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「プロレスの数字とプロレスする」をテーマにプロレスに関連する数字を調べ、まとめ、考えるブログです。

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続・各種数字で見るBest of the Super Jr.25・現状と課題と変化編

さて前回の記事では今年のBOSJメンバーについて色々数字を見て見ました。

www.pwanalysis.com

で、今回はそんなジュニア部門を取り囲む現状と課題について色々数字を見ていきながら書いて行こうかと思います。
と言うのも昨日のメンバー発表でもあーだこーだあったように、熱いファンがいる一方で中々順風満帆と入っていないのが新日ジュニアの現状でもあります。
今年に関してはまず初めに決勝が後楽園ホールに縮小(これに関してはこれまで決勝に使っていた代々木第二が工事で使えないという理由もありますが)、
メンバー発表もVTRや会見もなくぬるっと公式HP及びラインで発表(だいたいボンソルのせい)、という感じ。

諸事情あったとはいえ「もうちょっとどうにかならんかったのか?」と思う部分は多々あるでしょう。
とはいえこういう「もうちょっとどうにか・・・」はジュニアにとっては日常茶飯事でファンもですけど選手もまた悩み苦しんでいる部分でしょう。
たとえばここ数年のBOSJでは地方大会のメインはヘビー選手のタッグマッチが行われており、いやがおうにもジュニアの立場の低さを意識させられましたね。

ということで現状順風満帆ともいえないジュニア事情、その現状について各数字を見つつ考えて行きたいと思います。
ちなみに、結論から言うと数字をまとめてみての自分の所感は、課題は残ってはいるものの現状は変化しつつある、「風は吹き始めている」という気がしました。
それではそれを踏まえて見ていきましょう。

 

観客動員から見る現在のBOSJ

G1/NJC/WTLとBOSJの比較、シリーズ平均・合計動員

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まず初めに2012年以降のG1、NJC、WTLそしてBOSJの一大会辺りの平均観客動員数の推移を見てみます(というか凡例がG1のデータに被ってるけどまぁ重要じゃないので気にしないでください)。
こうして見るとG1なんかは2015年から今のA/Bブロック交代制が始まって大会数の増加と共に一大会辺りの動員数が減ったりしてます。

で、こうしてみてみるとわかるようにBOSJは新日本で定着しているリーグ戦・トーナメント形式シリーズの内で一番低い数値を推移しています。
まぁ実際WTLとはどっこいどっこいな数字ですが、NJCとは2017年時点で約1000人近い差が出来ています。

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で、こちらは大会全体の総観客動員数の推移ですが、シリーズとしての長さもあって2016年はNJCよりも1万人ほど多くの動員を果たしていますが2017年にはほぼ同規模に追いつかれています。
その後、今2018年のNJCは各大会の平均動員も増えたことで合計で4000人近く増加しています。
BOSJは2015-2016年に1700人、2016-2017年に1000人の増加をしていますから、
前年までのペースで動員が増えたとしてもNJCに総動員で追い抜かれる可能性も見えます。
という結果から見るにBOSJシリーズは他のリーグ・トーナメントシリーズと比較して、現状として平均・合計動員の面で苦戦しているということがいえると思います

BOSJ 2012 2013 2014 2015 2016 2017
大会数 12 11 8 13 14 14
総動員 14660 15365 12240 17501 19202 20554
平均 1221.7 1396.8 1530.0 1346.2 1371.6 1468.1

とはいえ、グラフからわかるように総動員は2014年以降、平均動員も2015年以降増加中であり着実に伸びているのも確かではあります。
上の表はBOSJの各年の詳しい数値をまとめてありますが今とほぼ同じ大会数になった2015年以降、15-16年には+20人と微増に止まりましたが16-17年には平均で+100人と結構な割合で増加しています。
そういう意味でも、現状としては苦戦しているとしてもある意味で動員面での改善の兆しが見えていると言えるでしょう。

各大会”動員マーク”変化

動員と関連して過去3年間のBOSJシリーズの動員マーク(満員、超満員、札止めなど)の数を調べてみると

2015年 (地方大会メイン=ヘビー)

札止め 後楽園山形
超満員 決勝代々木愛知新潟開幕後楽園
満員 長野栃木
ノーマーク 後楽園茨城静岡青森埼玉

2016年 (地方大会セミ・メイン=ヘビー)

札止め 開幕後楽園
超満員 決勝宮城群馬広島大阪新潟
満員 後楽園愛知後楽園静岡
ノーマーク 宮城鳥取岩手山形

2017年 (地方大会メイン=ヘビー)

札止め 決勝代々木大阪開幕後楽園
超満員 愛知
満員 群馬静岡後楽園
ノーマーク 後楽園茨城長野石川栃木後楽園三重

このように推移しています。
冒頭に述べた「風が吹き始めている」と感じたのはここで、昨年には3つの会場で札止めを記録していることです。
しかも決勝が行われた代々木第二は初の札止め達成ですし、札止めとなった3会場はいずれも公式戦がメインを締めています。
それぞれのメインカードは開幕戦ドラゴンリー対ヒロム、大阪オスプレイ対ヒロム、決勝KUSHIDA対オスプレイ、奇しくも今年のBOSJでメイン・セミ登場数の多い3選手が絡んだカードばかりなんですよね。
それを考えると今年の「全大会公式戦メイン」という英断はこの3大会の札止めという成果があったからこそ、かも知れません。

ちなみに、今年のBOSJも5回の後楽園大会がありますが開幕二連戦及び決勝二連戦については既にチケットもほぼほぼ売り切っている様子、それに加えて中日もカード発表以降結構問い合わせがあったとのこと。
先シリーズ、余りポジティブでない方向で話題にもなりましたが、新日本プロレスワールドでの中継が多くなった昨今では「満員の会場が何よりの宣伝効果」な部分はありますから、注目される開幕戦や決勝に加えて中継のある各大会で良い動員を記録することは重要って気はしますね。

人気投票ものから見るジュニアの現状

さてここまで観客動員を見てきましたが、ここでは各媒体で行われた人気投票ものでのジュニア勢をちょっと振り返ります。

こうした投票ものというと今まさに行われているNumberのプロレス総選挙がありますが、2015年には新日本の選手のみのものが、2017,18年にはプロレス界全体でのものが行われています。
そのなかでの新日本のジュニア勢の主だった順位を見てみると

2015年(新日本のみ) 11位KUSHIDA、15位ライガー、16位外道、17位田口、19位小松

2017年(全体) 11位ヒロム、17位田口、43位ライガー、

2018年(全体) 第3時速報 9位ヒロム

2015年には新日本内に区切ってもTOP10にジュニア勢が入ることが出来ていませんでした。
しかし去年行われたものでは他団体を含めても11位にヒロムがランクイン、さらに今年のものの中間発表では対にトップ10にヒロムがランクインすることに。

さらに、2017年末に行われた新日本プロレス公式のファン投票ではケニー内藤オカダのトップ3に続く形で、棚橋を抑えてヒロムが4位入賞。

ちなみに前年も同様の投票を行っていたはずなのですが、見つけた画像から見るとトップ5のみ発表で面子は内藤ケニー柴田オカダ吉橋というもの、吉橋が5位・・・?

まぁそれはさておき、「会場人気と集客力はまた別」という言葉もありますけど、単純なファンからの人気・支持率という面で大きな変化が起きていることは確かだと思います。

棚橋が新日本を立て直した時に意識したのが仮面ライダーなどの特撮ヒーロー者の勧善懲悪感だった、という話もあるようにプロレスにおいても飛びぬけた”主人公”がいることで見やすく、のめりこみ易くなることは確かだと思います。
そういう意味でもこの高橋ヒロムの支持率の高さ、人気の高さはジュニア部門において確実に一つの追い風になっていると思います。

無論ヒロムだけで全てが回ることもなく、他の選手との関係性やヒロムに(人気面で)匹敵する選手がでてくることや、こういった単なる人気だけでなく対外的な知名度で所謂BIG5(棚橋オカダケニー鈴木内藤)並のものを持った選手を持つことがジュニアの立場向上において必要だとは思います。
ジュニア部門の顔、ジュニアの棚橋が必要、という感じですかね。

参戦選手で比較するG1とBOSJ

というわけで人気面ではヒロムを筆頭にして追い上げつつある、のですけど已然として同じシングルリーグ戦であるG1との差は中々埋まらない・・・
ということでG1とBOSJについて色々比較

世代・平均年齢

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 BOSJの各数値でも行いましたけど同様にしてG1も平均世代の推移を調べてみました(データは2017年まで)。
こうして見ると2003年にほぼ同程度の数値になることもありましたが基本的にはG1と比較してより若い選手が出場している感じですね。
それは勿論、まだ体が出来上がっていない若手が出る場合があるということや、キャリアを積んだ選手がヘビー級へ移るって場合もあるのでその影響もあると思います。

前回の記事で「BOSJでは2年か3年ごとに世代推移がある」ということと「2011-2015年にかけては毎年世代が若返っている=出場選手が安定していない」なんてことを書きましたが、
G1では2012-2015年で見著ですが平均世代が4年に渡って安定しているのが見て取れます。

おまけ:平均年齢推移
多少の上下はあるものの基本的にG1>BOSJですね

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新規参戦割合

ということで2012年以降の各リーグ戦での新規参戦選手の数・割合(過去2年参戦してない選手)を見てみると以下のように。
BOSJでは毎年20%以上、時には50%の選手が新規参戦なのに対して
G1は新選手は多くても30%で、あまり選手の入れ代わりがないことが見て取れます。

BOSJ 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
新選手 8 4 4 6 5 8 4
44 22 25 38 31 50 25
G1 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
新選手 3 5 4 0 6 2  
17 25 18 0 30 10  

これはある意味でBOSJの一つの課題を示唆していている気がします。
新しい選手や海外・他団体の情報にも目ざとい濃いファンならともかく、地方などの新規のファンにとってはやっぱり「よく見知った選手を見たい・応援したい」という心情は少なからずあるでしょうし。
だからこそポスターを見ても知らない選手ばかりで新規のファンが安心してチケットを買い辛いという状況も少なからずあるのかな、と。
それと比較すると昨今のG1はベテラン勢や退団選手の入れ替わりはあるもののタイトルコンテンダーは軒並み毎年出場していますからある意味で「安心して」チケットを買える状況ではあるかと。

逆にこれは、ヘビーのタイトルマッチなどで時折ぶち当たるマンネリがない、常に新鮮な組み合わせが提供できるという強みではありますし、その新鮮さが好き、というファンも多いでしょう。
ある意味で重要なのは「新規参戦選手が多くても主軸となる選手がちゃんといる」ことでしょうか、そういう意味だと今のKUSHIDAオスプレイヒロムの3選手の役割は大きい。

外国人比率

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続いてリーグ戦に参戦する外国人の比率を見てみるとBOSJでは多いときは過半数が外国人選手になる外国人天国ともいえる状況に。
逆にG1は30%程度を推移している感じであくまで日本人選手がその主軸を担っていることがわかります。

勿論「その外国人選手が見たい!」という声もわかるし、実際スゴい選手が参加している/いたんですけど、それが上記の新規参戦選手と同じく「未知なる強豪」だけに不安に繋がってる気はするんですよね。
それに、ジュニア部門では特に外国人選手はスポット参戦になることが多く、なおのこと見慣れない選手が多くなってしまうこともありますしね。
そういう意味でいうと先シリーズにオスプレイがほぼほぼフル参戦していたのは、ファンが見慣れる、愛着を持つ意味で凄く重要。

とは言うもののBOSJは2017年にある意味で大きな転機を迎えていて前年には過去最多の外国人率63%に到達していたのが一気に半減して38%に。
これは鈴木軍のリターンやヒロムの本格参戦などによることでもありますが、
結果としてはこの方向転換のあった2017年に近年最多の3大会札止めを達成しており、平均動員数も+100人と好調でした。
それを考えても、この日本人選手中心施策はある意味で成功したとも言えるんではないでしょうか。

勿論、この好調には色々な条件が重なったことではあるのでそれだけによるものとは判断できませんが、自分の直感としてはやはり日本人選手が中心にいた方が見る側も感情移入などがしやすいと思いますし、それが一般的な注目度の向上に繋がることにも納得がいきます。
いずれにしろ今年は前年と同じく日本人選手が過半数を締める状態でのBOSJで、
引き続いて盛り上がり、動員面で好調を見せられるのかどうかは今後の方針を決める上で非常に重要かと考えられます。

↓表は外国人率のまとめです

BOSJ 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
外国人数 7 9 9 10 10 6 6
選手数 18 18 16 16 16 16 16
外国人率 39 50 56 63 63 38 38

 

G1 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
外国人数 5 5 7 5 4 6  
選手数 18 20 22 20 20 20  
外国人率 28 25 32 25 20 30  

所感雑感

というわけで色々な数値を調べてみました。
まぁまとめてみた自分の個人的結論としては「観客動員はリーグ戦シリーズの中では苦戦中の部類」「動員数は改善傾向」「日本人選手主軸は効果的」「ヒロムの人気・主人公力に期待」という感じです。

ここで自分の個人的な考えを述べさせてもらうと、
BOSJ・ジュニアの魅力は「新しさ」だと個人的には思っていて、それは年齢的にもそうですし、新規参戦選手などの目新しさでもあります。
その一方で新しさは「未知」にも繋がっていて、これが興行商売においては厄介な部分で、実際にBOSJシリーズがヘビーのシリーズと比較して興行面で苦戦しているのはこの「新しさ=未知」による部分は大きいと思います。

その一方で面子があんまり変化しないG1は「既知」の塊で、だからこそマニアも新規のファンも安心して見に来れる部分はあるんですよね。
その一方で「既知」は「マンネリ・飽き」にも繋がるもので、G1でも定期的にメンバーの入れ替え・卒業が行われているのは周知の通りだと思います

逆に言うとBOSJはこれまで、特にここ数年、1から10まで新しい=未知なリーグ戦だったという気もしていて、
だからこそ今後は主軸を所属の日本人選手が固め、そこに目新しい海外・他団体・若手選手が挑んでいくという形に進んでいくのが、「新しさ」というBOSJの良さを残し・活かしつつ、興行面でG1に迫っていく手法かなぁと思ったり。

そういう意味で今年のBOSJはヒロムデスペSHOYOHという生え抜きの若手ジュニア選手が多く揃った大会でもありますので、ここでしっかりとした主軸を作る、見せることが今後10年のBOSJ、ひいては新日本にとって重要なんじゃないかな、と思います。
無論ここ数年、実は一番苦しい時期だった感じもある「生え抜きジュニア不毛時代」を支えてきたKUSHIDA、BUSHI、田口監督もその主軸たるんですけど、彼らが支えてきたからこそ今のジュニアがあるわけで。

まぁこんなこと言いつつも、各大会では普通に試合を楽しんで生きたいと思います。

きょうはこれまで、それでは。


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