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各種数値で振り返るG1 CLIMAX 30:興行成績+α編

前回から引き続き史上初だらけだったG1 CLIMAX 30について振り返っているわけですが、今回は興行的数値(と前回集計し忘れた個人成績)についてまとめです。
弊ブログだと毎月新日本については動員の変化を報告していたんですが、COVID-19の影響によって例年と大きく状況が変わり、単純な数字の比較に意味がなくなってやらなくなってしまったんですよね。
とはいえ逆に言えば、もう少しきちんと状況を踏まえて解析できるとも思ってはいたので今回は主に動員について少し深掘りして行きます。

前回:各種数値で振り返るG1 CLIMAX30:個人成績編 - プロレス統計

 

大会動員数まとめ

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G1 CLIMAX 30は19大会で開催され、総動員は3万6620人となりました。
上には新日本プロレス公式サイトから集計した2007年以降のG1 CLIMAXシリーズの大会数と動員数をまとめたもの担っていますが、大会数は2015年から一定で、動員は2012年以降右肩上がりを続けていましたが、2020年には大きく動員を下げる結果になりました。
前年が9万7千人弱だったので約6割減といったところで大きな打撃だったと言えるでしょう。

会場充填率

上述のように大きく動員を減らした結果になったわけですが、主な要因としてはプロレスに限らずあらゆるイベントにおいて会場のキャパシティ制限がかかっている現状があります。
まぁいまだにイベントを無人で開催する国も多い中、有観客でイベントを開催できるのはありがたいんでしょうけど、今現在も何とか制限をさらに緩和できないか?という試みと検証が続いており、この制限がイベント業界にとってかなり重い枷になっていることをうかがえるわけです。

逆に言うとこういった、例年はない枷がある状態で単純な動員を比較することはあまり意味がなく思えるので、ここではそういった制限後のキャパシティを仮定し、「そのキャパシティに対して何%観客が入ったのか?」を会場充填率として各年で計算をしてみましょう。

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今年の各会場の本来のキャパ、制限下のキャパそして充填率に関しては記事末に載せますが、その計算結果から各年の平均会場充填率を計算したのが上の図。
2020年は88.09%となり2019年の96.06%と比較して-8ポイントと大きく減少したことがうかがえます。
とはいえ2017~2019年が90%越えだったのに対して、2015,16年は今回とあまり変わらない90%を少し下回る程度になっており、単純な動員を見た場合よりも例年とあまり差はなかったのではないか?と思わせる感じはしますね。

とはいえ充填率は減少しており、考えうる要因としては
・COVIDへの忌避感からの客足の衰え
・例年の夏季休暇期間での開催ではなく、秋開催へ移行したため
などが考えられるでしょうか。

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一応各年において週末(weekend)と平日(weekday)の大会数を調べてみると上図のようになっており、例年から大きく変わっていないとはいえ2015年以降では週末開催7大会は最少となっています。
過去最高の動員及び会場充填率を記録した2019年は週末開催数も最多だったことから、この日程の違いも影響はあったとは思われます。
平日開催に関しても7・8月と10月でどれほど休みの取りやすさなどに違いがあるのかは定かではありませんが、あったんではないかと考えてはいます。

前回宿題:各選手勝率(前回比)

前回の個人成績まとめを終えた後に勝率については前回出場時と比較すると面白いかもしれないと思いついたので今回紹介することにしました。

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まず初めに前回大会に比べて勝率が上がった選手は6名。
大きく勝率を上げたのはEVIL、SANADA、オスプレイの3名で、前回は負け越しだったのが勝ち越しになったのが大きいですね。
いずれにしても今年に入って存在感を見せることができた選手たちなんですが、その中でいうとザックも入っているのが意外と言うか。

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続いて勝率を下げたのも6名。
この中でも大きく勝率を下げたのが鈴木みのるというのが結構意外だったりもします、しかも前回勝ち越しから今回は負け越しですし。
また前回勝ち越し→今回負け越しに変化しているのはみのると後藤さんの2名のみでした。

また下がった面子を見てみると後藤さん、オカダさん、矢野、吉橋…とCHAOS勢がずらっと下がっていて、唯一石井さんだけが勝率維持でとどまったという。
試合順なんかでもそうでしたけど、CHAOS勢は今年は奮わなかったという感じがしますね。

 

所感雑感

ということで興行成績についてでした。
昔の話ですが以前クッキークリッカーという「クリックするとクッキーが増える!」というだけのブラウザゲーが一瞬流行ったことがありまして、その時に「人間は数字が増えるだけでうれしく感じる」というような文言を見て納得したことがあるんです。
逆に言うと数字が減ると無条件で悲しくなるもんなんですが、COVIDの状況かとはいえ前年比で半分ぐらいになっている数字を見ると無条件に悲しくなるので、興行再開以降あんまりこういうまとめはしてませんでした。
とはいえそれから目をそらさずに解析して見れば見えるものもあるもんだな、と今回少し感じられたので個人的には良い収穫だったかなと思うところです。
まぁ単純に動員だけ挙げ連ねて「大幅減!」で止める人が出そうだなとも思っていたので、そっから一歩踏み込んで解析をしておけたのはより良い議論の土台を提供できたかなとも思います。

きょうはこれまで、それでは

おまけ:各大会動員/最大キャパ/COVID下キャパ/会場充填率

おまけとしてG1 CLIMAX 30での各会場の動員、会場の最大キャパ、COVID下でのキャパ、そして充填率のまとめが以下の表。
キャパシティについては席の置き方だったりである程度上下するとは思うんですが、最大キャパに関しては2015年以降の最大動員を用いています。
またCOVID下でのキャパは、これまでの興行でおおよそわかっている後楽園(700人)と両国国技館(相撲だと2500人だがG1優勝決定戦では3000人ほど入っていたのでそれを使用)以外は過去の最多動員の1/2のキャパと仮定しています。
なのでこのあたりは仮定で不正確な数値なので、あくまで参考までにということで。

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ざっと結果を見てみるとどの会場も大体8割9割埋まっていたようなんですが、神戸と広島は7割台、札幌は5割台と低めだった模様。
いやまぁG1札幌は例年少なめなんですけども、もう少しここを埋められるようになると良いんだけどなぁと毎年思っている気がする。