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過去対戦で振り返るケニー・オメガ対棚橋弘至

さて先日のKing of Pro-Wrestking両国大会をもって2019年の1.4東京ドームの第一弾カード、現状変なことさえ起きなければメインで争われるであろうカードが発表されましたね。
IWGPヘビー級選手権試合、王者ケニー・オメガ対挑戦者棚橋弘至。
まぁこの二人、そして今回の挑戦に関する丁々発止のマイク、会見でのコメント、そして各媒体での発言は皆さんご存知でしょうけど、いや一体この二人過去に何があったんだ、っていうぐらい厳しいものの連続。
この二人の対立が「イデオロギー闘争」なんて言われてはいますが、果たして本当に”イデオロギー闘争”と言えるのかはさておき、ファンもマスコミもブロガーに至ってもケニー派・棚橋派に分かれて争っている感もあります。

まぁ自分個人としてはどちらにつくほどファンでもないので彼らの主張はさておき、いつものように過去の対戦について振り返りたいと思います。
と言っても実際のシングルでの対戦は1度のみなので、その対戦の前後の流れも含めて振り返りです。
まぁまとめてみればこの二人がどうしてここまで対立しちゃったのかわかるかと思いきや逆に”リング上では”関係性が薄くて逆に謎が深まったりもしましたが、いずれにしたってまとめです。

 

2016.1.30 そもそものきっかけ、代打・棚橋

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この二人の唯一の対戦のきっかけとなったのは2016年の1月5日、ケニー・オメガがBULLET CLUBのニューリーダーになり替わると同時にヘビー級へ転向し、その手始めに当時IWGPインターコンチ王者だった中邑に挑戦表明をしました。
しかし日を同じくして中邑の1月いっぱいでの新日本退団、そしてベルトの返上も明らかになりました。
予定されていた防衛戦は2月の新潟大会、ケニーは空位となったIC王座を誰かほかの選手と争わねばならないことに。
そこに名乗りを上げたのが、中邑の壮行試合の相手を務めた因縁浅からぬ相手である棚橋弘至。
いわばケニーとの因縁はなく、あくまでも中邑の代打として、プロレス的に言うとXとしてケニーと対戦することに。

2016.2.14 唯一のシングル対戦

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試合映像
そして迎えた2.14新潟。
正直に言えば、この試合が決まった時点で所謂”新日本ファン”は棚橋の側についてい他とは思います。
対してケニーはBULLETCLUBのリーダーでありながら棚橋らに負けない支持・人気を持っていたAJを打ちのめして追い出した張本人、そしてそれまでのジュニアヘビーでも満足な活躍もできていない、とあって支持率という意味で一歩も二歩も及んでいなかったような気が。
とはいえこの時点ですでに棚橋も満身創痍、それは加齢によるものもあるでしょうけど例年1.4以降の半年ぐらいはずっと調子が悪い印象があって、この時も右肩に大きなテーピング、この怪我はこの後にも影響していきます。
逆に言えばコンディションが不十分だからこそ試合前からそのシチュエーションづくりに凝るのかなぁとも。
試合としてはケニーが一歩的に攻め立て、それに必死に耐えるも次第にヤングバックスやエルガンも乱入する荒れた展開に。
しかし互いに凶器攻撃、介入が出そろった後はケニーのフィジカルに押し切られる形で敗北、最後はコンディション面の差が如実に出たのかなぁ。

いずれにしても、タイトルマッチまで色々あったものの、ケニーにとってはヘビー級転向から幸先の良いベルト戴冠、そして棚橋はドームの配線に引き続いての更なる敗戦、ある種明暗が分かれた形になりました。

ケニー対棚橋、幻の大阪城ラダーマッチ

この一戦が現在に至るまでの唯一のケニー対棚橋のシングルマッチ、なわけですがその実もう一度対戦が組まれかかったものの直前になってお流れになってしまったのでそれについてもまとめましょう。

2016.4.27 再選を狙う棚橋

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しかしそれであきらめない、諦めさせてもらえないのが棚橋弘至、IWGPヘビー戦線では内藤哲也の戴冠などの動きがあったことで陰に隠れがちだったIC・ケニーに再び照準を定め、当時BULLET CLUBのNo.2であったファレを倒したのちに、同じく棚橋のパートナーだったマイケル・エルガンを相手にベルトを防衛した棚橋が現れる。
場所は博多スターレーン、本来は熊本において防衛戦が行われるはずだったのですが2016年4月14日に熊本自身が発生し、大会が中止になり、タイトルマッチは急遽通常の大会だった博多スターレーンで行われることになったんですよね。
しかしケニーはこれを拒否し、試合でも用いたラダーで棚橋を打ち据えます。

2016.5.3 あきらめない棚橋

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それでもあきらめない棚橋、奇しくもシリーズ最終戦である福岡国際センター大会でヨシタツ&エルガンと保持していたNEVER6人タッグの防衛戦がケニー率いるtheELITEとの間であった。
試合自体はヨシタツが敗れてしまい王座は移動。
しかし試合後に再度、今度は英語で挑戦表明をすると、一度は拒否されるものの今度は「ラダーマッチであれば」という条件付きでケニーは承諾。
ここに”IWGP”と名の付くベルトどころか新日本のタイトルマッチでもかなり珍しいラダーマッチの機運が高まった。

2016.5.21 流れるタイトルマッチ

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しかし次期シリーズ、Best of the Super Jr.の開幕戦において再び対戦した両者だったがその試合後、ケニーはラダーと椅子を使って棚橋を攻撃。
結果として棚橋は左肩剥離骨折、二頭筋断裂によってこの大会以降欠場し、G1直前まで休養することに。
まぁ元々テーピングが耐えない状態で例年であれば多少は前線から離れざるを得ないところを、棚橋やAJなど主力の離脱もあって強行出場を続けた結果の蓄積ダメージにトドメが入った、っていう感じですかね。
いずれにしても、2月の代打と違って今度は一から因縁をきづき上げるもタイトルマッチは流れてしまうことに。

2016.6.19 大会ベストバウトのラダーマッチ

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そして大阪城ホール当日、棚橋の代打となったのはマイケル・エルガン。
大阪城ホールの高い天井から吊り下げられたベルトを取ったものが勝ち、という慣れない形式に加え、定着こそすれまだ新顔の印象の抜けないケニーとエルガンという二人の対戦。
正直不安要素はかなりありましたが、結果としてはこれが大当たり。
それはどちらもカナダ出身であり、これまでのキャリアの中でこういったラダーやイス、机を用いるハードコアな試合も数多く見て、実際に経験してきたからこその経験値、そして何も持たない二人だからこそ気負いなく、思うが儘にド派手に試合ができたからという部分もあります。
結果としては、メインが不調だったのもあってか、カウトウログさんが当時行ったベストバウト投票で1位を獲得しました。
棚橋の欠場というアクシデントに端を発して、いくつもの要素が組み合わさったからこそのカラッとした痛快な試合、ケニーとエルガンにとっての作品が偶然にも生まれたということですね。

 

所感雑感

というわけでケニーと棚橋の過去対戦+αでした。
よく考えると2回目の対戦が流れた怪我は(一応は)ケニーによるもの、となっているためにそれを切り口に対戦があってもおかしくなかった気もするんですけどまさかその後2年10カ月にわたって対戦がないとは・・・
まぁその後ケニーはG1優勝からオカダとの抗争、BC内紛などまた別軸でやることもあったので単純に機を逸したということもあるんでしょうけども。

また逆にここまで「因縁があるようでない」ということが二人の何とも言えないお互いへの対立意識にもつながってるのかなぁとも。
つまりは全く別の価値観を持ったままこの3年間を過ごしていたわけで、その間棚橋はどちらかというと不調が続いた、一歩のケニーは一気に新日本の将来を託されるような男になった。
これがオカダや内藤であれば、棚橋との抗争を経てきたこともあって「俺が育てた」とふんぞり返ることもできるんでしょうけど、ケニーの場合はそこまでやり合ったわけでなく、棚橋とは全く別に評価を上げてきた(棚橋にとっての)異分子となるわけで。
勿論嫉妬もあるんでしょうけど、互いを(少なくとも棚橋がケニーを)理解できるほど交わっていなかった、というのが根幹にあるような気もします。

まぁいずれにしても振り返るほど無かった過去対戦でした。
きょうはこれまで、それでは


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