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過去対戦で振り返る飯伏幸太対ザック・セイバーJr.

NJCからのMSG、そして年間最大級のビッグマッチである大阪城ホール、そんな大一番に挟まれた結果割とあわただしく色々な試合が組まれる印象のあるどんたくシリーズ。
最近だと3,4大会のビッグマッチも当たり前になりつつあるようなロングシリーズですが、その本格開幕を告げる愛知ビッグマッチのメインはICとなりました。

しかもそのカードが飯伏幸太ザック・セイバーJr.、IWGP IC戦というタイトル面での格もさることながら対戦する両者の格、そして試合カード自体への期待感からもメインイベントにふさわしい、というかもっとでかい会場でやって?(懇願)という感じすらある試合ですわ。
思えば両者ともに4月の両国でIWGPヘビーに挑んだことがある=NJC優勝経験もある者同士だったり、元は日本でジュニアヘビー級で闘っていた者同士だったりいろいろ共通点のある両者だったりもします。

個人的にもここ数年で何度か対戦があったのでまとめてたよな?と思いきやきちんとした形で過去対戦をまとめたことがなかったので、良い機会と思ってこれまでの両者の対戦をまとめたいと思います。
まぁ対戦するたびにその経緯については毎回簡単に触れていたとは思いますが、振り返りなのでよろしくどうぞ。

 

2017.7.21 海の”こちら側”での初対決

(新日本プロレス公式サイトより引用)(試合映像)

飯伏幸太とザック・セイバーJrの初対決は2017年のG1でのこと、なんですがこの両者の初対決にはも少し前日譚が。
2016年にアメリカ・WWEは世界中のクルーザー級(体重92㎏以下)の選手を集めた一大トーナメントCruiser Weight Classic、通称CWCを開催。
そのトーナメントには当時フリーだった飯伏とザックが参戦しており、前評判と期待通りともに準決勝に出場。
両者の決勝での対戦が熱望されていたもののザックはグラン・メタリック(元CMLLのマスカラドラダ)、飯伏はTJパーキンスに敗れて対戦はお流れになり、対戦を楽しみにしていたファンにとっては残念な結果になったとか。

で、翌年2017年に飯伏は新日本に復帰し、ザックも鈴木軍として参戦開始したことで一気に再戦の機運が高まり、その高まりそのままG1で対戦が決まったのがこの試合、ある意味で海の向こうで高まった機運が海のこちら側で実現した、そんな試合だったわけです。
試合順としては内藤(対吉橋)、棚橋(対ファレ)に譲っているのが今となっては奇妙以外の何物でもないですけど、逆にこの試合順だからこそ何が起こるかわからない”初物”の良さが出てたかもなぁとも。
それに加えて、久々の参戦とはいえ新日本ファンにはなじみ深い飯伏に対してまだまだ異物のザック、そういう組み合わせだからこそザックの異物感、転じて言えばオリジナリティも色濃く見える試合で興味深い。
ある種観客にも刻み付けられたザックの関節技地獄の恐怖、そこを乗り切ったのは当時はまだ「人でなしニー」と呼ばれていたカミゴェとザックの想定外のパワーで放った三角締めを切り返してのパワーボムという意外性のおかげでしたかね。

2018.3.15 JUST TAP OUT(ならず)

(新日本プロレス公式サイトより引用)(試合映像)

初のシングルはその初物ゆえの不安定さも考慮してかメインどころかセミ前だった同対決ですけど、翌年NJCでの再戦は文句なしのメインイベントに。
それは紛れもなく前回の対戦でこのカードの価値を会社にも観客にも、満天下に示した結果でもあります。
この2度目の対戦での違いは試合順だけでなくザックの周囲も、特に同じ鈴木軍のTAKAみちのくがセコンド・マイク役についていたのもありますね。
余談ではありますがいろいろあって自分の立ち上げたKAIENTAI DOJOを退団したTAKAが新団体を旗揚げしたんですけど、その名前がザックに付き添って1年近く新日本のリング上で叫んできたJUST TAP OUTなのは抜け目ないというかなんというか。

いずれにしろ約1年ぶりの対戦とあってザックもいろいろと対策をとってきたところ、初戦はいささか相手の様子見もかねてか両者ともに多く受けていたような印象があったりしますが、今回は序盤からザックが積極的に飯伏に対して圧をかけているのが印象にあります。
それは新日本に定着してきたからこその引き出しの開放とも、NJC及び新日本で生き抜く上での関節技特化とも見えます。
飯伏も初戦で勝利した三角締めからのパワーボムと、正式名のついたカミゴェで勝利を狙うもそこを丸め込みで切り返しつつ、スタミナを消費させてくあたりはザックの戦略にはまった感じが強い。
最後もカミゴェを切り返しての、もう何と言っていいのかわからない複合関節技でザックの勝利。
試合結果としては(飯伏がピクリとも動けないまでに固められていたため)レフェリーストップではありますけど形状としては3カウントになってもおかしくはないまさに完全勝利だったザック、JUST TAP OUTではなかったけど。
ザックはこの勢いそのままにNJC初優勝を果たします。

2018.7.15 ”結果”だけのリベンジ

(新日本プロレス公式サイトより引用)(試合映像)

NJC優勝という結果をもってして新日本での実力者、トップレスラー、そしてG1での優勝候補にも挙がるようになったザック。
そんなザックにリベンジしなくては先に進めない状態だった飯伏ですが、そのリベンジの機会は4か月後のG1、大田区大会にて巡ってきました。
今度の飯伏は、前回の対戦と比較すると序盤はザックのグラウンドに踏み込んでいる印象で、それは前回対戦でそこでいいようにスタミナを削られた経験からでしょうかね。
テクニックではザックが上ではありますが体重、パワー打撃では上回るからこそ密着した状態で打撃を織り交ぜていくことで一方的ザックペースにさせない、という作戦を練ってきたような印象。
そうしたザック崩しのおかげもあってか飯伏の打撃も要所要所でクリーンヒットしている印象。
ザックも「そんな返しある?!」という具合にことごとく打たれるカミゴェへの切り返し、しかしあくまでカミゴェにこだわって最後の最後に決め手の勝利、ある意味で根気での勝利って感じですかね。
しかし苦戦も苦戦だったこともあってか試合後の飯伏のコメントも浮かない顔で「結果としてはリベンジできた」と含みを持たせる感じ、納得がいってなかった部分もあるんでしょうねぇ。

2019.3.16 1年越しのJUST TAP OUT

(新日本プロレス公式サイトより引用)(試合映像)

そして記憶にも新しい2019年のNJCでも両者は対戦、奇しくも昨年と1日違いの「NJC2回戦」での対戦、しかも場所は同じく後楽園(ゆうて3戦目の大田区以外はみんな後楽園だけど)
ある種3戦目からこの4戦目の間で大きく状況が変わったのは飯伏の方、昨年後半はどちらかというとケニーとのゴールデン☆ラヴァーズでの活動、そしてBULLET CLUBの内紛に半ば巻き込まれた形で如何せん活躍したとは言い難い感じはありました(NEVERとったりしてるけど)
その後、ケニーの退団に伴う退団疑惑もあったりしながらも残留宣言したことで期待がより一層高まった形で挑んだのがこのNJCだったわけです(なんかまとめてみてみるとこういう状況覆いのな飯伏、カムバックするってことは同じだけ離れてるってことでもあるけど)

そういうわけで意気込みは人一倍ではあったものの、おそらく奥の手として用意してきたであろうタイガードライバー91は1回戦の内藤戦で切り出してしまったがために、ザック戦に向けての切り札はなし。
対するザックは前回対戦でも見せていたように飯伏のフィニッシャーたるカミゴェ対策は万端、さらにはその際に切り返された立ち関節でなくグラウンド関節であるオリエンテーリング・ウィズ・ナパームデスをチョイスする万全ぶり。
まさに勝つべくして勝つ、そんなザックの用意周到ぶりが見える試合でした。

 

所感雑感

というわけで飯伏対ザックの過去対戦は2対2の互角ですね。
しかし実はメインイベントだとザックの2戦2勝だったりするんですよね、そういう意味だと今度の試合はメインイベントだけにザック有利か・・・
と言いつつこの両者、ごらんのとおりNJCもしくはG1という舞台でしか対戦がなく(飯伏内藤もだったけど)タイトルマッチは初なのでこの法則?ジンクス?システムも当てはまらないかと。
いずれにしたって試合内容は折り紙どころか熨斗まで付けちゃうレベル、楽しまなきゃ損オブザイヤーですわ。

きょyはこれまで、それでは

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