プロレス統計

「プロレスの数字とプロレスする」をテーマにプロレスに関連する数字を調べ、まとめ、考えるブログです。

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各数値で比較する3大ヘビー級リーグ戦

さてすっかり気温的には夏の予感もしてきた昨今皆様いかがお過ごしでしょうか。
自分は早くも夏の準備をし始めた結果体調を崩しました、ほんとに貧弱だなお前

それはさておき、春といえば全日本プロレスのチャンピオンカーニバル、気づけばリーグ戦も佳境を迎えているようですね。
ちゃんと追えているわけではないですけど各初参戦選手がインパクトを残し、「ヨシタツ幻想(ファンタジー)」なんていう言葉も生まれているらしい・・・気になる・・・
と思っていたらじょうさんというブログで以下のような記事を発見。

joesinfojp.hatenablog.com

わりとファンの間で散々語られてましたが全日本レスラーのでかいことでかいこと、上記記事では第1回チャンピオンカーニバルのメンバーの体格が紹介されていますけど平均身長185.8cm、平均体重118.4kg、平均とってもこんだけでかいとは・・・
しかし第1回チャンピオンカーニバル開催は1973年、それからゆうに45年の月日を経て選手の小型化とかもあったんじゃないかなぁ、という気もしますね。

ということで今回は全日本の春のチャンピオンカーニバル、に加えて新日本の夏のG1CLIMAX、ノアの年末のGlobal League戦について色々と数値を調べて見ました。

 

集計条件

今回集計したのはいずれも2012年~最新の大会、全日本なら2018年、新日本・ノアなら2017年までの各ヘビー級リーグ戦における
参戦選手の平均年齢・キャリア・身長・体重などの基本データです。
年齢、キャリアについては大会の開催された当時のもの、身長体重については過去のデータを探すのも大変そうだったのでWikipediaや公式HPに載っている最新データを用いています。

平均年齢推移

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まず初めに平均年齢についてです。
上の図の横軸が大会の年、縦軸が平均年齢になっており、凡例の通り水色が新日本のG1CLIMAX(以下G1)、オレンジが全日本のチャンピオンカーニバル(以下CC)、緑がノアのグローバルリーグ(以下GL)のデータになっています。
平均年齢のデータについては基本的に「メンバーが変わらなければ1年ごとに平均年齢+1」ということになるので基本としては単調増加傾向にあるはずです。
その一方で+1されないどころかそれ以上に大きく増えたり逆に減ったりしている場合にはメンバーがかなり変わっていることを示しています。

で、データを見ていると大きな変化が見えるのは全日本、2013-2014年は大きく平均年齢が増加しています。
というのも2013年の7月に全日本から武藤さんら11名の選手が離脱しW-1を旗揚げしてるんですよね。
2013年のCC出場者12人中の5人がその離脱組だっただけにCCへの出場面子も大きく変わらざるを得なかった、というのが実情かと思います。
その結果として、宮原・ゼウスといった今も全日本の屋台骨を支える若手が参戦した一方でぽっかり空いた穴を埋めるためにケンドー・カシンや西村修といったフリーのベテランが入ったことで年齢層が上がったのかなぁと。

その一方でまた大きな変化が起きたのが2016年、2015年と比較して3歳近くも平均年齢が下がりました。
2015年の下半期に潮崎や曙ら4名が退団したことでさらに選手層が薄くなったのを今度は宮原らの若手世代を積極的に登用することでその穴を埋めることになったんですね、2016年の初めには宮原が史上最年少の三冠王者になってますし。
さらにこの年は大日本や他団体との交流も活発化してCCには関本野村神谷、真霜や崔やスーパータイガーなどが参戦しています。

というのを見るに分裂や離脱などがあってメンバーが大きく変わったとしても年齢がぐっと上がるのかぐっと下がるのか、についてはその時々の「どう穴をふさいだのか」によりますね。

そういう意味で言うと同じく大きな面子の変化があったのはノアで、2015年ー2017年にかけて鈴木軍が参戦していますが、加入時の変化は年齢層的には定常的な変化のみって感じですね。
これはノアの主力の年齢層と鈴木軍のメンバーの年齢層が同じぐらいだったということだとは思います。
2016年には鈴木軍侵略も終盤ですが弱冠20歳の清宮が新たに参入することでぐっと平均年齢が下がった感じですかね。
そして2017年には鈴木軍が撤退し、その穴を埋めるように小峠、拳王が参入したことで更に年齢が下がっています。

そういう意味だと余り年齢層に変化が見えないのは新日本、AJや中邑らが離脱した2016年にはEVILやSANADA、ケニーといった新戦力によって年齢が下がりましたが基本的には大きな穴が空く事も少ないためか、ベテラン勢と若手が交代するなどして徐々に平均が上がっていくような感じですね。
パッと見平均年齢が37歳を上回らないように調整してあるような感じもしますね。

年代推移

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というように平均年齢は毎年自動で+1される関係で見づらいので各年の参戦選手の「2012年時点での年齢」で平均を取るとこんな感じ。
単純な平均年齢で余り大きな変化がなかった新日本では2014-2016にかけて12年当時35歳だった棚橋らの世代から12年当時31歳だった内藤らの世代に世代交代が行われたって感じですかね。

そういう推移で見るとノアはいままさに世代交代中で2015年までが12年当時30半ばの丸藤森嶋ら世代が中心だったのが今は12年当時30歳の潮崎世代まで下がってきてます。
見ている印象だと主戦力的には更にその下の拳王小峠中嶋ら12年当時20代半ばだった世代に移りつつある感じはあるのでそっちに移行できるかどうかって感じですかね。

世代変化という意味で一番大きいのはやっぱり全日本。
12年当時35歳だった諏訪魔世代から当時30歳のゼウスやジョーの世代へ移っています。

という風に話してみると新日本と全日本に関しては2012-2018の間にベルト戦線の中心にたったオカダや宮原、中嶋の年代が活躍はすれど中心世代にはまだなってないんですね。
まぁいくら活躍したといってもベテランも健在ってこともあって平均値が上方向にずれるってこともありますけど、逆に言えば彼らの活躍もまだまだこれからってことでもありますかね。

平均キャリア推移

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続いて平均キャリアについて推移をまとめ。
基本的には平均年齢と同じような推移を描くはずで3団体とも年齢での変化をマイルドにした感じの推移になってますね。

こうして見ると意外なのは2012年以降、チャンピオンカーニバルにおける平均キャリアは他2リーグ戦を常に下回ってるってことですかね。
新日本のG1がキャリア12~15年で推移しているのに対し全日本は9~14年という感じ。
これに関しては新日本ではヤングライオン制度などの関係もあってある程度キャリアを積んだ選手しか本戦に入れないのに対して、全日本の場合は若くてもどんどんとトップどころに絡んでいく慣例があるってことでしょうかね。
武藤全日本のころも真田やKAI、征矢といった面子はデビュー5年とかで参加してますし。

そうした比較で言うと基本的に長キャリアの傾向があるのがノア、2015年は鈴木軍にも長キャリアの選手が結構いたのもあって高かったんですが、それ以後は減少傾向にあり、2017年は2012年と同じく新日本と同程度の平均年齢になってきていますね。

デビュー世代推移

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年齢と同じく全ての数値を「2012年当時のキャリア」としてその推移を見てみるとこんな感じ、こちらも世代推移とおおよそ同じ傾向ですかね。
まぁ参考として。

平均体重推移

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続いて平均体重の推移ですがこれに関しては「2015年以前の全日本大型過ぎ!」に尽きると思います。
平均値にして25kg近く新日本やノアの数値よりも上なんですから恐ろしいですよ、ジャイアント馬場から続く全日本の伝統ですかね。
とはいえちゃんと面子を調べてみると2015年までは曙や浜といったスーパーヘビー級がいたことでかなり平均値が引き上げられてた部分はあるんですよね。
ということでAJPW'としたのは曙や浜を除いた平均値、それでも明らかに他2団体とは数kgの差があるのでやっぱ大型選手ぞろいですね。

新日本やノアに関しては103~110kgを推移している感じですが近年は新日本に軽量化傾向がありますかね、ケニーやザック、飯伏といった元ジュニアヘビー級の選手が増えた影響だろうか。

冒頭に紹介した第1回チャンピオンカーニバルでの平均体重は118.4kgでしたが、2015年以前の全日本はこれを超えている辺りちゃんと伝統が残っていたってことですかね。
しかしその後は5kg以上減の数値に落ち着いているので、これは日本プロレス界自体の変化、小型化って感じですかねぇ。

平均身長

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続いて身長の推移、これに関してもやっぱり全日本は大型な傾向が強いですね。
ちなみに体重でも2016年には谷間になるような数値が出ていますがこの年については諏訪魔の負傷欠場でジュニアの青木(170cm、85kg)が出場しているのでその影響かもしれません。
新日本については2014年以降こちらも小型化傾向が見て取れますが2017年には増加、ノアは2015年以降小型化傾向ですね。

冒頭で紹介した第1回CCでは平均身長が185.8cm、全日本は2013-2015の間でそれを上回り、今もそれに近い数値になっている辺り、体重面では試合スタイルの変化の関係もあるんでしょうけど、体格面ではちゃんと伝統が生き残ってるといってもいいでしょう。

所感雑感

というわけで年齢・キャリア・身長・体重で振り返ってみる所謂3大リーグ戦でした。
まとめてみると年代やキャリアについてはいずれの団体も若返り・世代交代の傾向が見られましたね、どの団体も2015-2016年にその傾向が強いだけにこの時期って日本のプロレス界の激変期だったんだなぁ・・・
そして身長体重については、前々から思ってましたけど全日本がまさに「デカくて強い」を地で行っている事がわかりました、そういう意味で他の2リーグ戦とはリング上で差別化が出来ているって感じですかね。

と言いつつ今回は年齢推移の部分でちょっと力尽きた感があるのでまたいつか、G1の選手が発表された当たりでリベンジしたいと思います、その前にBOSJとかで似たことやるかもしれないですけど。

きょうはこれまで、それでは

おまけ

上記データに大日本プロレスの一騎当千およびDDTのD王グランプリのデータを加えたもの。
全然傾向が違っていたのでなんとなくおまけに

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