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G1 CLIMAX 30 各大会勝敗予想的中率解析:序盤戦編

こと近年の新日本プロレスにおけるファン文化というのは、試合を見て味わう・試合後に反芻するということもありますが、試合を前に考える想像するということに比重が高まっている感もある昨今です。
それこそ内藤さんが数年前に「想像する時間は贅沢な時間である」ということを言って賛辞を受けていたりしたのでそれはやはりそういうことなんでしょう。

ある意味そういうファンの気質を汲んで、プロモーションに繋げているのが現在開催されているG1の決勝カードおよび各試合の勝敗予想だと思います。
言葉を持たぬファンでも気軽に想像を走らせ、またそれをコミュニティに発信できるというのは今の”共有”の時代に合致した企画かと思います。

ということで今年もその動向についてはチェックをしているんですが、いざ大会が消化され始めると気になるのはその的中率。
弊ブログとしては投げっぱなし予想ではなくきっちり答え合わせし、さらに解析分析することで今後に生かそうと思います。
ということでまだ序盤の4大会が終わった段階ですが、少し試合予想結果について答え合わせをしつつ、その傾向を紹介したいと思います。

集計手法などについては過去記事を参照してください。

G1 CLIMAX30 Twitter予想:初動調査報告 - プロレス統計

 

総投票数&予想数

まず初めに9.19~9.20の4大会についてTwitter上に投稿された予想の総数および、全部で何種類の予想が存在したのかについてになります。
ちなみに予想はどちらかの勝ち+引き分けの3通りで各大会5試合ずつなので3^5=243通りの予想が可能です(引き分けを抜くと32通り)。

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まとめた結果が上のグラフになり、青い棒グラフが総票数(total votes、左軸)、赤い折れ線グラフが予想の総数(unique votes、右軸)になります。
総投票数自体は各大会共に2000票程度を推移しており各大会の間であまり差はない感じですね。
昨年の結果を見てみると開幕戦のみ3000票を超えたものの他はおおよそ1000票程度、時々2000票に届くといった具合だったので、今年のこれまでの状態では投票数はかなり多いようです。
(参考:各種数値で振り返るG1 CLIMAX 29 - プロレス統計)

続いて予想総数を見てみると50~80種で推移している模様。
上述の通り可能な選び方は243通りあるのでその内約1/3程度が投票されているようです。
一方で勝ち/負けのみでは32通りしか存在しないことから引き分けも含めた投票が多少存在するということも示しています。
またこの4大会の中ではBブロック開幕戦になった9.24札幌大会の予想の種類が頭一つ小さく、特定の予想に票が集まった傾向があった模様です(後述)。

最人気予想&実際の結果

この4大会については実際の結果も判明していますので以降ではこの結果も紹介しつつ、最も人気だった(多くの人がそう予想した)カードとの比較を行っています。

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各大会の最人気予想(popular、青)、実際の結果(accurate、オレンジ)の獲得票割合を示したのがこの棒グラフになります。
実際の結果の獲得票割合はそのまま的中率と言い換えても良いでしょうね。
参考として()内に実際の票数も表示しています。
こうしてみるといずれの大会も最人気予想と合致することはまだないようです。
しかしその票数の割合としては各大会で大きく様相が異なっているよう。

例えば開幕戦は最人気予想(15.1%)から外れはしたものの、的中率も8.6%とそこそこの獲得票率の結果になり、あまり大きな波乱が起きなかったとも言えます。
対してBブロックの2巡目、9.24札幌大会は最人気予想に1/4以上の28.9%の票が集まったのに対して的中率はわずか0.7%と予想がかなり難しい、大波乱が起きた大会となった模様。

ちなみに昨年の予想的中率は平均で8.2%程度であったので今年は開幕戦のみその水準でそれ以降はかなり波乱が続いていると言ってもよいでしょう。
(参考:各種数値で振り返るG1 CLIMAX 29 - プロレス統計:全試合的中率)

最人気予想からのズレと的中率の関係

実際の大会の結果と人気予想を見比べてみるとその実、実際の結果があまりにも予想と異なるという場合はあまりなく、わずかにズレているものが多いという印象はありました。
そこで各大会の予想を最人気予想からのズレで分別してみることに。

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横軸を最人気予想からのズレ、縦軸をそのズレを持つ予想の総票数とした棒グラフ、ヒストグラムが上の図になります。
上図でいう0のところが最人気予想の位置で、そこから1試合のみ予想を変えた予想が全体を見ても最も多い予想となっていました。
最人気予想から2試合変えた予想も同様に票数が多く、全票数9168票のうち実に79%に相当する7250票が最人気投票からズレ2試合以内に収まっています。
これから見ると大まかな共通認識がファンの中には存在し、そこからの各ファンのバラツキがあるにしても1,2試合程度の違いに収まっているということのようです(分布でいうと標準偏差というか)。

上図では参考として、各大会の実際の結果が最人気予想からどれだけズレていたのかも示しています。
その結果最人気からのずれが1試合のみだったのは9.19のみ、2試合のズレが9.20と9.23の2試合、3試合のずれが9.24となっていました。
この結果と上の的中率の結果はおおむね相関しているのは想像に難くないでしょう。

現状ではまだ4大会のみで傾向とするにはやはりデータ不足ですが、現状では最人気予想から2試合分予想をずらしたものがケースが多く、本気で予想を当てたいのであれば人気のある予想から1,2試合のみずらしたものを意識すると良いかもしれません。
まぁ引き分けを考えないにしても1試合ずらしたものは5通り、2試合ずらすと10通りあるのでそれもそれで難しいですが、32通りも式右派243通りから選ぶことを考えると確率は多少は上がるかも?

 

所感雑感

というわけで各大会の勝敗予想についての解析でした。
こういう予想を事前に見せられている・知っていると試合を見ていても予想を、しかもかなり偏った予想をひっくり返されると良くも悪くも驚きがあったりしますね。
それが応援している選手が負ける方だと溜まったもんじゃないんですけど、そういう楽しみもあると思うのですこし気にしながら見ると面白いかもしれません。

私としてはめっきりリアルタイム観戦は控えてますが、試合前に予想結果を紹介してたりもするので観戦のご参考にぜひ。

きょうはこれまで、それでは