プロレス統計

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日本プロレス界の回復度調査:8月版

何を語るにしても2020年はコロナウイルスの存在は欠かせない年になるわけですが、弊ブログでもそれに関連して色々集計してきました。
ここで一度シンプルに興行的数値についてまとめようと思ったのでまとめです。

以下では各種興行的数値について2019年と2020年の1~8月のデータを示し、昨年同月比で何%の増減があったかも併記しています。
また元となる興行情報はCagematchから集計した2019・2020年の興行データから解析しているため、抜け等はあるとは思うのであくまで参考までによろしくお願いします。

この半年でいつに何が起きていたのかについては日本プロレス団体たちは如何にCOVID-19を乗り越えたのか?という話 - プロレス統計も参照してください。

 

大会数

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まず初めに大会数(Event num)について。
例年であればゴールデンウィークのある5月を最多するような増減をし、毎月170~220大会が開催されていたようですが、
2020年はその最盛期にコロナが直撃。
1・2月時点から前年より少ない大会数でスタートしましたがイベント自粛要請の出た3月は100大会を切り昨年比-54%の大会数に。
緊急事態宣言真っただ中の4月には例年の6分の1に相当する33大会が開かれたのみでした。
4月中の団体はいずれも無観客で開催されています。
その後徐々に大会数は回復し、先月8月には前年の9割近くになる166大会が開催されています。
ちなみにこの大会数は今年最多の大会数にもなっており、大会数自体は通常時に戻っていると言えるでしょう。

興行団体数

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続いては興行を行った団体数(Promotion num)。
こちらに関しては例年はあまり変化はなく毎月40団体程度が興行を行っていたようです。
団体数も緊急事態宣言下の4・5月は約3分の1に相当する14団体にまで減少しています。
4・5月は有観客イベントの開催自体が全面的に禁じられていたために、この時期に開催された興行はいずれも中継・配信のみの興行であり、この14団体はそういった何かしらの配信方法を持っていた団体ということになります。

その後6月から徐々に有観客興行の制限が解除されると興行を復活させる団体が現れ、7月にはコロナによる自粛依然と同等の36団体が興行を活動を再開しています。

動員合計

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続いて合計動員(Total attendance)。
例年は多少の変動こそあれ10万人/月の動員があるようですが、2020年は1月に例年を大きく超える14万人の動員があり(多分新日ドーム2連戦のせい)、前年比+26%スタートでした。
しかしその後、3月からは特に大きく減少し、4月には全くの0、それ以降も6月までは前年比で1~3%の動員とほぼ動員がなかったと言えます。

一応6月からは先んじて興行を再開する団体もありましたが、本格的に再始動したのは7月からだったということがここにも表れているでしょう。
しかし7・8月動員はまだ3万人に届かない状況で、前年比2,3割と言ったところになっています。
8月は大会数自体は前年比9割まで回復いるのに対して、総動員がここまで伸びていないということはすなわち1大会当たりの平均動員がかなり下がっているということになります。

平均動員

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ということで最後は平均動員(Average attendance)、2020年のデータは無観客興行を除外した平均値を表示しています。
平均で見ると例年は4月を底にして夏休みシーズンの7・8月に平均動員が伸びる傾向があるようで、一興行当たり500~750人というのが平均値な模様。
それに対して2020年は1月に前年比+40%と大きく伸ばしたのに対して。無観客興行が増え、大半を占めた3~6月は大きく平均動員を下げます。
4月は無観客興行のみだったので便宜上0としていますが5・6月については数十人規模の有観客興行があった模様。

そして多くの団体が有観客興行を再開した7・8月は、無観客興行もほぼ行われなくなっていますが、平均動員は290人・296人と依然として低い数値になっています。
この際注目すべきは単純な人数よりも昨年比の割合で、再開以降のキャパシティ制限は時期と開催地によってばらつきはありますがいずれも基本的には「50%以下」という制限は存在しています。
そのため前年と全く同会場で行っていたとしても50%を上回ることはないのですが、結果として、7月は前年比45%とほぼキャパシティ制限を反映する形に。
一方8月は、後楽園ホールなどの会場では7月に寄り厳しい制限(MAX500人程度なのでキャパ3割程度)だったのが50%までに解禁されるなど方向政敵にはキャパ制限が緩和される方向になったと思いますが、それに反して前年比40%と7月よりもむしろ低下を見せています。

これはキャパシティ制限に加えて、前年比で大会場での興行が減っているなどの影響が起きているのではないかと思われます(実際平均値自体は微増)。
詳しいことは各会場ごとに詳細を見る必要があるとは思いますが、この状況下で大規模イベントを行うこと自体へのハードルが高くなっているのかもしれません。
実際興行開始以後(7月以降)に開催された1000人以上の大会は4大会のみ(いずれも新日本プロレス)で、例年であれば7・8月の2か月間のみで139大会も行われていたことを考えるとその傾向はかなりあると思われます(1000人以上の大会が行われた会場の数も57→3か所と大幅に減っているので大会場そのものへの進出が滞っている?)

まとめ

  • 興行数・団体数などは昨年よりも少ないものの今年初めの水準まで回復
  • 動員については主にキャパシティ制限によって平均値約半減
  • 総動員は約70%減、大会場への復帰も停滞中?

 

所感雑感

ということでシンプルに各月の興行的数値について報告でした。
まぁいずれにしてもキャパシティ制限が撤廃されないことには興行ジャンルはいずれも厳しいままという感じもします。
最新の動向は追い切れていませんが、とりあえず今月末までは「50%or5000人の小さい方」の制限は続くようで、これが「50%」に緩和された時にどこまで回復するのかというのがキモな感じもします。
つまり現状では1万人以上のキャパシティの会場ではキャパが無駄になる状況が続いているので各団体としても大会場には戻りづらい感じはあるのかなぁと。
つまり「50%」制限になればもっと大規模イベントが復活するのかなぁと思ったりもしています。
とはいえ本当の意味で復活は「50%」も撤廃されたときですけどそれが果たしていつになるのかはわからないですね・・・
真の意味でフルハウスな会場が早く見れることを祈っています。

きょうはこれまで、それでは