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過去シングル10戦で振り返るオカダ対棚橋

さて気づけば2018年度も始まった昨今皆様いかがお過ごしでしょうか。
4.1両国大会の結果を踏まえて、今日次期どんたくシリーズのカードが発表されましたね。
今回のどんたくシリーズはどんたく・博多大会が2daysある上に久々の熊本・レスリング火の国も開催、広島大会もビッグマッチ扱いではないにしても「安芸の国」というサブタイトル付き、そして後楽園に至ってはなんと4大会もあるという結構なボリュームのシリーズとなりました。

 都合3週間・17大会のシリーズの最終試合はIWGPヘビー級、”V11対決”オカダ対棚橋に決まりました。
先日のツイート解析でこの二人の対決は大阪城かなーとか言ってたんですけど早速予想が覆ってしまった・・・まぁ去年もNJC準優勝だったファレがどんたくで挑んでましたし可能性がないわけでもなかったな。

いずれにしろ、2012~2015年の新日本プロレスを牽引したと言ってもいい黄金カードの再来、ということで今回は過去のオカダ対棚橋、全10シングルについて振り返ってみようと思います。

2010.1.31 岡田和親壮行試合

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二人の初対戦となったのは2010年のディファ有明、将来有望な若手の一人だった岡田に対して既にIWGPも巻いたトップの一角だった棚橋が胸を貸すようなシチュエーション。
棚橋も、元々じっくりしたレスリングが好きだったのもあるんでしょうけど、岡田に対して高圧的にレスリングで潰しに行く試合を見せてますね。
それに対してやっぱり当時の岡田は線も細ければ一発も軽いという感じでまざまざとその差を見せ付けられたって感じ。
キャリアとか経験値を考えたらまぁ仕方がないって感じですけど、ともかくこれがオカダ対棚橋の始まりでした。
というかなんかセコンドに聞き覚えのある声が・・・と思ったらタイチがセコンドについてますね、そういえば新日本本デビュー戦は対タイチでしたっけ。

ちなみに当時棚橋34歳、オカダ23歳

2012.2.12 IWGP初戦 レインメーカーショック (動画)

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そして2戦目は、前人未到のV11を達成した棚橋の前に、約2年に及ぶ海外武者修行を経て戻ってきたオカダが現れた一線。
オカダのIWGP初挑戦そして初戴冠となった所謂”レインメーカーショック”と呼ばれる一戦ですね。
この一戦の前のビッグマッチ、1.4では観客の支持を得るどころかブーイングを受けるような有様だったために試合開始時は観客も「何でこいつが・・・」というか「いや無理でしょ・・・」という感じだったのが、場外でのツームストンを転機に一気に大技攻勢をかけていくにつれて会場の完成と言うかざわめきが大きくなっていくのが印象的ですね。
そして何よりもフィニッシュになったレインメーカーの決まり具合よ、ある種あの一発でフィニッシャーとしての「レインメーカー」が完成した気もしますね。
それにしても流石に6年前となると棚橋の動きもキレキレだぁ・・・

2012.6.16 IWGPリマッチ(動画)

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その後旗揚げ記念日で内藤を、どんたくでNJC覇者後藤を下したことでIWGP戴冠が偶然でなかったことを証明したオカダ。
それに対してもう一度、奇しくもIWGPを奪われた大阪の地で再戦を挑んだ棚橋。
試合映像を続けて見ると2月の対戦時とこの6月の対戦時で入場時の観客の反応が全く違うのが、オカダ、棚橋そして「オカダ対棚橋」というカードに対する変化が既に一変したということの現われですよね、ある意味この試合で黄金カードとして覚醒したというか。
この一戦を経て棚橋は再びIWGP王者に、敗れたオカダも押しも推されぬトップ選手としての地位を確立することになったんじゃないかなぁ。

2013.1.4 初めてのイッテンヨン決戦(動画)

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そしてその後オカダは初出場となったG1クライマックスを最年少で初優勝、さらにはG1優勝の副賞として東京ドームでの挑戦をぶち上げます(正確には外道さんが)。
これが今も続く東京ドームIWGPヘビー級挑戦権利書制度の始まりですけど、同時に「G1覇者がドームで勝てない」ジンクス及び「オカダさんが東京ドームの棚橋に勝てない」ジンクスの始まりでもあるんですけども
それはさておき、これで通算4戦目ともあってこの試合からお互いの動きを読み合って切り返しあったり、またそれを警戒してじっくりとした試合展開になるようになってこの試合以降30分超えの長期戦になってきますね。
試合としては2012年に行った2戦の総決算という感じでもあるんですが、見てると他の会場での対戦と全然違う印象を受けるのが不思議、会場のサイズのせいなのか東京ドーム・WrestleKingdomという場のせいなのか・・・

2013.4.7 復活の4月両国(動画)

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大舞台で負けてしまった雪辱のチャンスは思ったよりも早くやってきました。
New JapanCupに参加し優勝したオカダはこの年から復活した春の両国国技館大会、INVASION ATTACKで棚橋のIWGPヘビー級に挑戦。
東京ドームでは自身の得意戦法である膝攻めできた棚橋ですけど今回は趣向を変えて腕攻めに次ぐ腕攻め、フィニッシャーのレインメーカーを封じていく作戦ですね。
実際一度はレインメーカーを喰らったものの腕の痛みでカバーが遅れたことで3カウントを免れるといったシーンもあったり、また両腕でレインメーカーをブロックすること自体もダメージに繋がるなど「腕攻めが有効な手段である」というのがわかった試合でもあります。
しかし最後は、東京ドームでも見せた棚橋のおきて破りのツームストンをさらに切り返してのツームストンからのレインメーカーでオカダの勝利。
実際2013年は都合4度も対戦がある両者ですけど、その度に前回の試合を思い出させる攻防とその先の攻防っていうのを見せていたりします。
いずれにしてもこれで棚橋はIWGP陥落、オカダはIWGP再戴冠となり鈴木、真壁といったベテラン相手に防衛を重ねていきます。

2013.8.10 G1初対戦(動画)

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6度目の対戦はG1クライマックスのAブロック、この年はG1の優勝決定戦だけでなくその前日も両国国技館大会が開かれ、その両国1日目のメインイベントでした。
前回の対戦からおよそ4ヶ月、流石にこの間で大きな変化があった二人ではありませんけどこれまでの対戦と違うのは「30分一本勝負」という時間制限。
既に前回、前々回の試合で30分超えの試合になっていたように試合スタイルの関係かお互いの手の内がわかりきっている関係か長期戦になる二人だけに、時間制限のあるG1では時間との勝負が一つの鍵になります。
そういった中で棚橋が切り出したのは掟破りのレインメーカー、オカダの場合は右足を踏み込むアックスボンバー型なのに対して棚橋は左足を踏み込んで体の捻りで打つラリアット型なのが芸コマ。
そんな掟破りの逆レインメーカーまで繰り出したものの、試合は30分引き分け、お互いを知りすぎているがゆえに30分は短すぎるんや・・・

2013.10.14 2013年4度目の対戦(動画)

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前回の試合後、G1優勝を逃した棚橋は当時抗争をしていたバレットクラブのデヴィットをシングルマッチで下し、オカダはG1最終戦で足元をすくわれた小島に雪辱を果たし(この防衛戦がまた良いんだけども)、G1での引き分けの決着戦と称して2013年4度目の対戦に挑みます。
一応この前の神戸大会だと「2勝2敗1分け」って言ってるけど若手時代を含めるとオカダ2勝、棚橋3勝、1分けなんですけどね。
流石に1年で4戦目、しかもその内3戦は同じ東京同じIWGPヘビー級戦とあって、またかとなっていたところを「敗れた方がIWGP戦線から撤退」という条件付けをして挑む一戦(まぁ守られることはなかったんですけど、一時的にってことですかね)
というわけで何が何でも勝ちに行く棚橋、序盤ではリープフロッグで膝を痛めたフリをしてオカダの隙を生み攻撃をするという狡猾ぶりも、実際こういう戦法、ヒール的攻めも出来るのが棚橋の強さでもあるんですよね。
それ以外にも春と同じくしつこいまでの腕攻撃に棚橋の執念が見える試合でもありましたね。
しかししかし、最後の決め手となったのはここで初公開となったバックスライド式レインメーカー、この一発をもってオカダ対棚橋の対戦は一旦休止、オカダは内藤やAJとの抗争に、棚橋は中邑との抗争に移っていくことになります。

2015.1.4 オカダ1.4棚橋戦連敗(動画)

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二人が再び対戦するのは約1年後の1.4のメイン、1.4での対戦という意味では2年ぶりの対決になりますね。
正直言うと、この試合の直前までオカダはAJへのリベンジに燃えていたのが棚橋が横からベルトを掻っ攫うことでそのリベンジも先送りになり、突如としてオカダの目の前に立ちふさがったって言う感じも強いんですよね。
そういう意味でいうとこの試合の印象って、オカダモンペの自分としてはあんまり良くないんですよね。
試合の結果としては、ある意味で惨敗、退場するオカダが途中で膝から崩れ落ちて号泣しているのを見て自分も泣いていた記憶が・・・。
しかし、思えばこの試合がオカダ対棚橋、”何か”の継承闘争のスタートだったのかなぁとも。

2016.1.4 その手を放さない(動画)

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その後、AJへのリベンジも果たしたオカダの前に立ちふさがったのは、”またも”棚橋弘至。
2年連続、同一カードでの1.4メインイベントとなりましたけど、ある意味で1年の長期スパンの抗争ともいえますかね、直接対決こそ無いものの。
この試合でのハイライトはなんと言っても最終盤、レインメーカーを張り手でふさがれた直後、棚橋の手首から手を放さず、そのまま簡易版レインメーカーを連発し、最後には正調レインメーカーで初めて「東京ドームの棚橋弘至」に勝つことが出来ました。
なんというか、そのシーンもあってただ棚橋に勝っただけではなく何かを受け継いだ、継承したような試合のような気もしていて、実際に棚橋も

棚橋「……なにも……浮かばないですね。俺の夢が途切れたのか、受け継がれたのか……」

というようなコメントを残しています。
実際にこの後、棚橋のIWGP戦線復帰はこれまでになく、自身のコンディションとも闘いながらIC戦線での戦いを続けます。
一方でオカダは中邑の退団、内藤・ケニーの著しい台頭、といった流れの中で翻弄されながらもIWGP戦線の中心に立ち、戦いを今も続けています。

2016.8.12 2度目のG1も・・・(動画)

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最後のIWGP戦の8ヵ月後、激震に襲われた新日本の中で上がる選手と落ちる選手がいたのならば、所謂「旧世代の産物」とも見られたオカダと棚橋はまさに後者でしょう。
実際にこの時期は、自分も見ていて気が滅入るようなことも多く、実際にオカダにしても棚橋にしても大きく変わった環境に対して試行錯誤をしている段階だったかもなぁという。
そういう中で再び交わったのは、オカダ対棚橋でプロレスにはまった自分個人としても原点に戻る試合だった気がしますね。
試合としてはやはり二人に30分は短すぎ、「完璧な」引き分けに終わり、両者共にG1優勝決定戦進出を逃しますが、「オカダ対棚橋」の健在ぶりを見せ付けたような気がしますね。

所感雑感

といううわけでオカダ対棚橋の過去10戦でした、最終的な戦績は
オカダ4勝 棚橋4勝 2引き分け
となっています、いやぶっちゃけヤングライオンの時の勝敗を引っ張り出して「五分だ!」っていうのもどうなんって言う感じもしますけどね。
この記事を書きながら試合を見返したりしてるんですが、「いや流石に見飽きるな・・・」と思っていながら試合終盤には「やっぱり面白いなオカダ棚橋」と思う辺り、やっぱりこのカードが好きなんだなぁっていう。
とはいえ、実際に今度対戦するとなるとやっぱり棚橋のコンディションは気になっちゃいますかね、NJCのジュース戦なんかは「いけるやん!」と思ったんですけど動きが悪くなってるのは確かですしね。
いずれにしろ、凱旋してから4年半に及んだ抗争の続編、最後の対戦からは666日、1年10ヶ月ぶりの対戦だけに楽しみではあります。
また上を見てわかるようにこれまで大阪か東京でしか行われていなかった黄金カードが始めて福岡・どんたくで行われるというのも注目ですね。
”V11”対決、楽しみです。

きょうはこれまで、それでは。