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各種数値で機運を高めるG1 CLIMAX 30:試合順編

仙台大会でエントリー選手とブロック分けが発表されたG1 CLIMAX30ですが、先日後楽園ホール大会では各大会での公式戦内容も発表されました。
実際現実問題「どの会場で誰と誰が対戦するのか?」は「どの大会に見に行くか/どの対決が見られるのか」という点でより一層重要まである。

一方でこのG1の公式戦の試合順はその選手の地位、所謂”格”を推測する上でも非常に重要で、これを調べることでその選手がどの程度の”格”なのか、または昨年と比較して同立ち位置が変わったのか、もうかがい知ることができます。

ということで今回はG1 CLIMAX30の(最終公式戦を除く)全試合順について解析です。

 

各ブロック試合順まとめ

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現在既に新日本プロレス公式サイトにおいて両国国技館大会を除いた全対戦カードおよび試合順が発表されているのでそれを参考に、各選手がどの大会で第〇試合に出るのかをまとめたのが上の図。
今年のG1では各ブロックのエントリー選手は公式戦のみを行い、所謂前哨戦となるアンダーカードの多人数タッグはありません。
とはいっても公式戦のみというわけでなく、辻・上村・ゲイブの3名による総当たり戦が1戦ずつ毎大会の第1試合で繰り返されるそうです、G1本戦よりも過酷まである…*1
そのため公式戦の試合順は2~6試合となっています。

以降では上のデータを元に各種解析を行います。

メイン・セミ数及び平均試合順

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まず初めに各ブロックにおけるメイン・セミ登場数、そして平均試合順について。

Aブロックではメイン登場数4回で飯伏・オカダがトップ、セミでは同じく4回でジェイがトップとなっており、この3人がそのままAブロックの平均試合順トップ3になります。
思えばこの3人は今年の東京ドーム2連戦で2冠戦にかかわった4人の中でも何らかの勲章を持って臨んだ3人、そりゃあ試合順も高い。
一方で平均試合順がA/B両ブロック通じて最低となったのは久々のエントリーになった裕二郎、メイン・セミ何れも登場の機会がない模様(それはコブも同じだけども)。

Bブロックではメイン登場数は5回で内藤さんがダントツのトップ、平均試合順も5.5でA/B両ブロック合わせても最高値ですね。
一方セミに目を移すと最多となったのは全IWGP王者のEVILがこちらも5回で断トツ、ベルトを失ったとはいえ興行における存在感は健在と見えます。
ちなみにBブロックではいずれの選手もメインまたはセミの出場機会がある模様。

こうしてみるとかつてNO LIMITとして活躍した内藤と裕二郎の間での明暗がくっきりとして見えるような…

過去大会との平均試合順比較

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続いて昨年(G1 CLIMAX29)、一昨年(G1 CLIMAX28)での平均試合順と比較をするべく上記の試合順の数値をから前哨戦数を差し引いて「公式戦で何番目だったのか」に変換して上で平均を示したのが上の表になっています。
上の表の内今年(30)については29の時点から平均試合順が増加した選手は赤く、減少した選手は青く示しています。

Aブロックにおいて昨年から大きく数値を上げたのは鷹木(2.78→3.50、+0.72)でこの1年で大きく評価を上げた様子。
一方で大きく値を下げたのはコブ(2.56→1.63、-0.93)、新日本において大いに活躍した、とは言い難いのがこの試合順に現れているのかもしれません。

BブロックではEVILが両ブロックでも最大の上げ幅を記録(3.11→4.13、+1.02)、個人的印象でいえばここ1年というよりもここ3か月で爆上げされたという感じもあったり。
一方で数値を下げたのは後藤さん(3.22→2.63、-0.59)、上位陣から徐々に中間陣に下がりつつあるという感じかもしれない。

対戦巡影響表

続いて今回は新たな解析として「対戦巡影響表」というものを導入したいと思います。
ここ数年G1の試合順を見ていると「特定選手との対戦だけ試合順が高め/低め」というケースが多々あり、そういう対戦相手による影響、見方を変えれば「相手(の試合順)を上げる選手」というのを調べてみたかったので以下のような計算をしました。

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対戦巡影響表の見方

上の表はAブロックでの計算例ですが、例えばで囲ったセルを見ると、横のラベルは「オカダ」、上のラベルは「鷹木」となっています。
このような場合、(オカダの”vs鷹木戦も含む”平均試合順)-(オカダの”vs鷹木戦を除いた”平均試合順)を計算しています。
このケースではこの計算結果が+0.18と正の値になっています。
これはつまり鷹木戦のおかげでオカダの平均試合順が上がっている、逆に言えば「鷹木はオカダの試合順を引き上げた」という見方ができるわけです。
これが負であれば逆に「相手の試合順を引き下げる」選手ということになります。

これを全組み合わせに行い、縦方向に平均をとることで(以下では影響度と呼称)各選手が「相手を引き上げる」タイプか「相手を引き下げる」タイプかを判別することができます。

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Aブロックの結果が上のようになっており、オカダ及びジェイは全組み合わせで相手の試合順を引き上げる効果を示しています。
引き上げる方向でいえば飯伏は石井戦のみ‐0.04と府になっていますがそれ以外の試合ではいずれも正の値となり、特にオスプレイ・鷹木相手では0.2ポイント以上と大きく試合順を引き上げ、平均値である影響度でも0.11と最大値をとっています。
そういう意味ではやはり、オカダ、ジェイそして飯伏はAブロックの中でも”格”の高い3選手と言えるでしょう。

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続いてはBブロックですがこちらでは内藤及びEVILが全組み合わせで相手の試合順を引き上げており、なおかつ内藤は後藤・SANADA・ザックを相手に0.3ポイント以上試合順を上げているのでその影響度の大きさがうかがえますね。

こうしてみると単純に元々の平均試合順が高い選手ほど影響度は高いという当たり前といえば当たり前な結果な気もしますがまぁそれはそれとして。

 

所感雑感

というわけで試合順だけで1記事になってしまったってやつです。
以前の記事で「”格”ってよくわからんよな」という話をしてた気もするんですけど、一応G1の試合順も格を感じさせる数値だよなぁと思ったりした次第です。
まぁ昨年から変わらない面々もいる一方で鷹木やEVILが大きく”格”を上げた感があるのは、はたして今G1でどう働くのか、楽しみではあります。

きょうはこれまで、それでは

*1:領国を除けば大会は16大会、3回に2回は試合が来るのでこの短期間に5回シングルを行わないといけない。ガンバレヤングライオンズ