プロレス統計

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各種数値で様子を窺うブシロード傘下:スターダムと新日本

木曜の昼下がりに、それこそ2012年以来のプロレス界に大きな変化をもたらすようなニュースがもたらされました。 
詳細は下の記事のとおりですが、ブシロードの子会社であるキックスロード(今回ブシロード・ファイトに社名変更)が女子プロレス団体であるスターダムを買収、事業譲渡したとの報道。

battle-news.com

ご存じの方も多いとは思いますが、ブシロードは2012年1月末に新日本プロレスを買収し、本格的にプロレス事業を乗り出した会社であり、今現在も新日本プロレスのオーナーとして認知されています。
その為今回の事業譲渡によって、新日本プロレスとスターダムは同じブシロード傘下に収まるという形にもなり、このニュースを報じた記者会見でも新日本プロレスとスターダムのリング内外での交流についての話がでたように、ファンの間でもそちらに意識が向いている感じもありますね。

そういったことへの所感についてはまた後述するとして、今回は私自身あまり知らないスターダムについて各種数値で知っていきたいと思います。
まぁ参考として新日本との比較という形で進めていこうと思います。

 

2018年観客動員

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まず初めに2018年のスターダムの年間観客動員は3万1055人だったようです(cagematch調べ)。
国内の全プロレス団体内でいうと新日本(39万人)、ドラゴンゲート(12万人)、全日本(8万人)、DDT(7万人)、ノア(6万人)、大日本(4万人)といった男子団体に次いで、7番目の数値であり、もちろん女子団体の中でも最多。
上の図では新日本とスターダムの2018年の動員比を円グラフ示したモノになっていますが当たり前というかなんというか団体規模としては一段階小さい団体と言えますかね。

動員の成長度

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続いてデータのある2012年での動員を1としたときにそれ以降の年の動員の比をしめしたもので、これが1よりも大きければ成長、1よりも小さければ衰退ということになります。
青色が新日本であり2016年に一度減少している(観客動員表記の切り替えもあったし)のが見えますがそれ以降は年々増員し、今年は2012年度比1.4弱の成長度、所謂「着実に動員が増えている」と言われる新日本でこの数値なわけです。
その一方でスターダムは2013,14に大きく上下していますがそれ以降は新日本を上回る勢いで動員を伸ばし、2018年は2012年度比1.8、2倍近い成長に至っているようです。
そういった動員面で成長著しいからこそブシロードも白羽の矢を立てたということなんですかね。

フォロワー重複度

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続いて先日行ったフォロワー重複度調査で調べた新日本及びスターダムのフォロワー数について。
新日本の総フォロワー数は116万8435人スターダムの総フォロワーは11万3917人でした。
そしてこの両団体で重複したフォロワー数は6万4056人、新日本の総フォロワーの5%、スターダムのフォロワーの実に56%に相当します。
新日本との重複フォロワー数においては女子団体内でも最多であり、これも同じ傘下に置くという決断にとって好材料だったかもしれません。
 

 

所感雑感

ということで風雲急に訪れたブシロードによるスターダムの買収について、私なりの各種数値でした。
とはいえ数日前から何やら英語のファンアカウントで「新日本に女子部門ができるかも!」という噂が飛び交ってはいたんですよね。
その時はまたまた御冗談を、と思ってたんですけど、というかまぁ実際新日本に女子部門ができたわけではない、木谷オーナーの発言を鵜呑みにしても少なくとも新日本のリング上ですぐさま女子選手が上がることはない(その内ありそうだけど)ように見えるので曲解さえしなければ噂は噂とも取れますが。

とはいえ、今回スターダムの事業を譲渡された旧キックスロードは元々キックボクシング興行を運営していたと思うんですが、その名前もブシロード・ファイトという格闘技全般を扱うような名前になりましたし、その内新日本もその傘下に異動して、ブシロード・ファイトが一括してプロレス事業を取り扱うなんてことにはなりそうで、
言ってみれば”ブシロードプロレス”の男子部門が新日本、女子部門がスターダムという感じになるのかなぁと。
例えるならWWEでいうRaw/Smackdown/205LIVE/NXTみたいなブランドわけ、基本的な選手の行き来はしないようにしておく、という感じ、だったらいいなぁ、もちろんそのWWEもブランド同士で対抗戦を行うサバイバーシリーズなんてのがあるんですけども

その木谷オーナーの話にしても冒頭で紹介した記事を読んでもらいたいんですが、今回のスターダム買収も、ブシロードがスポーツ事業で海外進出を狙っていくときに女子部門がないのは体面が悪い、という発想が根幹にある感じがしていて、
そこで新日本内に女子部門を作ろうとしたものの諸事情で頓挫、代案的に同傘下に既存団体を抱える形にした、という。
まぁやってることは新日本を買収した時と似てるんですよね、一からブシロードプロレスリングを立ち上げるよりも団体を買収したほうがはるかにコスパも良いし、効率的というのはわかっていたでしょうし。

で、これをうけてのファンの反応というのは把握はできていないんですが、少し面白いニュースとして以下のような記事もあります。

kabutan.jp

先日ブシロードが上場したこともあって株式系のニュースにも乗ることが増えてるようなんですが、上記記事では「ブシロードのスターダム買収を受けて株価が上昇した」というような話が。
株については詳しくはないですけど、少なくともそういう投資家の方からは今回の買収が「良いこと、ブシロードに利益をもたらすもの」として判断されているようです。

とはいえ、一個人としては、つい先日他団体からの強引な引き抜きとも見える出来事が波紋を呼んだばかりで両手を挙げての賛成と言い難いのも確か。
そして、上述したユーザー重複度を見るとわかるように、スターダムのフォロワーの過半数は新日本のフォロワーでもあることから歓迎ムードにもなっているかもしれませんが、
新日本のフォロワー中の大多数はスターダムのフォロワーでなく、ただ単に「女子プロ団体が同傘下に入った」という認識でしかないとは考えられます。
その当たりのファンの間の温度差というものは少し注意しないと要らぬ摩擦にもなりかねないのが気がかりではあります。
当然のことではありますが「新日本に女子選手が上がってほしい!」と思う人がいれば、同時に「絶対に上がってほしくない!」という人もいるわけで、それはスターダムのリングでも同様。
その辺のバランスは気にかけて運営してほしいところ。
まぁ会見で「もっと女子プロレスに女子ファンを増やしたい」という話には大いに同意で頑張ってほしいところなんですが。

長くなりましたがきょうはこれまで、それでは