメインイベントが大盛況のうちに締めくくられたのは満足以外の何物でもなかったような気がします。
ちなみにここで紹介したいずれの防衛戦もチャンピオンの防衛だったので、この時のジェイは「国外防衛戦で初めて敗北した王者」、対してオカダは「国外で初めてタイトル奪取した挑戦者」であるといえますね。

 

所感雑感

というわけでcagematch調べではありますが、過去に行われた日本国外でのIWGPヘビー級防衛戦についてのまとめでした。
まぁみていただければわかるように、国外防衛戦といってもアメリカが大半、天山さんがイタリアで1回行っている、ということで今回のようにイギリスでIWGPヘビー級が争われるのは史上初・・・のはずなんですよね、誰かが勝手にかけたりしてなければ…
まぁいずれにしろ歴史的な一戦、記憶に残るかはその日次第ですが、記録に残るのは確かな一戦になりそうです。

きょうはこれまで、それでは。