プロレス統計

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IWGPヘビー・IC、統一/二冠構想を振り返る

さてWWE、WrestleMania34も終幕した昨今皆様いかがお過ごしでしょうか。
いやぁ凄かったですねぇニコラス君(そっちか)、8万人近い観衆のいたあの場であんな美少年を瞬時に見つけ出すストローマンの慧眼たるや。
WrestleManiaというかWWEのPPVについてはいつものツイート解析をする予定はないんですが、集計が終わったら色々数字を調べてみたいですね。

それはさておき、1週間近く前になりますが以下のような記事をトペスイシーダブログさんが掲載しました。

tope-suicida.tokyo

次期どんたくシリーズのレスリング火の国において鈴木みのると内藤哲也がIWGP・ICを争うわけですが、いつも獲物を探し回っているみのるに対して内藤さんは終始トランキーロ、今回の対戦にしても一切「ICが欲しい、鈴木みのると戦いたい」と発言してはいません。
とはいえみのるを焚き付け続けて挑戦者として指名「させた」理由、ICを言外に欲した理由として上記事では「IWGPヘビーとIWGP・ICの二冠、統一を狙っているのでは」というのがトペブロさんの予想でした。

というわけで今回はこれまでにも度々持ち上がってきた「IWGP統一構想」について、覚えてる限りで振り返ります。

2015.5.3 後藤洋央紀(IC王者)

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近年で最初に統一をぶちあげたのは(多分)後藤さん。
当時既に「IWGPに並ぶ価値を持つ」までに価値を高めていた中邑に勝ってICベルトを戴冠してのコメントで

後藤「そうですね。中邑の上げたこのインターコンチのベルト、こうなるとIWGPとどっちが強いのか試したくなりますね。俺がベルトを持ったってことは、そこを狙ってくってことですよ」

 と発言、中邑が会えてIWGPと直接対決しないことで別の価値を築いたのに対して直接対決を狙っていくことで前王者とは違う王者像の構築を狙った部分はあったかと思います。
で、当時の反応はというと、自分の記憶では統一を支持する人もいましたけどそれに反対する人のほうが多数派だったような。

というのもまぁ中邑がIWGPICを”面白いもの”に昇華してそれがやっと定着してきた時期だけに「まだそれを楽しみたい」というような空気もありましたし、それと同時に「それを言い出していいのは価値を上げた中邑本人だけだろう」というのもあったかと思います、というか自分の感想として。
何より後藤さんって所謂「価値が低かったころのIWGPIC」の王者だったわけで、その価値をあげられなかった人が何を今更・・・という部分もあったのかな、と。

とはいえ当時すでにNEVERのベルトなんかもありましたし、「ベルト多過ぎ問題」は既に語られていたのでそういう道もあるな、というのは観客も考えていた時期だとは思います、ただ機運が高まっていなかった。

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その後後藤さんは中邑のリマッチ(荒武者≒殿に対してのニンジャコスチュームで入場した奴ですね)を大阪城ホールで退け、

後藤「ここで負けたらほんと、今までと何も変わらない。絶対に負けられない一戦だったんですよ。俺が勝ったからには、次の挑戦者、IWGPヘビー級、指名したいと思います。」

 とコメント、G1優勝もしくは直接対決で実績を残して統一戦へ、と意気込みます。

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しかしG1の第5戦、仙台大会で中邑と3度対決し敗北、中邑にリ・リマッチの口実を与えてしまうことに。

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そんな幸先悪い中、G1大阪大会で念願のIWGP王者対決、とはいえ2012年のどんたくで同じくIWGP王者対決をやってるんですけどね。
とはいえ勝負どころでは強い後藤さん、この大一番でオカダに見事勝利し歓喜の万歳三唱。
コメントでは

後藤「時代が動いたんじゃないですか。IWGP(ヘビー級)とインターコンチネンタル、一つ扉をこじ開けたと思います。IWGP(チャンピオンの)オカダ、罪は重いよ。インターコンチネンタル、(次期)挑戦者、あいにくまだ決まってない。挑戦、いつでも受けてやるぜ。とにかく、次なる大きな扉、『G1』必ず獲ります。この後はこのベルトも世界へ飛び立たせたいと思います」

と上から目線で挑戦者に逆指名。
何はともあれこれでIWGP統一戦の必要条件は揃った、んですが・・・

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この年4度目となる対決で後藤敗れる、これによって後藤さんによるIWGP、いや天下統一は儚くも崩れ去ったのでした。
近年で言うと一番統一に近づいたのも確かなんですけど、やはり機が熟していなかったのが敗因か。

2017.6.23 棚橋弘至(IC王者)

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 そして時代は流れ流れて2017年、棚橋が再び統一構想を掲げます。
なんでこの期間、2年近くもこうした話が出てこなかったかを考えるとやっぱり、後藤さんの統一運動が頓挫したことによる冷却期間+2016年の大量離脱によってそれどころじゃ無かったってことですかね。
しかし2017年には内藤やケニーなどの新勢力が台頭したことで、一歩遅れた感の出てしまった棚橋がジェイ戦を前に以下のようなコメント(上記事より)

棚橋 ここでシッカリ食い止めて、また上がるしかないですよね。ジェイにいかれるようなことがあれば、もっと試合順が下がっていく可能性もあるし。俺はすでに「2018年は白を巻きながら“黒”を目指す」と発言してますから。

 で、この発言ってどこから来たのか探して見るとおそらく6月23日づけの東スポの記事。

【新日本】棚橋のIC再建2大公約

さらに棚橋は「もう一つは飛び道具なんですが、IC王者でありながらIWGPも目指したい。決してステップにするわけではないけど、ICを巻いてるから他を目指せないわけではない」と宣言。

当時の棚橋はICを物理的に破壊しつくした内藤からベルト奪還を果たした直後、「新しいIC像」を作るための取り組みとして「王者による挑戦者完全指名制」「IWGPヘビーとの二冠王」を掲げました。
前者については他王座との差別化のため、後者は価値の向上のための施策ですかね。

これを掲げてその後ビリー・ガンザック・セイバー・ジュニア飯伏幸太ジェイ・ホワイトと防衛を重ねていきますけどジェイの時点で完全指名制は途切れましたねぇ・・・
そしてV5戦となるはずだった 鈴木みのる戦で敗戦、棚橋のIWGP2冠の公約は果たされませんでした。

2018.3.6 鈴木みのる(IC王者)

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棚橋に続いてIC王者となった鈴木、IWGPと名のつくベルトは初めてだったわけですがその試合後コメントでは

鈴木「さあ、オマエ言ってみろ、インターコンチは何番目のベルトなんだ? 言ってみろ? 言ってみろ? いいよ、言わなくて。オマエが言わなくても、オレがよく知ってる。そう、今日来た客もよく知ってる、みんな知ってる。そう、オレの頭を上から踏んづけてるヤツ、オマエのところに行く、これは手形だ。通行手形だ。

とコメント。
「インターコンチが何番目か」「俺の頭を上から踏んづけてるヤツ」「通行手形」というように、ICの上位のベルト、おそらくはIWGPヘビーへの挑戦・奪取をこの時点で予告してるんですよね。
というか鈴木軍が新日本に戻ってきた時点で「全てのベルト・お宝を頂く」と宣言してる辺りそこから一貫した目的とも言いますが。

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その後鈴木は同様のコメントをリング上でマイク。

鈴木 「さあ、いるだろ、俺の頭、踏んづけてるヤツ(と言って、上を見る)。テメーのところ、必ずいくぞ! 首洗って待っとけ。

 ここで改めての宣戦布告になったわけですね。

所感雑感

というわけで「IWGPヘビー・IC統一構想」について振り返りでした。
自分が覚えている限りでこれなので、漏れがある気もするのでもし抜けている部分があればコメントやツイッターなどでご指摘お願いします。

いずれの場合もIC王者からの発案だったわけですけど後藤ー棚橋間に2年も間が空いていたのに対して棚橋ー鈴木では間もなく統一をにおわせるコメントがある辺りその機運も3年前と比較すると大分高まってきてるんですかね、まぁあの後USヘビーなんかも出来たからより一層ベルト多過ぎ問題は深刻化してますしねぇ。

で、先日ツイッターでどんたくシリーズで行われるIWGP戦オカダ対棚橋、IC戦鈴木対内藤の結果からどんたくで行われそうな4つの「IWGPヘビー/IC統一戦」についてどれが見たいのかアンケートをとったところ以下のような結果になりました。

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オカダ対内藤 42%
オカダ対鈴木 37%
棚橋対内藤  14%
棚橋対鈴木  7%
(148票)

というわけでオカダ対内藤が1番人気、それに僅差でオカダ対鈴木が並ぶ形。
オカダ対内藤で言えばドームで闘ったばかりではありますけど今度こそ勝ってほしい、っていう内藤ファンも多いってことですかね。
それに続くのがオカダ鈴木な辺りやはり鈴木みのる人気の高まりも感じる・・・
それに対すると棚橋絡みの対戦は低くなってしまったんですが、棚橋内藤は2017年に結構長いこと抗争してたから・・・とかもあるんですかね、棚橋鈴木はこの4カードのなかだと直近ですし。

いずれにしても近年だと割りと統一への機運が高まっている昨今、果たして本当に統一戦が行われるのか、誰と誰が争うのか、本当に統一されるのか、誰が統一するのか、気になりますね。
(そもそもIWGPが「乱立するタイトルを統一した真の王者を決める」ために出来たことを忘れそうになる話ですけど)

きょうはこれまで、それでは。