プロレス統計

「プロレスの数字とプロレスする」をテーマにプロレスに関連する数字を調べ、まとめ、考えるブログです。

MENU

過去2戦で振り返る内藤哲也対鈴木みのる

NEW JAPAN CUP2018も決勝戦を待つのみになった昨今皆様いかがお過ごしでしょうか。
このブログの記事で書いたかどうかは覚えてないんですが開幕前は「優勝は飯伏!これマジ!」と宣言していただけにザックに負けたときはしゅん・・・となってましたけど結果的にはザックが勝っても棚橋が勝っても面白そうな感じだな、という気分になってきました。

それはさておき、今月は旗揚げ以降連日新日本プロレスワールドにおいて試合中継があってそのツイート解析記事ばっかでしたが久々に過去戦績振り返りです。
今回は、実際はまだ対戦が正式決定したわけではないですけど対戦が濃厚と考えられている内藤哲也対鈴木みのるについてです。

今シリーズからタッグながら対戦が増え、俄かに機運が高まっているこの二人の過去シングル2戦、そしてその後の展望について所感をまとめてみました。


2013.8.4 G1 CLIMAX 23 大阪大会・第7試合(試合映像)

www.njpw.co.jp

この二人の初遭遇は2013年のG1大阪大会、この大会はニコ生のiPPVで観戦していた覚えがありますね、その後も名勝負数え歌が続いた石井対柴田や中邑対飯伏の初対戦が行われた大会。
2013年というとみのるは2月にスペシャルシングルでオカダに土を付け、それをきっかけにレスリングどんたくでオカダのIWGPに挑戦し、2012年に続いて新日本での健在振りを見せ付けていた時期。
一方の内藤さんはこの年6月に膝の負傷から復帰して挑んだG1、ということで試合はみのるのしつこいまでの膝攻めに苦しむ展開。
さらには張り手合戦に自分から飛び込む形で口から血を流しながらの、スターダストプレスでの勝利。
思えばこの時期って、田中や石井といったゴツゴツ系との対戦も多かったからか、張り手や頭突きみたいな攻撃を多用していた印象がありますね。

2014.8.4 G1 CLIMAX 24 愛知大会・第5試合

www.njpw.co.jp

そして2度目の対戦は翌年のG1、奇しくも同日の愛知県体育館、残念ながらこの大会はワールドに映像がなかったんです。
前回の対戦からの経緯としては
内藤はG1を優勝しオカダのIWGPに挑むもののファンからの拒絶反応を喰らってセミ降格、さらには2月に持っていたNEVERのベルトを石井に奪われ、Wikipediaにも「失速した」って書かれる状況(こういうこと書くのねWikipedia)。
一方鈴木も新日本に定期参戦するようになった桜庭とタッグでの抗争に明け暮れる日々でタイトルにも中々絡めない1年でした。
言ってみれば前回の対戦は2012年以前は「ポスト棚橋、新世代のエース」だった内藤と「棚橋の牙城を脅かす最強の外敵」だった鈴木のNEXTステージ的な状況だったのが、今回は両者共にエアポケットに入ったような状況でしたかね。
結果としてはみのるが奥の手・逆落としまで出してスリーパーホールドでレフリーストップ勝ち。
試合後の内藤さんは「この借りはG1後に返す」と宣言するもその機会も恵まれず、鈴木はノアへ行くことに

そして2018年、”折れる”のはどっちか

そんなこんなで過去対戦成績1勝1敗の二人ですが、おそらくは3度目となる対戦がその内組まれることでしょう。
こうして過去戦績を挙げてはみましたが、正直言うとあまりあてにならない気もしますね。
内藤さんは言わずもがな2015-2016年にレスラーとしてがらりと変貌しており、また鈴木みのるも2015-2016年のノア遠征を経てより研ぎ澄まされた凶暴なレスラーに変貌しています。
この両者の共通点を上げればどちらも支持率の高いLIJ,鈴木軍という軍団の首魁であるということで、この両者がぶつかればそれこそ軍団抗争の様相は強くなりますね。
これまでのジュニア同士やTAKAタイチ興行での対戦はあったものの、というかそこで醸成された期待感がここで決着するというか。

ですが、その一方でこの二人は正反対な部分も持っていて
以前も書いたと思いますが、コメント解析をしたときに述べたように、内藤哲也は「勝ち負け、ベルトにこだわらない」レスラーであります。
常々「俺の存在はベルトを超えた」という発言もしますし、もう1年近く前の話になりますが、「ベルトに価値なし」を主張するかのように旧IWGPICのベルトを散々破壊したこともあったりします。
実際そのICのベルトもエルガンを挑発した結果エルガンが噛み付いてきたところを奪い取った形で、結果的に手に入ってしまったような形でしたしね。

その一方で鈴木は旗揚げ記念日の防衛戦後のコメントで以下のように述べています

オイ、命と身体を張ったヤツが、セミファイナルで。何も懸けない遊びみたいな、これからやるあの2人(オカダ・カズチカ、ウィル・オスプレイ)がこの興行を締める? なんて無様なんだ、お前たち。
(中略)そのうち、間違いなく“すべて”が俺の手の中に来る。そう、すべてだ。この世の宝、すべてだ。 

 と述べて、自身のタイトルマッチよりも上にノンタイトル戦のオカダ対オスプレイが行われたことに不満を表していて、つまりは「勝ち負け、ベルトにこだわる」レスラーといえると思います。
鈴木のこれまでの新日本での防衛戦も、ドームの後藤戦を前に挑戦者の後藤にも髪の毛を賭けさせて試合に臨んだのが記憶に新しいように、挑戦者にも”何か”を賭けさせること、そこまでの熱意を表すことを求めている節はありますね。

というように、ベルト・タイトルに関する考え方は真っ向から対立している二人、実際NJC前には鈴木は「俺の頭を踏みつけてる奴」と称してオカダへの挑戦を匂わし、実際今シリーズで対戦した際にはお互いにベルトを誇示するシーンもありましたが、それ以上に意識している様子なのは無冠の内藤哲也。
これまでの流れを踏まえれば横道のようにも見えますが、TAKAタイチ興行での内藤対タイチ以来の機運見たいなものを敏感に感じ取ったって感じですかね。
それは内藤自身も同じようで上に乗せた公式Twitterの写真をみても両者共にまんざらでもなさそう。

なんですが、ここで「よしやろう!」とならないのがこの両者の面倒くさい面白いところ。
ここ最近の様子を見ていると両者共に上記の信念を突き通すためにも、なんとか「相手に挑戦表明させる」ことに腐心している感じですね。
そのためにわざとらしく試合中に頭を踏みつけてみたり唾を吐いたり、鈴木も内藤の膝を厳しく攻めたりとそれぞれ流の挑発を繰り返している。
当然、今のところどちらも自分の信念を折らず、挑発合戦に終始しているわけですけど、逆に言えば何とか相手に挑戦表明させればその時点でタイトルマッチの主導権を取れるともいえますね。
そういう意味だとタイトルマッチでどちらが勝つのか、以前に「どちらが折れるのか?」も非常に興味深いと思います。

しかし、過去2戦を振り返っても、まさか将来こういう関係になるとは思いも付かないあたりプロレスって面白いもんですね。

おそらく今日、3.21に行われる長岡大会で何らかの進展があると思われますが、楽しみに待ちましょう。

それでは