プロレス統計

「プロレスの数字とプロレスする」をテーマにプロレスに関連する数字を調べ、まとめ、考えるブログです。

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後楽園動員について諸解析:新日本プロレス編

先日をもってこのブログを始めて丸2年がたったわけですが、この2年を見ても何度もやってきたのがプロレス団体の動員についての解析。
やはり各団体の隆盛を図るうえで分かりやすい物差しなので自分も興味があるのと同時に結構PVもあるんですよね。

それはさておき、先日Twitterを見ているとここ数回の新日本プロレスの後楽園大会の客入りが寂しい、なんていう話も見かけまして。
それはまぁいいとしてもその理由として「ビッグマッチ直後だからなのではないか?」という考察をしている人もいたんですよね。

【追記】

この92サイトー氏のツイートですね、(団体にとっての)ピンチは(観客側には)チャンス。

以前後楽園の動員については少し解析したことがあるんですが、その発想はなかったなぁ・・・と思ったのもあり、前回の解析も1年半も前なのでデータと解析手法を増やして解析しなおしてみたいと思います。

参照:前回の解析

www.pwanalysis.com

 

用いたデータ

今回用いたのは新日本の公式サイトからスクレイピングで取得した興行情報データ。
新日本プロレスでは2015年の中頃から観衆の実数発表に切り替えがあったためにその前後で後楽園ホールの満員も2000人弱から1700人弱に切り替えが行われています。
その関係もあって今回ア2016年1月から2019年9月までの後楽園ホール大会のデータを用いています。

動員分布

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まず初めに上記の期間中に行われた後楽園ホール大会の動員の分布、点線は平均値を表しており、平均で1635人の動員だったようです。
で、分布を見てみると1800人弱の大会がいくつかあったりもしますが、最も多かったのは満員札止めラインであろう1700人超の動員。
それ以下でいうと1600人程度のところでもう一つの山があり、その後は1200人程度まで緩やかな分布ができています。
こうしてみるとほぼほぼ満員にしてるのか…と思うといつぞやの社長のインタビューにあった「満員率90%(うろ覚え)」もあながち嘘じゃないかもしれない…

曜日別平均動員

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つづいて参考までに各曜日での平均動員について調べましたが、あまり大きな差とは言えないものの土日及びなぜか木曜日も動員が多く、月曜に近づくほど動員が少ない結果になりました。
なぜ木曜日がこれだけ平均動員が高いのかは謎です、G1とかBOSJとかのリーグ戦開催とかがあるんだろうか。

大会間隔依存性

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ここからは「動員が減るのはこのせいでは?」というアイデアを検証していくことになりますが、まず初めに「後楽園大会の連戦では動員が落ちるのでは?」説の検証として各後楽園大会間の日数別にプロットしてみました。
青いプロットは「前回の後楽園からの日数」に対する動員の分布、
オレンジ色のプロットは「次回の後楽園までの日数」に対する動員の分布になっています。
結果としてはおおよそ対称な分布になっていますが、中央部で動員が低いものが増え、端に行くほど動員が多い点ばかりになっているのが見て取れると思います。
これはつまり「後楽園大会の間隔が短くなるほど動員が減り」「後楽園大会の間隔があくほど動員が増える」傾向があるということに他なりません。
各プロットの線形近似も行っていますが、オレンジのプロットは傾きが負に、青いプロットは傾きが正になっており、近似からも上の傾向を裏付けていますね。

週当たりの大会数依存性

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続いて気になっていたのは、上記の予想に似てはいますが、「1週間当たりの大会数が多いと減少するのでは」という予想。
その傾向を調べるために、各大会の動員を前後1週間の大会数別にプロットしてみたのがこちら。
しかしこちらに関してはぱっと見大きな傾向が見られなかったんですが、線形近似的にはむしろ「1週間の大会数が増えるほど動員が増える」という傾向がわずかにありました。
そういう点では案外連戦の方が動員は向上する、のかなぁ。
特に最近は何連戦っていうのも増えてきたので逆にそういうときほど手の込んだカードもあったりして人がくるんですかね。

月当たりの大会数依存性

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続いては同様に前後1か月の間の大会数でも調べてみました、こうしてみると多くても6回の開催だったんですね。
そしてこちらでは露骨に「月当たりの大会数が増えるほど動員が減少する」傾向が見受けられました。
こうして大会数が増えることで逆に動員が減ってしまうのは、やはり観客としても月にプロレスに使える金額は限られているということだと思うんですが、そう考えると1週間よりも1か月という期間での大会数の方がより予算の影響が如実に見えるのかもしれません。

ビッグマッチからの日数依存性

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続いてはようやく冒頭で紹介した「ビッグマッチ直後だとお金使っちゃったから下がるんでは?」という予想の検証。
ここでは別のデータから動員が3000人以上の大会をビッグマッチと定義して、書く後楽園大会について
青いプロットは「次回のビッグマッチまでの日数」
オレンジ色のプロットは「前回ののビッグマッチからの日数」に対する動員の分布になっています。
まず初めに地域を問わずビッグマッチからの日数別にプロットしてみた図ですが、単純にビッグマッチのからの日数を見てみると傾向としてはあまり大きな違いはない感じがありますね。

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それに対して「東京都内で行われたビッグマッチ」に限って同様の解析をしてみたものがこちら。
こちらでは露骨に違いが表れていて、
青いプロット(ビッグマッチ前)を見てみると、「ビッグマッチが近づくにつれて動員が減少」し、
オレンジのプロット(ビッグマッチ後)を見てみると「ビッグマッチが近いほど動員が増加する」という真逆の傾向が現れました。
これは上記の予想とも真逆の結果でもあるんですけど、果たしてなぜなのか…

一つの考えうる案としては、ビッグマッチ直後の大会ということは新シリーズの開幕戦などが相当し、そういう意味で注目度と動員が増加する
一方でビッグマッチ直前ということはシリーズも最終戦である程度注目度などが下がってしまっているという可能性もありますかね。

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ちなみに東京都外のビッグマッチ前後のみを集計してみた結果はこちら、全体のデータと同じくこちらでは東京ほど大きな依存性が見られませんでした。

 

所感雑感

というわけで最近駆使して色々覚えたpandasのテクニックを使ってみての諸解析でした。
当初の予想だとやっぱりビッグマッチ直後は下がるんでは?と思ってたんですけど真逆の結果が出て困惑しております、まぁ今回はその「ビッグマッチ直後に動員が下がった後楽園」のデータは含まれていないんですが、それが入ると違ったりもするんだろうか・・・?
それ以外(感覚が狭まると減少、月当たりの大会が増えると減少)は割と納得の結果ではあったんですけどね…
ちょっとこれについては結果として出たもののまだちょっと納得いかないのでまた今度解析してみたいと思います。

きょうはこれまで、それでは