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3つの共通項から唱える「NEXTREAM=超世代軍」説

日本プロレス界の一つの課題として「若手の育成」というのは一つの大きなテーマとして語られるものである。
少し前でいうと「若手は基礎を固めるべき」か「最初から伸び伸びやらせるべき」かなんて言う方法論の議論がTLをにぎわせたこともあったりしました。
まぁここでいう「若手」はそれこそデビュー2,3年までの新人なんですけど、その「新人期」を抜けた後にも、個々人の色を付け始めてからの伸び悩みに頭を悩ませる時期もあったりします。
ここから伸びるか否かは本人の頑張りとアイデア、そして団体側の仕掛け次第という認識があります。

ここ数年でいうとこれに大きく成功した感があるのが全日本プロレス。
三冠ヘビー級王者・宮原健斗(30)の活躍は勿論、昨年末から今年初めにかけてそのライバル格としてジェイク・リー(30)、野村直哉(26)、青柳優馬(24)が頭角を現してきています。
この4名は元々NEXTREAMというユニットで活動していた仲ですが、ユニット内での活動を経て得た技量と認知度、そして野心が今イチトップレスラーとして花開きつつあるという印象があります。

この「かつて同ユニットで活動」していた若者たちが「袂を分かって覇を競い合う」という構図、これが「全日本プロレス」で行われているとすると、少しプロレス史に明るい諸兄には1990年代初頭に活動した超世代軍、三沢光晴・川田利明・小橋建太・田上昭・菊池毅のユニットが脳裏に浮かぶことでしょう。
超世代軍は危機的状況にあった全日本プロレスを救い、袂を分かったのちには後世に「四天王プロレス」と名を遺す独特の試合スタイルを築き上げていくメンツです。

というわけで今回はこの超世代軍とNEXTREAMについて各種数値で共通項を見ていきたいと思います。

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(宮原健斗Twitterより引用)

 

共通項1:若者主体である

当たり前ではあるがNEXTREAMも超世代軍も若手を中心として結成されたチームである、結成時の各年齢は以下の通り。

NEXTREAM
宮原=26歳、ジェイク=26歳、青柳=20歳、野村=22歳

超世代軍
三沢=27歳、川田=26歳、小橋=23歳、田上=29歳、菊池=25歳

何れも20代の選手が集まったユニット。
超世代軍に関してはそもそも結成前に全日本プロレスの中堅ベテラン勢がSWSへ移籍している関係で若手が集うことになった事情もありそうではありますが、この若手の域にいる若者たちが全日本の絶対的エースだったジャンボ鶴田に向かっていくという構図がその出発点だった(と言いつつ田上さんは結成後すぐに鶴田サイドに移ったらしいが)。

対するNEXTREAMもその設立に先駆けた数年間は多くの選手がW-1へ移籍もしくは離脱し危機に陥っていた。
その動乱が一応は落ち着いた2015年年末に宮原とジェイクによって「全日本プロレスに新たな風を巻き起こすということ、新しい流れ、勢いを生み出していく*1」ために結成。
超世代軍の場合になぞらえるのならその「仮想ジャンボ鶴田」は団体の大黒柱である諏訪魔だったかもしれない。

共通項2:若手+新人のユニット

上記のように何れも若手揃いのユニットではあるが、そのメンバーのキャリアにも同じ傾向がみられる。

NEXTREAM
宮原=8年目、ジェイク=5年目(再デビュー直後)、青柳=2年目、野村=2年目

超世代軍
三沢=9年目、川田=8年目、小橋=3年目、田上=3年目、菊池=3年目

いずれもリーダー格となった選手(宮原&三沢)はキャリア10年近く、超世代軍の場合は参謀格とも言える川田がいたが、その他はデビュー2~3年目の新人の域を抜け出かねる選手がそろっている感じ。
プロレスにおいて10年選手はある程度の経験を積み、自己プロデュース力が身に付きつつある年と言われるが、そういう時期にユニットリーダーとして自己及びユニットプロデュースを任せられることで大きく能力を開花することができた、とその後の宮原及び三沢の活躍を思い出すに言うことができそう。
またそれに付き従う若手たちは注目度を得られると同時に、新しい景色を作っていくその渦中に身を置くことで、リーダーらからの影響を受けプロデュース力を身に着けていくことができる、のかもしれない。

共通項3:短命ユニット

「短命」と言いつつ所謂プロレスのユニットが何年続くもんなのかは定かではないんですけど、超世代軍は1990~1993年4月(川田・田上が正鬼軍結成)の約2年間のみの結成ですし、NEXTREAMは先日1月4日の青柳の造反を終焉の日とするとその結成期間は約4年ということに。

で、いずれにしても「長命」とは言えない程度の共通項ですが、これらのユニットが終わった時点にはまた別の共通項があり、それはユニットリーダーの年齢・キャリア。
超世代軍解散時の三沢は30歳、デビュー12年目
NEXTREAM解散?時の宮原もまた30歳、デビュー12年目なのです。
20代後半という身体能力的にはピークの時期に始まったユニットが何れも、身体能力がだが理始める30代で一旦の終焉を迎えるというのは、そのイチレスラーとしての在り方の変化もまた象徴しているかもしれません。

 

所感雑感

というわけで部外者ながら全日本プロレスについてちょっとした思い付きでした。
超世代軍の場合はその解散後、所謂四天王プロレスの全盛期に突入していき、全日本プロレスの黄金期がやってきます。
それはNEXTREAM及び現在の全日本にとっては未来の話ではありますが、昨年末以降にTL上で聞こえてくる話を聞くに、そこへ向かうかどうかはさておき「そこへ向かって行こう!」という意識・指向性は感じられますね。

如何せん普段からチェックできているわけでないので頓珍漢なことを言っていたらご指摘願います。

きょうはこれまで、それでは