元はと言えば今夏に予定されていた東京オリンピックを避けるために秋開催が予定されていた第30回G1 CLIMAXでしたが、そこにCOVID-19という未曽有の非常事態が重なったため「史上初の秋開催」というだけでなく興行形式から観戦形式まで、ありとあらゆる点で史上初が重なった大会になりました。
何はともあれ予定されていた全大会、全公式戦を誰一人欠けることなく終了したというのは何よりの朗報でもあり、心から選手スタッフの皆さんにおめでとうと感謝の言葉を贈りたいところです。
世間は既に次期シリーズについて目が移りつつありますが、無事完走したG1 CLIMAXシリーズを色々と振り返ることで感謝と賞賛の代わりにしたいと思います。
で、色々何をやるかと考えているととてもじゃないけど1つの記事に収まらんのでこれから何回かに分けて各種数値を振り返って行こうと思います。
今回はリーグ戦を駆け抜けた各選手たちの個人成績に着目しました。
網羅とは到底行きませんが振り返りの参考にどうぞ。
試合順
まず初めにG1 CLIMAX 30における各ブロックでの各選手のメイン、セミ数及び平均試合数の最終結果がこのようになりました。
一番最初の結果からはあまり大きな変化はなかったですがメイン数の最多はAブロックでは飯伏オカダ、Bブロックでは内藤、セミ数ではAではジェイ、BではEVILという感じになりました。
面子をみると今年の1.4&1.5で2冠戦を争った4名+今年2冠を奪取せしめたEVILという感じで、やはり2冠に絡むことができた選手はメインやセミなど高い試合順での試合ができたようですね、所謂格が高いって奴。
平均試合順をみてもこの5名が高いのは勿論ですが次点で棚橋もかなり試合順が高いのは、上述の2冠に絡めなくとも維持している棚橋の格の高さというのが今G1でも現れた感じはしますね。
実際内藤に一歩譲ってますがメイン登場数はオカダや飯伏と一緒ですし。
一方でメインにもセミにも出場機会がなかったのはコブと裕二郎の2名。
まぁ裕二郎は久々の出場とあってしょうがない面はありますけど、コブはすっかり新日本のファンにもおなじみになったし試合も盛り上がってたのでもうちょい・・・と思わないでもない。
何やら新日本に腰を据えるつもりらしいので来年も出れればメインでコブが見たいな。
ここ3年で出場したことのある選手について平均試合順の推移を調べるべく、「公式戦の何試合目に出たのか」で各選手計算し、比較してみたのが上の表。
上表の30の列の数値が今年の数値で赤くなっているのが過去最大になった者、青くなったのが過去最少になったものになります。
行ってみれば赤は試合順を上げた選手ですが上述のように飯伏、オスプレイ、鷹木、タイチ、ジュース、矢野、内藤、EVILという感じ。
ジュースと矢野さんはちょっとよくわからないですけど他のメンツは確かにG1以前から存在感を増してる選手なんでそれが順当に試合順≒格を上げたかなって感じですね。
逆に試合順を下げたのはコブ、オカダ、石井、ジェイ、後藤、吉橋、ザック、KENTAという感じ。
特に下げ幅が大きかったのはコブ(-1)ですが、オカダさん(-0.56)と後藤さん(-0.66)も中々大きい。
相対的に見てみるとオスプレイと矢野さんだけ違いますけど、CHAOS勢は軒並み試合順を下げてたりするのでこの1年でCHAOSというユニット自体の格が下がってるんじゃ?という感じはしますね。
実際オカダさんはドーム以降はノンタイトルだし、石井後藤吉橋はNEVER6人戦線でG1以外の試合順も一昔前を思うと信じられないぐらい低いし。
まぁ試合順というのは相対的なものなのでその分LIJとか鈴木軍、BCがメインに推し立てられているということな気もします。
試合時間
以降は試合時間に関するまとめですが、公式戦は30分1本勝負、決勝は時間無制限1本勝負とフォーマットから違って比較には適していないので何れも公式戦の試合のみを取り扱っているのであしからず。
まず初めに最も試合時間が長かった5試合についてまとめたものがこちらで、
最長は9.24に行われた内藤vsザックで28分28秒、この試合の時に結構「今年の内藤さんは試合が長い」と話題にもなりましたね。
実際トップ5を見ても内藤さんが3試合でノミネートしており意図的かどうかはさておき確かに長い試合を行っていたというのは確かな様子。
というかよく見てみればAブロックの試合は10.10のオカダvs鷹木のみなので全般的にBブロックの方が長い試合が多かったのかもしれません。
ちなみに平均値で見るとAブロックは15分45秒、Bブロックは15分42秒で大差なかったですが。
逆に短時間試合でいうとG1の公式戦では最短記録になる18秒というトンデモタイムを10.6の後藤vs矢野で記録しました。
総程通り矢野さん川見の試合が3つノミネートしているので、Bブロックは長い試合の内藤さんと短い試合の矢野さんがあわさることで結果的にちょうどいい感じになっていたのかもしれない。
平均試合時間
そして各選手の平均試合時間を見てみるとトップは23分4秒と20分越えで内藤さんが堂々の1位。
途中経過で長い長いとは言っていてましたけど*1そこから少し数値は下がれどそれでも2位の石井と5分近い差をつけての最長になっています。
と言うか2位以下は大体19分ぐらいと団子なので今G1はそれこそ内藤さんだけやたら長い試合をしていたということがうかがえます。
で、歴代でどれだけ長いのかと調べてみればなんと、2007年以降のデータでは歴代最長の平均試合時間になりました。
2~4位がここ数年のオカダさんだったので「G1で長い試合をする」というオカダさんの立ち位置を内藤さんが奪い取った形になりますね。
ちなみに最短時間を見てみるとこちらもダントツで矢野さんが短い6分43秒、実に内藤さんの約4分の1という省エネ。
他のメンツをみても基本的に平均試合順が低い選手ほど試合時間が短い傾向にあるということがうかがえますが、同じく試合順が低かった吉橋がここに入っていないんですよね。
つまりは試合順が低かろうと長く試合を戦っていたというわけですが、そういう(他の選手と比較したときの)ギャップが今回散見された「吉橋が良い」という評判に繋がってたのかもしれません。
(まぁ吉橋の平均試合時間は15分56秒、全体の平均試合時間と同程度ではあるのでことさら長いというわけではなかった)
Cブロック
そして今回忘れてはいけないのが毎大会の第1試合で戦うこと18度、各選手12試合ずつのシングルマッチを戦い抜いたヤングライオンたち、上村、辻、ゲイブリエル選手らの奮闘でしょう。
例年もG1に出ていない選手の勝ち負けをCブロックと称して集計したりしてますが、例年はタッグマッチだったのに対して今回はG1と同じくシングルだったので過酷さはいつも以上だったんではないかと思います。
なので実際かなり興行にも貢献したであろう彼らの最終戦績も紹介。
まず初めに各選手間の戦績についてまとめたものが上の表、各セルは勝ち数/引き分け数/負け数という表記になっています。
結果として勝ち点14で辻選手が今年のCブロック(仮)を制したような形になりました。
しかも辻選手は上村・ゲイブ両選手に勝ち越してもいるので文句なしでこの2選手を上回った感じですかね。
残る上村・ゲイブ両選手は勝ち点でも同点、直接対決でも互角ということで勝負はつかず(うまくできてんなぁと感心してしまう)
またCブロックは3選手による総当たりを6回繰り返す形で行われていたので各節における勝ち点をまとめたのが上表。
こうしてみると1・2節では勝敗で互角だったのが3・4節を連続で辻選手が奪取、下かと思えば5節では上村選手が2連勝し、6節では辻選手が2連勝と中々のデッドヒートだった模様。
結果的にゲイブリエル選手は1節もトップに立つことはできていませんが、単独最下位になったのは3節のみと、かなり安定した戦績だったとも言えますかね
最後に3選手の平均試合時間及び総試合時間ですが、まぁ3人でぐるぐる回していたというのもあって各数値あまり大差はない感じ。
ヤングライオンの試合は15分一本勝負になることも多いため平均8分強というのは妥当な数値ではありますが、結果として1シリーズで12回のシングルマッチ、総時間1時間40分近くを経験できたというのは大きな糧になりそうですね。
所感雑感
というわけで個人成績でした、成績と言いつつ勝ち点とか全く載せてないですけどそれはまぁ公式サイトにあるのでそっちを参照してもらうということで。
開幕前は「例年通り」にこだわった感があったんですが、こうして振り返ってみるとその中身としては結構「例年通り」ではないということを強く感じましたね。
それはCOVIDの影響もありますが、それだけでなく新日本のリング上の情勢も変わりつつあるということでもあります。
それが良いかどうかは見る人が決めることですが、追いかけて記録していきたいところです。
きょうはこれまで、それでは