現在のプロレス界の状況について調べるうえで当ブログでは様々な数値を使ってきました。
その中でも様々な解析ができるのがTwitterのユーザー情報で、つい先日は新日本プロレスにおける実況ユーザー数の変化について調査しました。
今回は新日本以外にもこれまで集計してきた、他のプロレス団体のデータを用いて各団体の実況ユーザー重複度について解析しました。
その結果、各団体ごとの特色が見えてきたのでご報告です。
- 集計手法
- 集計結果
- 新日本プロレスの場合
- 全日本プロレスの場合
- 大日本プロレスの場合
- ドラゴンゲートの場合
- DDTプロレスの場合
- プロレスリング・ノアの場合
- AEWの場合
- WWEの場合
- おまけ:実数表
- 所感雑感
集計手法
先日の集計と同じく公開済みのツイート集計プログラムを用いて7つのプロレス団体のハッシュタグについて計測を行いました。
団体/ハッシュタグとしては「新日本プロレス/#njpw」「全日本プロレス/#ajpw」「大日本プロレス/#bjw」「ドラゴンゲート/#dragongate」「DDTプロレスリング/#ddtpro」「プロレスリング・ノア/#noah_ghc」「AEW/#AEW」「WWE/#WWE」の7団体7種。
団体の中には各ビッグマッチ、各シリーズで異なるハッシュタグでの投稿を呼び掛けることもありますが、今回は各団体において通年で用いているハッシュタグのみを解析に用います。
上記プログラムを用いることで各ハッシュタグでつぶやいたユーザーIDを集計することが可能になっています。
このIDをみることでどのユーザーがどのハッシュタグでつぶやいていたのかを知ることができます。
集計期間は、新日本プロレスは2018年初めから行っていたもののその他の団体も行い始めたのが2019年初めだったので2019年1月1日から2019年6月14日までに集計したデータを用いて解析をおこないます
集計結果
上記7団体7種のハッシュタグについての集計結果が上の図になります。
パッと見何が書いてあるんだかわかりづらい気もしたのでその見方を説明したのが下の図。
ここでは#njpwの行のみを取り出していますが、この一番左の列「total」に表記されているのが「#njpwでつぶやいた総ユーザー数」になっています。
その他の数字はこの総ユーザー数のうちの割合[%]になっています。
この#njpwの行において左から1番目、同じく#njpwの列に記入されているのは「#njpwでのみつぶやいたユーザー割合」になっています。
その他の数値についてはそれぞれその列のラベルになったハッシュタグでもつぶやいたユーザーの割合であり、左から5番目であれば「#njpwでつぶやいたことのあるユーザーの内、#ddtproでもつぶやいているユーザーの割合」ってことですね。
各セルの色分けについては割合の大きいもの程暖色で着色してあります。
各ハッシュタグのユーザー数に関してみるとWWEが8万5千人弱で断トツのトップ、それに3万人台のAEW、2万人台の新日本が続く形になっており、その他日本国内団体は一桁少ないユーザー数。
このユーザー数の関係については、よく言われるプロレス団体の規模とおおよそ一致しているような大小関係ですかね。
それでは以下では各団体について注目して、その特徴を簡単に見ていこうと思います。
新日本プロレスの場合
特徴の一つとしては#njpwでのみつぶやいている独自ユーザーの割合が50%を超えている点、上の集計結果を見てわかるように独自ユーザーの割合が50%を超えているのは新日本とWWEしかありません。
マニアの界隈でよく「新日本プロレスファンは新日本しか見ていない」と言われますが、それはこの数値を見てもその現状がうかがえると思います。
まぁこれは他団体とは違う独自の世界観を築けているということかもしれません、特に国内においては。
さらにはほかの団体との掛け持ちユーザーの割合でいうと国内団体はいずれも一桁台で少数派なのに対し、AEWとWWEに関しては掛け持ちユーザーが25%以上存在しています。
これはAEWはもともと新日本でtheELITEとして活躍した面々が立ち上げた団体であり、WWEにも新日本で活躍していた選手が移籍していることもあり、その選手のつながりで両団体にも興味を持ったユーザーがいるということでしょうか。
(そういう意味でいうとヨシタツが移籍?した全日本の掛け持ち率がわずかに高いのはそういう影響のおかげなんですかね)
全日本プロレスの場合
全日本プロレスは新日本とは対極的に独自ユーザーの割合が27%弱と7団体の中で最小になっています。
ユーザー数自体は新日本とDDTに続いて国内第3位であり、他団体と比較して少ないわけではないのですがいずれの団体にも15%以上の掛け持ちユーザーが存在しており、「色んな団体を幅広く見ているユーザーが多い」ということが言えると思います。
これに関しては現全日本が国内の様々な団体と交流をもち、選手の行き来があることでファンも幅広く見ているということかもしれません。
しかし割合でいうと最も多いのがあまり交流のない新日本というのが中々不思議でもあります、「とりあえずチェックしておこう」という層がやっぱいるんだろうか。
次いで割合の多い大日本とは選手の行き来が活発なのでここの割合が多いのはなっとくではあるんですが。
大日本プロレスの場合
前述したとおり全日本と交流が盛んな大日本プロレスのユーザーは独自ユーザーの割合と全日本との掛け持ちユーザーの割合がともに35%弱。
またここでも新日本プロレスのユーザー割合が最も多くなっていますね。
そういう意味では全日本プロレスと近い分布になっている気はしますが、一つの違いはAEW及びWWEといった国外団体との掛け持ちユーザーが少ないこと。
ここは団体の方向性が大きく違うことで住み分けができているということですかね、もしかしたら他のCZWとかとは掛け持ちが多いかもしれないけど。
ドラゴンゲートの場合
ドラゴンゲートでは、惜しくも過半数越えはなりませんでしたが、独自ユーザー割合は48%弱と7団体の中でも上から3番目と高い数値になっており、
国内では新日本に次いで独自の世界観の形成に成功しているといえるかもしれません。
とはいえ新日本との掛け持ちユーザーが多いのはやはり昨年後半の鷹木信悟の移籍による影響なんかもあるんですかね。
またもう一つの特徴として他の団体の掛け持ち率については国内外においてあまり差はなく、ファンの性質としてはあまり選り好みをしない人が多いのかもしれません。
DDTプロレスの場合
国内では2番目のユーザー数を持つDDTは独自ユーザー率は43%弱でドラゴンゲートに次ぐ数値。
ここでも新日本プロレスとの掛け持ちが高めですが、これはやはり飯伏幸太による影響もあるんですかね。
大日本プロレスについては時折参戦もあることから掛け持ち率が高めのようですね。
で、国外についてはケニーの存在もあってかAEWとの掛け持ち率が国内他団体と同程度になっているようです。
DDTというとWWEのパロディ・オマージュがふんだんな印象があるんですが、その一方でWWEとの掛け持ち率がかなり低いのが意外な気もします。
これが昔からの割合なのかはわかりませんが、すくなくとも現状においてDDTファンはあまりWWEをチェックせず、パロディ・オマージュ的な楽しみはしていないのかもしれません。
プロレスリング・ノアの場合
プロレスリングノアでは独自ユーザー率は34%弱で全日本との掛け持ち率と同程度になっており、そこはやはり源流が同じだったり元ノア所属である秋山選手が社長を務めている関係もあるんですかね。
何となくイメージとしてはもっと独自ユーザーが多い気がしていましたがそうではないんですね。
新日本との掛け持ちユーザーの多さは国内団体においては言わずもがなという気はしますが、この場合数年前までの提携関係や石森の移籍、そして今回のKENTAの新日本参戦などによる影響もあるかもしれません。
そしてそのKENTAが所属していたWWEとの掛け持ち率が一番低く、これは今年初めにKENTAが退団してしまったこと(あとそもそもWWE本戦にあんまり出れてなかったこと)もあるかもしれません。
AEWの場合
続いて今年まさに誕生したAEW、独自ユーザーは45%弱でWWEとの掛け持ちユーザーがそれを上回って50%近くを記録しています。
まぁ今現在、リング上でも対WWEを意識させるシーンを作っているのもあり、WWEの対抗馬としてWWEのことも中止しているファンが多いというのも事実でしょう。
また、前述のとおり、かつて新日本で活躍した選手も何人か所属していることもあって新日本との掛け持ち率は17%弱あります、しかしそこまで高いというわけでもないですね。
そんな経緯もあってか国内他団体とはあまり掛け持ちが多くはないようです、STRONMG HEARTSの参戦とかケニーのVTR出演もあったからdragongateやDDTはもっと多いんじゃと思ったんですがそうでもないですね。
WWEの場合
つづいてWWEは総ユーザー数が1位なのはもちろん独自ユーザーも断トツで多い、実に78.2%が「WWEのみを見ているユーザー」です。
WWEを見ているファンのことをユニバースと形容することがありますが、あれは「WWEという団体の中ですべてが完結している」という意味もあると聞いたことがありますが、この数字はまさにその証拠ですね。
とはいえAEWの出現によって掛け持ちユーザーが20%弱登場したことでその様子も少し変わったかもしれません、それこそコーディらの言う「WWE以外の選択肢の提示」がわずかながら成功している証拠ですかね。
おまけ:実数表
上の表では割合を示していましたがこちらは各ユーザーの実数値になっています。
性質上、行列の非対角成分は同じ数字になっているのがわかると思います。
所感雑感
というわけでユーザー重複度調査でした。
実は似たような解析は以前もやったことがあるんですけどその際は単純に「ユーザーが何団体呟いているのか」を調べただけなので今回のような「どの団体と重複しているのか」は初、なハズです。
調べて改めてWWEのユニバースっぷりに驚いた次第ですが、一方で各団体の特色が見えたりもしました。
まぁ単純なユーザー数でいうとWWE,AEW、そして新日本の三つ巴の争いがやっぱり今後あるんではなかろうか、と思う一方で桁こそ同じとはいえいまだに数倍の差があるのも事実で。
ちなみに上の図から新日本とAEWの和集合のユーザー数を計算すると5万人弱、これでもまだ足りないってんだから恐ろしい・・・
きょうはこれまで、それでは