今やすっかりネットでの配信が当たり前どころか主流になってきたプロレス界。
日本に限っても6団体(新日本、全日本、ドラゴンゲート、大日本、DDT、スターダム)が独自の配信サービスを開始しており、それぞれで試合のアーカイブ配信や大会の生中継を行っていますね。
その値段も大体800円台から1500円程度と実際後楽園ホール大会の立ち見以下の値段で1ヶ月見放題なのでお財布事情的にも大助かりなわけです。
とはいえ見ていると気になってくるのはその生中継の頻度。
自分の入っている新日本プロレスワールドでもBest of the Super Jr.シリーズ真っ只中ですが全14大会中試合中継があるのは5回の後楽園大会のみ。
一応公式戦は全試合アーカイブ配信とはいえ、アーカイブと中継だと「見よう!」と思うまでの腰の重さが大分違うのも事実。
さらにツイートの集計をしているとやっぱり中継がないときはツイート実況も全然ありませんしね、盛り上がり辛い事実はあるでしょう。
ではなぜ全試合生中継ではないのか、という話。
実際のところ3月のNew Japen Cupシリーズでは全9大会の生中継を行ったりもしていますし、根本的に不可能なことではないはず。
「おそらくネックとなるのは配信にかかる費用ではないか」ということがファンの間では予想はされていますが、じゃあ実際いくらぐらいかかるのか、調べてみました。
集計手法
今回はネット中継に必要と考えられる要素について、代行サービスや求人情報を調べ、1地方大会(15:00開始18:00終了の3時間興行を想定)にかかるであろう料金について調べます。
配信サービスとしては新日本プロレスワールドなどの自社独自配信サービスを用いていると考え、その使用料などは考えないものとします。
つまりは
- 映像をカメラで撮影する(固定+手持ち)
- 実況・解説を加える
- スイッチングなどを行いながらネットで配信を行う
という配信を想定します。
各代金
映像撮影(カメラマン)
まず初めにカメラマンにかかる料金。
そのものずばりのデータは見当たらなかったので求人サイトでちょっと検索してみるとはたらこネットにおいて「日当2万円」という求人を発見。
流石にプロレス会場での動きの激しいものを撮るカメラマンではないですけど日当として桁が余り違うものではないだろう、
ということで所謂リングサイドで撮影を行うカメラマンについては2万円/人・日ということで計算。
【週1日・2日でOK】テレビ番組カメラマン◎日当2万円+交通費 エルコムウォーク株式会社 (募集№33750811)|はたらこねっと
映像配信(スイッチング+配信代行)
次に撮影した映像をネット配信するための機材。
これについてはUstreamやニコニコ生放送なんかが既にあるおかげか結構代行サービスを行っている会社はあるみたいですね。
いくつか調べた中でイメージに近いものは下記ページのハイスペックプラン、カメラが3台ほどあってスイッチング兼ディレクター、カメラマン、その他アシスタント付きという感じ。
はたしてこのカメラマンが動き回って撮影してくれるタイプなのか、それとも固定カメラの向きの調整やズームの調整のみなのかはわからなかったですけど例をとかを見るに後者っぽいので、これに加えて上記のカメラマンを使うと想定。
今回はスタッフ5名の場合の49万円/日を採用。
実況
続いて実況者にかかる料金。
これに関してもアナウンサーの方の日当なんて分かるわけもなく、カメラマンと同じく求人情報で検索。
実況とは大分かけ離れてはいますがとりあえず司会で調べてみると下記条件を発見、日当は1~3万円とのこと。
流石に本職の、実況の出来る人となるとモット高いんでしょうけど今回はとりあえずこの3万円を採用。
合計料金
ということでこれらの料金を合計すると
カメラマン2人:2万円×2人=4万円
配信代行:49万円
実況1人:3万円
合計:56万円
計算してみると結構かかる、というか配信代行がその大部分を占めているんですけどね。
ちなみに、以前数のプロレスさんで集計していた会場使用料の記事を参照するとアクトシティ浜松の会場使用量とほとんどおなじぐらいですね。
他の会場についても分からないですがよっぽど高い会場でなければ大体同じぐらいの値段なんじゃ、と思うのですが。
そうすると生中継を行うと会場の使用料と同程度の費用が必要になるって感じですかね、単純に会場の使用料が倍になると言ってもいいですが。
新日本の大会では地方大会のチケット料金は5000円ぐらいからになっているので、これまでと同じ使用料の会場で同程度の利益を出すことを考えると1大会ごとに+112人の動員増が必要ということに。
一応前回まとめた今年と去年のBOSJの動員を見てみると平均で動員数は+200人程度増加、つまり上記のプランで中継をした場合利益は+になるということが推測される、ってことですかね。
勿論、ちゃんと目の肥えたファンの目に適う中継を行うためにはカメラマンもスイッチャーも実況もバイトでなく本職を・・・と考えると上記料金よりもお金はかかるとは思うので人数的に前年より利益が出るかどうかは微妙なラインかもしれませんね。
所感雑感
というわけでちょっと前から気になっていた「試合中継には一体いくらかかるのか」でした。
勿論雑な見積もりではありますがまぁ50万円かそこらって言うのはなんともリアリティのある見積もり値が出たんじゃないかと思います。
まぁ実際にはもっとかかるんでは、と思うんですが冒頭にも述べたように後日配信と生中継だと見る側の盛り上がり、シリーズとしての盛り上がりも・・・って気はしますから全試合配信は達成したので来年度は全戦中継!とはいわずも中継数が増えるといいなぁ
きょうはこれまで、それでは