プロレス統計

「プロレスの数字とプロレスする」をテーマにプロレスに関連する数字を調べ、まとめ、考えるブログです。

MENU

各種数値で見る霜月興行戦争

11月の最初の週末、2~4日日の三連休は日本のプロレスファンにとっては今までにないぐらい忙しい3日間となりました。
何を隠そうこの3日間、両国国技館ではノア・DDT・大日本の3団体が連日ビッグマッチを開き、時を同じくして大阪ではエディオンアリーナでも新日本とドラゴンゲートがビッグマッチを開きました。

何を隠そう3日間に5つのビッグマッチというのは日本のプロレス界でもめったにない密度、手持ちのデータで調べても2012年8月に新日本のG1の連戦とWWEの日本興業が被った際に5日間の間に5大会のビッグマッチが行われましたが、それ以上の密度なんですよね。
というわけで今回はその空前絶後の5大ビッグマッチについて各種数値で振り返りです。

 

前回の大会

そもそも今回は偶然3日間に密集する結果になった5団体5大会ですけど、元々は9~10月に行われていた興行でした。
なのでまずは各団体の前年の同会場での大会について紹介します。

プロレスリングノア 丸藤正道20周年記念大会「飛翔」
9月1日 会場:両国国技館 観衆:6285人

DDT 両国ピーターパン2018~秋のプロレス文化祭~
10月21日 会場:両国国技館 観衆:6259人

新日本プロレス POWER STRUGGLE
11月3日 会場:エディオンアリーナ大阪 観衆:5441人

ドラゴンゲート THE GATE OF DESTINY
11月4日 会場:エディオンアリーナ大阪 観衆:3150人

大日本プロレス 両極譚~RYOGOKUTAN~2018
11月11日 会場:両国国技館 観衆:3880人

DDT、新日本、ドラゴンゲート及び大日本に関してはここ数年は定番化した晩夏~秋のビッグマッチですがノアに関しては昨年の丸藤の20周年記念大会が久々の開催で、それが今年は通常のビッグマッチの形で開催になった感じですね。
で昨年はノアが9月、DDTが10月に開催だったのが11月にずれ込み、大日本も1週間ほど早まった感じですね。
いずれも両国でのビッグマッチな辺り両国側に何かしらの事情でもあったんだろうか。
で、新日本とドラゴンゲートは今年と同じ日程での開催ですね。

この5大会に関しては合計で2万4935人の動員がありました。

動員比較

f:id:Rodyonsw:20191105021437p:plain

で、今年の各団体の動員と昨年からの増減割合を示したのが上の図になっています、左側が2018年の各大会の動員、右側が今年の動員になっています。
まず11月2日にまず行われたノアの両国大会の動員は5523人、昨年とは違い記念大会でなく団体としてのビッグマッチと経路が変わりましたが、同会場ということで比較をすると昨年からは762人の減少、割合にして-12%となりました。

翌11月3日に所同じく両国で行われたDDT両国大会の動員は5869人昨年比で393人の減少、-6%となりました。
ちなみにこのDDT両国大会の動員がこの三連休でも最も多い動員となりました。

さらに翌日11月4日に行われた大日本の両国大会両国譚2019の動員は3216人で昨年から614人の減少、-16%の結果に。
ということで両国国技館三連戦となった各大会の動員はいずれも数百人の減少という結果になり、同会場ということもあってかなり観客の奪い合いになってしまったような感じはあるかもしれません。

対して大阪において11月3日に行われた新日本POWER STRUGGLEでは5558人の動員がおこなわれ、昨年から117人、割合にして2%の微増という結果に。

そして翌11月4日に行われたドラゴンゲートのGATE OF DESTINYでは3120人が動員され、昨年から30人の減少でほぼ横ばいと言っても良いでしょう。
大阪においては昨年も同日開催の二連戦だったのもあってかあまり大きな変化も見られなかったようですね。

しかし結果として動員が増加したのは新日本の大阪大会のみという結果、合計としては2万3286人が会場に訪れ、プロレスを楽しんだようです。
この数字も昨年と比較すると1649人、割合にして7%の減少になっています。
こうしてみると興行が密集するのはあまり良い効果を生じるとは言えませんね。

Twitter数値比較

また各大会におけるTwitter実況の数値も比較、DDTと新日本はそれぞれ大会用のハッシュタグ#DDTUP、#njpstを用い、ノア、ドラゲー、大日本はいくつか使っていそうなハッシュタグも集計してみましたが一番ツイートが多かったのはそれぞれいつも使っている#noah_ghc、#dragongate、#bjwでしたのでそちらを用いて集計しています。

f:id:Rodyonsw:20191106221757p:plain

各大会が開催された1日のツイート数(nonRT)、リツイート数(RT)、メディア付きツイート数(media)、ユーザー数(user)のまとめが上の図になっていますが、
ツイート、リツイート、ユーザー数に関しては新日本が頭一つ抜けた数値に。
ユーザー数とツイート数はどれだけの人が現地・中継込みで大会を見たのかの依存すると考えられるため、単純に新日本プロレスワールドの会員数の多さが表れている感じかもしれません。
それに次ぐのがAbemaTVで中継されたDDTなのですが、DDTはmedia数においては最も多い数値になりました。
これに関してはおそらくAbemaTVの機能として映像の一部を添付してTwitterに投稿できる機能があるためその恩恵なのではないかと考えられます。

そういう視聴者の多さが影響する数値に関しては中継の有無が非常に重要だとは思うのですが、驚くべきは生中継が一切なかったノアが中継があった他の大会を上回る数値がいくつかあったことです。
今回行われた5大会の内唯一同時間帯にビッグマッチが被らなかったというのも幸いしたとは思いますが、いろいろな仕掛けを講じることで、私の周りでも熱心なファン、ありていに言えばプロレスオタクのファンを引き付けたようにも見え、彼らの熱心な布教活動の成果がここに現れているのかもしれません。
例えばmedia数においてはDDTが最も多かったんですが、ワールドでの中継もあって比較的スクショなどでmedia付きツイートもしやすい環境である新日本のmedia数を上回っているのは現地観戦組が熱心に投稿したおかげかな、とも。
勿論、逆に中継がないからこそ現地からの投稿は特にメディア付きツイートへの注目度が高く、投稿して注目を集めよう!とか投稿しなければ!(使命感)というのもあったとは思いますが。

で、もう一つ驚いた点としては共にサムライTVやドラゴンゲートネットワークで中継があった大日本とドラゴンゲートの大会に関しては各種数値で伸び悩んだ点。
動員についても他の3大会と比較して、比較的少数にはなったもののその動員数比以上にTwitter数値が低かったのは改めて少し驚き、ドラゲーは特に海外アカウントのGIFツイートが延々と並んでたようにも見えて、案外「大会を見ながら実況する」っていう文化が根付いていないのか?と思ったり。

 

所感雑感

ということで、俄かに勃発した霜月興行戦争の結果でした。
新日本とドラゲーに関しては例年のことということもあったのか、少なくとも私が見た新日本はサプライズこそあれ、カード面で特別な印象はなくいつも通りの新日本という感じはありました、ドラゲーはちょっとわかりませんが。
対して両国国技館はまさにスペシャルに次ぐスペシャルという印象もあり、ノアでは桜庭に藤田にエルガンにグレートムタというビッグネームの続々投入、DDTではグループの総力戦に加えて奥の手ともいえるケニー・オメガ参戦、大日本ではまさかのNXT UK王者ウォルター参戦と驚くようなカードがありました。
おそらくどれもこれも、この興行戦争で優位に立つためというのもあったんでしょうけど、残念ながら動員面で良い数字を残すことはできなかったようです。
やはりビッグマッチのかちあいによる興行戦争ってのは今でもあるんだなぁと思う次第です、今回の3団体に関してはそんなに敵対しているわけでもないから今後はスケジュールを打ち合わせたりした方がよさそうだ。

きょうはこれまで、それでは