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新日本四天王時代は到来するのか?という話

「新日本プロレス34年ぶりの金曜8時生中継」として大々的に宣伝された先日のNEW JAPAN CUP2020の準決勝戦。
中継時間が午後8時~9時と限られているのもあってこの準決勝の2試合のみが放送(といっても全然時間足りてなかったですが)されました。
結果として34年ぶりの”金8”に登場した選手は以下の4人。 

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”金曜8時”に帰ってきた新日本プロレス

(新日本プロレス公式ツイッターより引用)

オカダ・カズチカ、SANADA、EVILそしてヒロム
偏りこそあれユニット、デビュー団体などバラバラである4人ですが、ここ十年で最大の露出の機会を得たわけで、将来新日本プロレスをけん引していく4人になりうるということでもあります。
そういわれてみると確かにそうなり得るだけの実力と人気もある4人で、まさしくこの4人がこれからの新日本で新時代を築きうる感じはするわけで。

こういう4人組をプロレスファンは時折”四天王”と呼んだりします。
勿論その下敷きには1990年代の全日本プロレスに存在した「四天王プロレス」というものがあるんですが、今回はこの四天王の元ネタと比較しつつ、上記4人がその枠にどう当てはまっているか?ということを考えたいと思います。
まぁ与太話と思って是非。

 

「四天王」とは?

私自身その時代を直接体感したわけではないのであくまで情報として知っているものに限りますが、ことプロレスファンのコミュニティ内で「四天王」と言えば1990年代の全日本プロレスに所属していた4選手、三沢光晴、川田利明、田上明、小橋建太を指し、彼らの行うプロレスを称して「四天王プロレス」とも呼びます。
まぁ調べてみるとこれ以前にも以後にも「四天王」と呼ばれる4選手はいたりしたんですけど、やはり90年代全日本が歴史上でもまれにみる盛り上がりを見せ、試合内容もそれ以前のプロレスと一線を画す部分もあったのでやはり特別視されてる部分はある感じが。

まぁ言ってしまえば選手が4人いれば「○○四天王」を自称他称したっていいんですが、今回私が上述の4人を「四天王みたいだ」と思ったのはいくつかの共通点が上記の4人と「全日本四天王」にあったためです。
というわけで以下ではその共通項を紹介。

若者であること

所謂「四天王」が始まったのがいつなのかはちょっと詳しくないんですが、その前身となった超世代軍が結成されたのが1990年、その時は上の世代であるジャンボ鶴田との抗争がメインでしたが、その鶴田さんが病気により長期休養で離脱となり、その超世代軍内で戦い合うようになったのが1992年~1993年の事。
1992年を四天王の開始時期とするとその当時の各人の年齢は三沢30歳、川田29歳、小橋25歳、田上31歳と小橋さんがかなり年下ですが30歳前後のメンバーに偏っています。
これに関しては超世代軍の結成自体が、当時の主力選手の大量離脱によってまだ若い三沢らがメインに登場することになったという事情はありますが、
こうして若い選手が出てくることで事態が新鮮さ、新しさを感じさせる要因になりそのごの若者を中心とした熱狂が生まれたと考えています。
で、今回の準決勝に残った4名の年齢は以下の通り、
オカダ32歳、SANADA32歳、EVIL33歳、ヒロム30歳
こちらも奇しくも全日本四天王の開始時と同じく30代前後の若者が揃っています。

この若さは上記のように「新しさ」の演出でもありますが、実際問題としてその後の活動可能期間の長さも示しています。
実際全日本四天王自体は2000年のプロレスリングノアの旗揚げによって解散?することになっていますが、それまでの8年間闘い続けていたわけで、その期間のある程度の長さがあるからこそ人の記憶にもより深く残って、今でも語られるんではないですかね。
実際に今から10年後になってもオカダらは40歳前後、コンディションの落ち目が見えてくる時期ではありますけどまだまだ現役。
そういう楽しみもあったりするわけです。

スタイルが多様であること

全日本四天王の試合を見ていて気付くのは各人の試合スタイルが異なること。
勿論後に「四天王プロレス」と呼ばれる、垂直落下や雪崩式といった過激な技を用いるスタイルで4人が戦い合うという共通点はあるんですが、各人の得意技がそれぞれ異なっていたことでキャラクターが経っていたという部分はあります。
打撃技に限っても三沢のエルボー、川田のキック、田上のビッグブーツ、小橋のチョップと4者4様、だからこそ各人のキャラクターが確立できたのかなぁと。

新日本四天王(仮)についてみればその4者の試合スタイルが全く異なっていることは4人の試合をいくらか見たことがあれば何となく感じるところでしょう。
オカダは、相手に格の違いを見せつけつつ、自身のスタミナを活かして戦う持久型
SANADAは、華やかさを持ちつつクラシックな技術を魅せる技巧型
EVILは、その分厚い身体と突進力を活かしたラリアットプロレスを魅せるパワー型
ヒロムは、思い切りのいい攻撃と斬新な攻防を息つく間もなく見せていく米インディに代表される速攻型
各人の試合で見られるものが違う、というのはこの4人が戦い合っても、それぞれが王者として試合同士で競い合うことになっても興行を見ている側を楽しませる要素になるでしょう。

またスタイルという意味でいうとコスチュームの時点でてんでバラバラなのもわかりやすさはあるでしょう。
全日本四天王時代はコスチュームの形状自体にあまり自由度がなかったので色(三沢:緑、川田:黄色、田上:赤、小橋:オレンジ)で特徴分けしていた感がありますが。
新日本四天王の場合は
オカダは黄色系が多く、ショートタイツに膝までのロングシューズ。
SANADAは青を基調に、ロングタイツにロングシューズ。
EVILは紫のレスリングの肩掛けタイツに短いシューズ。
ヒロムは赤を基調に裾にファーがあるロングタイツでシューズは隠す。
上手くカラーリングや衣装が異なっているっていうのは新日本全体でもそんな感じはしますが、やはりぱっと見の印象は大事。

異なる宿敵がいること

これはスタイルが異なることとも関連があるんですが、そのスタイルを磨き上げるにはそれぞれ異なるライバル・宿敵と切磋琢磨せねばならないと私は思っています。
例えば全日本四天王において、三沢さんはジャンボ鶴田と戦うことで新時代のエースとしての座を確立したわけですが、一方で小橋さんはスタン・ハンセンとの戦いの中でその後の代名詞にもなるラリアットを習得したわけです。

新日本四天王(仮)においては
オカダは2012年以降IWGPヘビーを争い続けた棚橋・内藤・ケニーと言った宿敵が存在。
SANADAは新日本でその地位を確立させたのはザックとの技巧派対決でしょう。
ヒロムの場合は自身の名を世界規模に広げたドラゴン・リーがライバルに。
そういう意味だとEVILは3人と比べてライバルらしいライバルという印象は薄いんですが、しいて言うならROH世界TV王座をかけて闘ったりした石井とか?

 

所感雑感

というわけで「NJC準決勝の4人の四天王っぽいところを挙げてみた」という話でした。
まぁ四天王時代に関しては上の選手がごそっといなくなったという外部的要因の結果という印象もあるので、新日本ですぐに実現することはないとは思っているんですが、まぁ考えるのは自由ですし。

きょうはこれまで、それでは